君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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何も伝わってこない
最近上映された他のヒット作品に比べ、各映画館における一日の上映回数が少なく、さらには映画サイトでの評価も低いので、期待はせずにハードルを下げて観賞したのですが、それをも下回る内容の作品でした。
何がダメだったのかというと、とにかくストーリーがつまらない上に分かり難く、終盤近くまで何をやっているのかよく分からなかったです。さらにはテンポも悪いため、つまらなさをより強調することとなっています。そして、これが本作をつまらなくしている大きな原因だと思われるのが、主人公に魅力がないことです。主人公以外のキャラにもあまり魅力的なキャラはいないのですが、特に主人公には魅力を感じませんでした。
以上の理由から、当然物語に引き込まれるはずもなく、終始スクリーンをぼぉーっと眺めているだけで、この作品からは何も伝わって来るものがありませんでした。正直なところ、途中からは早く終わらないかなと思ってしまいました。期待していなかったとはいえ、ジブリ作品を観てこんな気持ちになるとは残念です。
最後に、本作からは、こだわり過ぎたが故に観客を置き去りにしてしまった庵野監督作品と同類のニオイを感じました。作品にこだわりを持つのは良いことだと思いますが、その大前提として観客を楽しませることを忘れてはいけないと思います。たとえ本作にどんなに深い意味やメッセージが込められていたとしても、つまらないものはつまらないです。
追記>
内容とは関係ないですが、事前情報を全く公開しなかった点や、分かり難い題名やポスターの絵、パンフレットの後日販売など、客目線ではなく、上から目線に感じてしまいました。そういった点においても本作は失敗していると思います。
言葉にはしづらいが嫌いじゃない
映画館にて鑑賞しました。
自分の周囲にも鑑賞した人が多いのですが、その方々の評判が正直あまり良くなかったということもあり、若干ハードルが下がり気味だったのかもしれません。ですが、自分としてはそんなに悪くないな、と思いました。手放しに面白いとは思いませんが、映画としては好きです。
まずはやはり映像が素晴らしいですね。最初の火事のシーンから目を見張る作画でしたが、この作画のクオリティはやはりジブリだな、と感じました。キャラクターの動きにも彼らの感情や人間性を分からせるような動き、また動きだけを見ていて単純に面白いと思わせてくれる感じは流石ですね。
ストーリー部分については1度の鑑賞で全てを理解しようとするのは無理だなと鑑賞中に思いました。途中からがっつりファンタジーで宮崎監督ワールドを感じました。ストーリーを追うのではなく、なんとなくどんなことを描いているのかを重視して見ていたら、いつの間にか涙が出ていました。正直どのシーンで泣いたのかも思い出せないのですが苦笑。
ということでタイトルにも書いたとおりなのですが、分かりやすく面白い!というシーンがあるわけでもないですし、すごい面白い、とも言い難いのですが、不思議と嫌いじゃないなと思える映画でした。
またしばらく期間を空けて見てみたいと思います。
大切なことは言葉にならない
かなり面白い
分からなくとも良い
世界の秘密
作品同様、言葉にも、文章にも出来無いので
感じたままに
①美術の美しさに人物も物語も何もかも持っていかれてしまう。ありゃアート。
本物の絵画に負けず、アニメーションの意地を見せてくれて嬉しかった。
②エンドロールに、最後のメッセージがある気がする。
主題歌も含め、あれが一番だった。
誇らしかったり 愛らしかったり
人の子が、子供によって父親になり、
最後にウチの子達どうだ!本当にありがとう…
って言ってる気がした。
③でも、またもや有名俳優ばかり…
調べてみれば、声優さんは時間毎、
俳優さんは、実写の通り作品で拘束出来るらしく、それで初期に色々モメたらしい。
有名なのは、イメージをそのまま出す為&鈴木Pの野望なら大人になってとても納得。
しかし、今回は情報が無いお陰か、最後の答え合わせみたいで、楽しかった。
④分からない事があっても良いんじゃない?
古に観た、もののけ姫が再演された時、
年を重ねたせいか、鬼の目に涙…
やっぱり、世界の秘密は時を重ねてしか
解け無い事だってあるのかもしれない。
⑤過去と未来をどう感じ、現在をどう生きるのか?
作者であり主人公は、
夢と現実は
不思議で、切なく、不条理で残酷だけど、
優しさ、暖かさ、豊かさも希望と一緒にあるんだよと
説教では無く、遺言の様に伝えようとしていると思う。
だからこそ、今を生きてる若い方も
是非立ち止まって一度で良いから観て欲しい。
私は、これまでを生き、
これからを生きるから、今は…星4点。
5点はいつかこれから…
ジブリ過去作を見てきた人には最高のフルコース
私たちはどう生きるか
本日、二回目の鑑賞をしてきた。最近は忙しく、一回目の鑑賞から随分と時間がかかってしまった。
感想としては、「よくわからない」というのが最も正確なものだろう。
もう少し詳しく書くと、この作品は宮崎駿の世界観をそのまま体現したものである。「これまでの宮崎駿作品のオンパレード」と感じるのはこれが原因だ。これまでの作品と比べて宮崎駿という人間をより濃く前面に押し出しているので、とても難解な物語となっているのだ。
この作品は、矛盾点だったり、キャラクターの一貫性の欠如だったり、突っ込みたくなるような箇所がちらほらと散見される。批判を受けたりつまらないと評されるのは、これらのことが原因だろう。しかしこれは「映像によるオクシモロン的表現」「キャラクターの多面性」とも解釈することが出来る。このように解釈することが出来るのは表現の繊細さ、ギリギリ解釈できるような場面を設ける宮﨑駿のやさしさがあるからだが、その根底には「宮崎駿が作ったから」という先入観が存在している。無名監督が作ったらこのような評価はごく一部になり、多くの人からは「駄作」と評されるだろう。宮﨑駿もきっと「売れよう」などとは微塵も思っていないはずだ。好きなものを好きなように表現するという、「売れる」ことを意識しなければならない他の創作者たちからは嫉妬されそうな作品を世に出したのである。
個人的にこの作品は、宮崎駿を永久保存したようなものだと感じた。「自分はアニメ制作に生きたんだ」という思いが詰まっており、クレジットで数多くのアニメ制作会社の名前が表示された様はまさに圧巻だった。
ではこの物語は結局何を伝えたいのか、何を表現したいのか、ということについて少しばかり書いていく。
簡単に言うとタイトル通りである。そのままである。「君たちはどう生きるか」、その問題提起だけして観客にすべてをゆだねている。それゆえ賛否両論が存在している。宮﨑駿は「それも君の生き方だ」とでも言うのだろうか。
この作品には「おわり」の文字がない。このことから、今回映画にした部分は主人公の生き方を指し示す前日譚であり、本筋はその後のキャラクターたち、我々観客たち、そして宮﨑駿の「これからの生き方」にあるのではないかと解釈できる。我々は一度原点に立ち返り「自分はどう生きるか」について考える必要があるのかもしれない。
最後になぜ4.0という評価を付けたかということについてだが、この映画はエンタメ性がほぼないからというのが主な理由である。宮﨑駿による宮崎駿のための作品であり、我々観客はその表面しか掬えないのだ。
しかしこの作品は、宮崎駿という人間の人間性を垣間見ることが出来、その核心に少しでも触れることのできるとても素敵なものとして完成している。
一つの芸術作品として、鑑賞する価値は十二分にあると感じる。
宮崎駿と司馬遼太郎が日本人に遺したもの
最後の作品にして紛れもなく傑作でしょう。
賛否両論渦巻いていますが。
私は熱心なジブリファンという訳ではないですが、ジブリの世界観は日本人なら誰にでも身体感覚として持っているような気がします。
なので誰でも語る資格があるということでご容赦ください 笑
まず過去のジブリ作品が走馬灯のように思い起こされるという不思議な感覚に陥ります。
比類なき創作の才能。
宮崎駿さんが幼少の時に想像を膨らませていた世界が、大人になっても、ビジネスで成功しても、年老いても尚、燃え続けていて、それが深化し続けてていたのだと思いました。
そしてやはりこのタイトル。
吉野源三郎さんの本が出版されたのは1937年。
ウクライナで戦争が起き、タモリさんが戦争前夜と表現した混迷を増す現在において、このタイトルをつけた意図を想像せずにはいられません。
そうしたことを考えると引退作品であった『風立ちぬ』はリアル過ぎたのかもしれません。
最後はファンタジーとして、宮崎駿の世界観を貫徹したかった。
作品のテーマやメタファーについての考察はマニアの鋭い人がたくさん書いていらっしゃいます(中には舌を巻くほどの深いものも!)ので、私は別の切り口で考えたことを纏めてみます。
宮崎駿さんは司馬遼太郎さんに重なるところが多いなと感じています。
どちらも創作の名手。
一方は小説で、一方はアニメで。
司馬遼太郎さんも幼少の頃は図書館で本を読んでは想像の世界にのめり込んでいたようです。
司馬遼太郎さんの処女小説は『ペルシャの幻術師』、伝奇小説というジャンルでファンタジーです。
そして両人とも現代日本とその未来を憂えてたと思います。
司馬遼太郎さんは子供たちに唯一書き下ろしの随筆を残しています。
『二十一世紀を生きる君たちへ』
そして
『君たちはどう生きるか』
私には小説とアニメの世界で類稀なる才能を持った両巨人の二つの作品が、今そしてこれからを生きる日本人に残した遺作として重なって映るのです。
みんな、やっぱり宮崎駿が好きなんだ❗
宮崎駿10年ぶりの監督復帰作は、公開直後の興収が『千と千尋の神隠し』を上回ったとのこと。宮崎駿ファンの飢餓感が高じた熱量は凄まじい…ということだろう。
セルアニメを感じさせる映像が流れ始めると、それだけで感動的ですらある。
のっけから火災の表現に圧倒される。『風立ちぬ』での震災の表現が見事だったのを思い出す。
大塚康夫の流れをくむ宮崎駿の絵柄(厳密にはキャラクターデザイン・作画監督の絵柄のはずだが)は、故郷のような懐かしさと心地よさがある。「ルパン三世('71)」「侍ジャイアンツ('73)」で子供時代を過ごした者の刷り込み現象だろうか。
さらに本作には、『ルパン三世/カリオストロの城』以降の宮崎駿長編アニメーションの数々を連想させるシーンが忍ばされているのだから、マニアでなくても嬉しくなるだろう。
戦時下、主人公の眞人少年は軍需工場の経営者を父にもつ裕福な家の坊っちゃんだ。
彼が母を火事で亡くし、母の妹と再婚した父と母方の実家(屋敷)に疎開する。そこで摩訶不思議な大冒険が展開するのだ。
宮崎駿は「群」の描写が好きなようで、最初は使用人の老婆たちが旦那様のカバンを覗き込んでいる小さな「群」だったが、段々とエスカレートして最後は不気味なまでのインコの大群が現れる。
人それぞれの感覚かもしれないが、この「群」というのは嫌悪感を抱かせる作用があると思う。「ルパン三世」でみせた大勢の制服警官が一斉に飛びかかる演出などは、宮崎駿が繰り返し用いてきたコメディー表現で、この程度なら実に面白い。しかし、老婆も含めて異形のものが集合すると不気味さを感じずにはいられない。
宮崎駿作品には時折“気持ち悪さ”が持ち込まれている気がする。明るい色調で見失いがちだが、そういう変質的な面を宮崎駿は秘めていると思う。
さて、物語自体は少々破綻ぎみではないかと感じた。
いったい何のために少年は戦ったのか。ふしぎの国のキャラクターたちの役割は何だったのか。そして、少年はこの体験で何かを得たのか。
全ては、流麗で迫力あるアニメーション表現に溶け込んで見えない。
この物語が「君たちはどう生きるか」と問いかけているのかと言うと、そうではないと思う。
だが、長編アニメーション映画を作るという重労働に、老骨に鞭打って、制作部門を解体したジブリにスタッフを集めてまで再び挑んだ宮崎駿の生きざまが、君たちは…と、問いかけているのかも知れない。
敬意を表して★半分加点。
何も心が動かない
悪意に染まらぬもの
悪意を識る者こそ、悪意に染まらぬものだとしたら、私の悪意は、何処に向かえばいい?。
原本未読。予備知識は、原本原理主義者が本作を観て、怒り捲っているとの噂だけ。まぁ、無理もないですね。
この映画、傑作だと思います。まず映像。宮崎サンの集大成。これまでのジブリ作品、総てに捧げるオマージュ。だから、初めて観るのに懐かしい。それだけでも凄いことですが、やはり、原本が気になる。おそらく宮崎サンが、原本から大きく逸脱したのは、原本と張り合うことを避けたのでしょう。何故避けたのか?、その理由は原本読むしかなさそうです。きっと宮崎サン、自分のネームバリューを使ってでも、多くの人に、原本を手に取ってほしいんだろうな。私、手にしてませんけど。
観てから読むか、読んでから観るかで、意見が真っ二つになるようですが、改めて本作のタイトル、思い出してほしい。私達に、悪意に染まらぬものを受け継ぐ資格が、あるのか知りませんけど、他者を批判、あげつらうことで、自分が優れていると思うような生き方、したいですか?。君たちはどう生きるかを問う前に、私がどう生きるかを問うべきかな。
追記
「沈黙の艦隊」映画になりますね。原作好きの私としては、どんなに優れた映画であっても、今回は、原理主義者として、敵に廻る予定です。予告見ただけで、私の悪意が止まらないから。
更に追記
ネットの受け売りです。日本人の国語力、読解力は著しく低下したそうです。文字は読めます。単語の意味は、分かります。ただ、その文章を書いた人の意図を汲むことができなくなったそうです。
例えば「はだしのゲン」。作中に、ゲンが朝鮮の人を、からかうシーンがあります。それを見たお父さんがメチャメチャ怒ることで、差別の愚かさを伝えようとしたのですが、からかうシーンだけ見て、「はだしのゲン」は差別マンガだと思っているヒトが、いるそうです。
原因は不明。ネットで短文のやり取りを繰り返すうちに、表面的な言葉のみ使うようになったとか、学校のテストが、木を見て森を見ない、字面だけなぞる文言解読に、高得点つけるようになった為とか。学校で、思想、信条を教育するのは、やめてほしいですが、何故、文章を正しく解読することが必要なのか、何の目的で長文が、今、そこにあるのか、そこは伝えてほしかった。
昔と異なる宮崎サンを嘆くコメントが、散見されます。「ワ◯ルドスピード」のように、フォーマットは変えず、アクションスケールだけをアップすることを良しとしない宮崎サンの意図は、何処にあるんでしょうね。変わりゆく世界を描けば、変わらない世界を求める方々は、反発するでしょう。それでも、この映画のタイトルは……ね…。
書き込み自体が、他者を批判することになりますが、アニメという変わらない世界から、変わりゆく世界を描こうとした宮崎サンの問いかけを、汲むことができるのは、誰かな?。未だに「カリオストロの城」の、派手なアクションが好きな私が言うのも、変ですが…。
ジブリ初心者はよくわからなかった。
好きなものは好きと言える気持ち抱きしめてたい
なんか庵野的でもあり新海的でもあり(一番にすずめの戸締まりを想起した)それでも宮崎駿でしか描けない作品だと思った。
ストーリーテリングはあんまりハマらなくて、特にロードムービーの部分に必然性を感じさせるまでは正直退屈なんだけど、鳥の集合体とか蛙の集合体とか、いちいち絵面が強いので、面白い。おばさんの集合体ももはや可愛いレベル。
主人公が物事を受け入れ過ぎだなあと特に後半思ったり、周りの女性キャラクターが無条件に母性を振りまいている点も気にはなった。
とはいえ、後半の確信に迫るシーン、あの世界に戻ることを選択する母親と主人公の葛藤、主人公が成長できたのは母親からの「君たちはどう生きるか」の本だというところは痺れたねえ。青サギの「じゃあな、友達」も良かった。
宮崎駿の「好きなものは好きと言える気持ち抱きしめてたい 僕はこうして生きてきた」という強いメッセージに素直に打ちひしがられる方が良いと思う。
悪意のない石を積み上げるのだ
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