「宮崎駿が考える「君たちはどう生きるか」です。」君たちはどう生きるか toさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿が考える「君たちはどう生きるか」です。
まずはじめに。
映画を見たあと、本屋に寄り「君たちはどう生きるか」
をパラパラ見ましたが、映画は小説や漫画化された
君たちはどう生きるかとはストーリーも設定も違います。
タイトル、テーマだけがかぶっているだけで中身は別物です。
個人的感想は最後に書いてあります。
おおよその流れを長々と書いておきます。
映画の方は、
舞台が戦時中の日本で、主人公マヒトがある日
大人たちが騒いでいる中目覚め、火事を目撃する。
火事の現場が母親の病院でマヒトも現場へと向かう。
母親を亡くし、戦火のこともあり父親と二人で
田舎へと移り住む。そのさきに母親にそっくりな
女性があらわれ、新しい母親と父親から紹介される。
母親にそっくりな女性は母親の妹ナツコである。
お腹には子を宿しており、大きなお屋敷に住んでいる。
お手伝いのおばあやおじいが身の回りのお世話をしている。
母親の死を受け入れられないでいるマヒト。
マヒトとの距離を感じながらも気丈に振る舞うナツコ。
アオサギがあらわれ、マヒトにちょっかいを出し始める。
アオサギが屋敷の離れにある館に向かうのを見たマヒトが
館へと出向く。館はボロボロで上へと通ずる階段は土で
埋もれている。姿を消したマヒトをおばあたちが総出で捜す。
アオサギの羽が落ちているのを見つけ、
おばあが家に帰るよううながす。
館についてナツコからことの成り行きを聞く。
次の日、父親の運転でマヒトは学校に行く。
帰り道に同級生とけんかをする。そのあと自分の右側頭部に
石で傷をつける。おばあや医者に治療してもらう。
父親から誰とけんかしたか問いただされる。
コケただけだとマヒトは主張する。
次の日、アオサギがあらわれ木刀で向かい打つが、
歯がたたず、アオサギから母親は生きていると言われる。
カエルに飲みこまれようとされるとき、ナツコの弓で
アオサギどもを追い払い、難を逃れるマヒト。
その日からナツコのつわりがひどくなる。
おばあたちからお見舞いに行くよう言われ、
お見舞いに部屋に行き、帰り際タバコとナイフを盗む。
おじいにタバコを渡し、ナイフを研いでもらう。
竹の弓を作り、矢先が釘の矢を作る。うまく飛ばないので
池に落ちているアオサギの風切り羽を矢に取り付ける。
そのときに誤って机の上にある本を床に落としてしまう。
君たちはどう生きるかの本に母親の字でメッセージが
書き記してある。ナツコが森の中へと消えていく。
おばあたちがいなくなったナツコを捜す騒ぎに気づくマヒト。
ナツコが消えた場所をキリコと追う。
道の抜けた先に館の裏手に出る。
館に入ると入口が塞がれ、アオサギがあらわれる。
母親は奥にいるとアオサギに案内され、ソファに眠る
母親を見つける。触れると液体になり崩れる。
ナツコの居場所を問いただすとアオサギが
殺してみろと言い、マヒトは弓を引き矢を放つ。
一度は避けられたが、矢はアオサギを追いどこまでもついてくる。
矢はアオサギの上くちばしを貫通し、飛べなくなる。
館の上に大爺があらわれ、アオサギにナツコの居場所を
案内しろみたいなことを言われる。
アオサギ、マヒト、キリコは下の世界へといざなわれる。
マヒトはある島で目覚める。まわりはペリカンだらけで
金の門があり、門には「我を学ぶものは死す」
みたいな文字が書かれている。マヒトが門の前に立つと
ペリカン達が門に押し寄せ、門が開く。
海から船に乗った若いキリコがあらわれ、島に降り立ち
ペリカン達を追い払う。マヒトを助け、呪文を唱え、
後ずさりして船で島から脱出する。
仕掛けた罠を引き上げ、魚を釣り上げる。
ここは下の世界と説明され、生きている者は少ないと言われる。
生き物を殺生できるのはキリコだけで、他の者はできない。
若いキリコがその役目。若いキリコの家に招かれ、魚をさばく。
変な丸い妖精がいる。内臓が妖精の好物らしい。
机の下で目覚めるマヒト。まわりにはおばあ達の人形が取り囲んでいる。
それには触れるなと若いキリコに言われる。
マヒトはトイレに行き、月明かりがまわりを照らすと
妖精が空へと飛び立つ。若いキリコがあれが人間へと生まれ変わる
のだと説明される。ペリカン達が妖精を食べ始める。
全滅しかけたときにヒミがあらわれ、ペリカン達を追い払う。
寝ているときに外から物音がし、マヒトが外に出ると
トイレの横に傷ついたペリカン1匹がいる。
もう命が長くないとペリカンが言うと、妖精を襲った罰だとマヒトが言う。
ペリカンは下の世界ではエサとなる魚が少なく、
妖精を食べるように進化したと話す。
ペリカンは死ぬ。アオサギがあらわれる。
マヒトがスコップを持って、ペリカンを土の中に埋める。
翌朝、アオサギとマヒトがケンカして風切り羽をマヒトが引きちぎる。
若いキリコが二人をなだめ、ナツコ捜しがはじまる。
若いキリコからマヒトにキリコの人形と石をお守り代わりにもらう。
道中でアオサギの上くちばしの穴を塞ぐためマヒトが
木の棒を削り、いろいろ調整してあげる。
ナツコがいる家を見つけたが、インコが家を占拠している。
インコは人間を食べる。
アオサギがインコの気を引き、その隙にマヒトが家の中へ。
家の中にもインコがおり、丁重に出迎えられる。
ナツコはどこだと問いただすとお腹に子がいるので食べない。
ここにはいないと言われる。マヒトが食べられそうになるところを
ヒミが助けてくれる。ヒミの家へと招かれる。
そこでジャムパンを食べる。
ナツコの居場所を案内するためヒミと一緒に行動する。
父親がおばあ達から館のついての言い伝えを聞く。
館は空から降ってきた石であること。
その衝撃で池の水がほとんどなくなったこと。
石を覆うとしたら、何人も死人が出たこと。
いわくつきの館であること。
城の中に潜入し、番号の付いた扉の廊下に出る。
両端からインコが迫ってきて、扉の向こう側に
一時避難。父親がマヒトを見つけるが、
マヒトは元の世界に戻らず、下の世界へと戻る。
その扉はいろいろな時代に繋がっており、
ドアノブを手から離すと、下の世界には戻れない仕様。
ナツコのいる部屋に着き、マヒト一人で部屋に入る。
ナツコを起こすが、マヒトを拒絶し、マヒトとヒミは
気絶してしまう。
マヒトは夢の中?で時の回廊を通り、大爺の元へと行きつく。
大爺は積み木をしており、世界が一日保たれると言う。
積み木と言っているがそれは墓に使う石。
大爺がことの成り行きを話し、
自分の役目を引き継いでほしいと頼まれる。
マヒトは目覚め、インコに調理されようとしている
ところをアオサギが間一髪で助ける。
マヒトとアオサギが合流し、ヒミの行方を探る。
ヒミはインコに捕らえられ、インコの王様と一緒に
大爺の元へとつれていかれる。
マヒトが引き継がないなら、
ヒミに引き継がせるとインコの王様が言う。
ヒミを助けようとするが、インコの王様に阻まれる。
インコの王様と大爺が少しお話し。
そのあとヒミと大爺が言葉を交わす。
マヒトは役目を引き継がない、
ヒミも一緒に元の世界に戻りなさいと諭される。
インコの王様は時の回廊から出ず、経過を見守る。
マヒトとアオサギが崩れた階段から這い出てくる。
目の前に時の回廊があり、先へと進む。
広間に突如、扉があらわれ、扉の先へと進む。
インコの王様もつづく。そこでヒミと再会。
石を飛び先へ、アオサギもつづく。インコの王様もつづく。
大爺とはじめて対面。
13個の積み木を、3日に1個?1日に3個?積み
世界を導くように言われる。
マヒトは自分はうそをついてきた。頭の傷のことも。
そんな自分は役目を引き継ぐ資格はないと言う。
大爺が良い世界にするも、悪く醜い世界にすることも
できる。このまま元の世界に戻っても辛く、むなしい結果が
まっているだけだ。
しびれを切らしたインコの王様が積み木を適当に積む。
こんな積み木で世界の情勢を決められてたまるか的な事を言う。
積み木が崩れ、下の世界が崩壊する。
マヒト、ヒミ、アオサギが時の回廊を抜け、
番号のついた扉の廊下へと向かう。
若いキリコがナツコを見つけ、番号のついた扉の廊下に向かう。
マヒト、アオサギ、ナツコは元の世界に。
ヒミと若いキリコは過去の世界へ。
元の世界に戻ったマヒトはアオサギから
何で下の世界の記憶があるんだと問いかけられる。
なんか厄介なもの?もってないかと聞かれる。
ポケットからキリコの人形がおばあのキリコに
代わる。積み木の石が出てくる。
記憶は早く忘れろと忠告される。
3年後、戦争は終わり、都会へと戻るマヒト達。
ようは全部のジブリ映画の要素を1つの作品にまとめて
作ったらこの映画ができたということです。
風立ちぬのようなリアリティ要素、
トトロや千と千尋の神隠しのようなファンタジー要素、
風の谷のナウシカやもののけ姫のような自然と人間との共生、
魔女の宅急便やハウルの動く城のような心の成長や葛藤など。
面白いかどうかと言われたら、なんとも言えない。
ジブリ特有の表現や見せ方、話の流れや教訓、
教えや人生哲学等、ジブリ映画をたくさん見ている人
ならあるあるなシーンや場面があり、
ジブリファンなら理解できる表現方法がある。
それを楽しめるかどうか。まわりくどい言い回しや
シーンを許容できるかどうかで
面白いかどうかが別れると思う。
主軸は、マヒトの心の成長物語なので
シンプルだけどジブリなので良くも悪くも
一筋縄ではいかず、わかりにくく作られている。
個性豊かなキャラクターが多く、物語に集中しづらい。
なんの説明もなく新たな重要人物が出てくるので、
置いてけぼり。
重要そうなナツコもそれほど掘り下げず
ナツコをエサにマヒトが右往左往する展開。
マヒト、アオサギ、ヒミ、大爺だけの話を
聞いておけばよいです。
補足
ペリカン 自己犠牲、母性の象徴
サギ 神の使い、再生の象徴
インコ 知性 家族の絆 明晰さ
アオサギの声が太田光かと思ったけど、
エンドロールで名前が無かったので誰だったんだろう?