「怯えずに話ができる場に混ぜてもらえたような気持ち」ウーマン・トーキング 私たちの選択 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
怯えずに話ができる場に混ぜてもらえたような気持ち
これから自分達はどうするかを二日間で決める為の、会議でありながら全く「会議」的でない空間と時間に居合わせた。柄は異なっても同じような服で化粧なし、マウントも媚びも根回しもなく議事進行役も居ない。紛糾しても落ちつかせてくれたり謝ったり謝ってくれる。オーナ(ルーニー・マーラ)の存在がみんなの間に信頼を作り出していて、怯えずに一緒に考えて対話する空気がゆっくりと醸成されていった。笑いもあるし母、娘、孫、姪がいる中で一人一人が言葉を述べる。議事録作成は大学出の男性、女性達から唯一信頼されている男性のオーガスト(ベン・ウィショー)。書かれた議事録は自分達のためでなく他者に自分達の思考と決断の経緯を読んでもらうため。
みな、知性と理性と冷静を持ち合わせている。それは何に依るのだろう?信仰心だろうか?彼女たちの決断と行動は自分の子ども達を守るためであり、考える権利を保持するためだ。出て行った先のいつかどこかで、信仰とは、神とは何なのか考えることになると思う。宗教も権力構造から自由ではない。
素晴らしい女優たちとベン・ウィショーのいる納屋、井戸端、屋根の上。立体的な空間の中、干し草の匂いや手触りを感じながらみんなが緊張なく穏やかに話している。ヴァンゼー会議とは真逆で裏返し。それにこの映画には音楽がある。ジョーカー、TAR、そして本作と続くヒドゥル・グナドッティル。
最後のシーンは「屋根の上のヴァイオリン弾き」のようだったが、この映画では話し合いの上で合意のもと自らの意思で立ち去る。強制退去でも逃亡でもない。ただ立ち去る。どこへ?はどうでもよく、地図を手にとにかく離れる、去る、新しい世界へ。
グレタ(最年長の一人)の台詞。示唆があってキュートで空気を和ませる笑いがあって好き💕
1)馬二頭を操って馬車移動するとき溝があってはまりやすい道を行く時は下でなくて遠くを見るといいのよ。
2)この入れ歯大き過ぎる、と外す。
3)「私もうすぐ死ぬ・・・」あ、メガネが曇っていただけ!
talismanさんの興味の範疇ではないかもしれませんが、「囚われた少女たち」という映画を見て欲しいなと思って、コメントを書いています。
Amazonプライムであと5日間配信されるらしいので、もしも、アマプラに入っておられたら、時間を作って見てみてください。
コメントありがとうございます。まさにおっしゃる通りだと思います。
正しい教育によって優しい心が育まれ、それが争いのない世界に繋がると思います。
今の大人たちのような私利私欲で生きてる姿を子供たちには見せたくないものです。