しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司のレビュー・感想・評価
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見る家庭を選ぶ映画
素直に涙しましたし感動できましたが、改まって振り返ってみると何点かこれで良かったのかなと疑問が残りました。センシティブなテーマを取り扱ったと思います。
・大人から子供への暴行シーンが何度も登場
→いい歳をした大人が5歳児を殴るといったシーンが何度も登場します。実際の殴っているところは映されませんしコンクリートに叩きつけられてもバウンドして大怪我のないように描かれていますが...うちの子供達は呪術廻戦や進撃の巨人チェンソーマンでもっとすごい暴力シーンを観ているので大丈夫でしたが、それを避けてきた家庭にとってはどうだったのでしょう?そういうシーンを入れるべきではなかったのでは?と。
・ひとり親世帯・共働き世帯への配慮
→子供一人で家で留守番させるのに、お菓子や惣菜弁当「チンして食べてね」を置いておかれるといったシーンがあります。親として子供の面倒を見ていない(共働き世帯だから面倒を見られない)が故に、子供が孤独を感じている、といった、親への非難のメッセージを感じました。高校生になって両親それぞれに好きな人ができて離婚するといったシーンもありました。一人で留守番、両親の離婚。これらを経験している家庭が見た時に、親は自分が非難されているように感じるのではないか?子供は日頃感じているかもしれない孤独感を再認識させられるような描写であり、それは親のせいで、僕達が寂しいのはやっぱりお父さんお母さんのせいなのかと。あまりに無配慮なのではないか?と感じました。あれを見たひとり親家庭は「うちは離婚してないの?もしくは離婚したんだよね?」ってなるのでは?どうなんでしょう、彼らを非難する必要はあったのでしょうか?
・社会を憎み絶望し、落ちぶれた青年に「頑張れ」のメッセージ
→これは違うと思いました。今ある状況は君自身の努力不足の何者でもない。君が作り出した物であって社会のせいにして腐っていても仕方がない。もう30歳、良い大人なんだ。僕らは自分で自分を幸せにして、生きていかなくちゃいけない。社会に半分絶望しながらも日々必死に頑張っている充くんは、観ている保護者のメタファーですよね。「頑張れ」はないんじゃないですか?頑張っているんです。頑張って夏休みを子供達と過ごし映画館に連れて来ているんです。「共に頑張ろう!」等、親側の気持ちに寄り添うようなメッセージが欲しかったです。
子供達は楽しんでケラケラ笑いながら観ていました。大人も純粋に楽しめる、励まされる映画として、充くんはもっと深掘りされているべきだったと感じました。テーマが重めなのでどう収束させるんだろうと途中からヒヤヒヤしながら見ていました。惜しかったです。でも何も考えずに観るなら、素直に感動できました。
【”クレヨンしんちゃん”童夢&AKIRA"バージョン”金言が多数含まれた作品。ムネアツシーンも多くて、面白かったぞ!社会的弱者、苛め、両親の離婚という社会的テーマを軸にした作品でもある。】
ー 多分、この映画サイトで私のレビューを読んでくれている約3名のレビュアーさんは”あのオジサン、暑さにヤラレタらしい。”と思うであろう。
だが、私が今作をフライヤーもゲットして(今までは、スルーしていた。)鑑賞した理由は大根仁氏が、監督及び脚本も担当すると知ったからである。
大根仁氏監督作は、2作を除いて鑑賞しており、山下敦弘監督製作のエレファントカシマシのドキュメンタリー映画「the fighting men's chronicle」に出演した際に、エレカシへの熱い思いを語る姿や、他作品でもサブカルや社会的問題にテーマを絞ったスタイルが好みに合っていたためでもある。
■ある夜に宇宙から放たれた白い光がしんちゃんに当たり、しんちゃんは不思議なサイコキネシスパワーを得る。お尻に力を入れるとおもちゃが宙に浮かんだりするのだ。
一方、人生で良い事が無かった孤独な青年、非理谷充には黒い光が当たり、彼も魔力を得る。そして、彼は今まで自分を馬鹿にして来た社会に復讐を誓う。
◆感想
・序盤のしんちゃんとお母さんの追いかけっこからスピード感満載である。
ー そして、二人ともお尻が大きい。遺伝だろう。-
・予言者ヌスットラダマスが”天から暗黒の光と小さな光が降り、平和を乱す”と言っていた通り、非理谷充はしんちゃんが通う幼稚園のひまわり組に立てこもるのである。
ー ”予言者ヌスットラダマス”・・。可なり脱力する。そして、しんちゃんはテレポーテーションのスキルも手に入れるのだが、移動先はいつも直ぐそばにいるエスパー研究所のお姉さんの胸なのである。うーむ。幼稚園児ながら、自分の欲求に正直だなあ・・。-
・そして、しんちゃんは巨大化、怪物化した非理谷充の攻撃を受けながらも、家族とエスパー研究所の頼りない博士とお姉さんと戦うのである。
だが、巨大化、怪物化した非理谷充に呑み込まれたしんちゃんが暗黒の世界で観たモノ。それは幼い非理谷充が一人でTVを観る姿や、友達に苛められて居る姿、そして両親の離婚に直面している姿だった。-
■おバカな台詞が多い中、しんちゃんや両親が言う台詞がムネアツである。
・しんちゃんが、一人で寂しそうにTVを観る非理谷充が座るソファーの横に座り、一緒におやつを食べて会話したり、苛めっ子に対し”仲間を苛めるな!”と食らいつく姿など、しんちゃんは孤独な非理谷充を一生懸命励ますのである。
・今作は、社会的弱者、苛め、両親の離婚といった社会的テーマを、面白い台詞に絡めて描いているのである。
・しんちゃんの父も”未来は暗いかもしれないが、誰かを幸せにするために頑張れ!”と巨大化、怪物化した非理谷充に叫ぶのである。
・巨大化、怪物化した非理谷充を倒したモノがお父さんの超絶臭い靴下だったり、(家族の為に、一生懸命働いている証拠である。)今作ではしんちゃんの一家の何だかんだと言いながら、いつも一緒に食事をしたり(今作では手巻き寿司。)深い絆も描かれているのである。
ー 対照的なのは非理谷充の両親が、離婚前に用意した”誰も喋らない”暗い雰囲気での手巻き寿司のシーンである。
だが、倒された非理谷充は常人に戻り泣いて謝るも、親切なしんちゃんの両親の言葉で、一緒に手巻き寿司を食べるのである。-
<今作は、劇場内の子供達は燥いでいたが、(意外と多かった、カップルや年配のご夫婦。)オジサンとしては、結構ムネアツなシーンが多かった作品である。
このシリーズが、人気がある理由も良く分かったよ。>
ひろしはいいこと言おうとしなくていいの!
人気テレビアニメ「クレヨンしんちゃん」劇場版の第31作。といってもテレビアニメも20年以上前に観たきりで、劇場版も1本も観たことがないのですが、初の3DCG作品ということで、どんなものかと興味をもって鑑賞してきました。
ストーリーは、ある日地球に降り注いだ二つの光のうち、黒い光を浴びてエスパーとして覚醒した非理谷充が、これまでの鬱屈した思いから世界への復讐を企む中、同じく白い光を浴びて覚醒したしんのすけが、それを阻止しようと活躍する姿を描くというもの。
テレビアニメ同様のふざけたナンセンスな展開の中にも、しんのすけの裏表のない素直な言動が観る者の心を打つ、普通にいい話でした。しんのすけや周囲の人物のドタバタぶりは、3DCGとの相性もよく、映像も見応えがありました。爆笑するほどではないですが、ギャグやコミカルなシーンを随所に仕込み、これだけ観客を楽しませておいて、終盤ではきっちりほろっとさせる展開もうまいです。しんのすけが無条件に人を受け入れ、仲間を思って果敢に立ち向かう姿は、熱く心に響きます。
もうそれだけでよかったのに、最後のひろしの話はちょっと説教くさくて萎えました。あれは蛇足でしょう。さらに「車の修理の話を」と言ってましたけど、ちょっと待って待って!充くんは世間を大騒ぎさせた犯罪者ですよ!なんとなく和やかなラストに丸め込まれそうになりましたけど、まずは充くんは自分の犯した罪と向き合い、しっかり償わねばなりません。「記憶にない」ではすみませんよね。で、身に覚えのない罪を問われて結局また闇落ちしてしまわないように、なんらかの救済シーンが描かれているとよかったかなと思います。とはいえ、エンドロールやサンボマスターの曲もよく、鑑賞後の後味はとてもよかったです。
それにしても確かにこの国の未来は明るくないですね。ヌスットラダマスや非理谷の存在は、現代社会への風刺のようでもあり、だからこそ、しんちゃんのような底抜けの明るさが求められているようにも思います。本作がなかなかおもしろかったので、これまでの劇場版や次回作も観てみようと思います。エンドロール後に次回作の予告のようなおまけがちょろっとだけあるので、これから鑑賞される方は最後まで席を立たないようにしてください。
キャストは、小林由美子さん、ならはしみきさん、森川智之さん、こおろぎさとみさんらのお馴染みのメンバーに加え、鬼頭明里さん、松坂桃李くんらがゲスト出演しています。ただ、この顔ぶれの中では、松坂桃李くんの演技がどうしても浮いてしまいます。大切な役だけにプロの声優さんを起用してほしかったですね。
クレしんの寿命は時代的に尽きつつあるのかも
「説教くさいしんちゃんは、あんまり観たくなかった」「しんちゃんは、時代に合わなくなったんだな」というのが感想。
原恵一監督時代のクレヨンしんちゃんが、DNAに埋め込まれるくらい好きで観てきたものの、ここ10年くらいはあまり追ってなかったので、かなり久しぶりに映画館で観た。
初の3DCGということで、気合は入っていたと思う。メインキャラの非理谷充が30歳と私と同い年で、ターゲットにする年齢層もそこに当てていた気もする(そのわりに小ネタはもうちょい上世代のネタが多かった?)
おそらく過去作オマージュも多かった。思いつくだけでも、
・日本の未来に絶望する大人vsしんちゃん=オトナ帝国
・ひろしの足の臭さがキーアイテム=オトナ帝国
・精神世界でのしんのすけとの邂逅による敵キャラの改心=ブタのヒズメ
・野原家への突然の秘密組織による訪問=ブタのヒズメ(これは定番か)
・お尻にフューチャーしたしんちゃんのアクション=嵐を呼ぶジャングル
・ご馳走で食卓を囲むのが幸せ=焼肉ロード
他にもありそう。
あと、同じ3DCGアニメ『STAMD BY ME ドラえもん』でもお馴染み、「帰ってきたドラえもん」みたいなシーンも。
全体に要素が悪いわけではなさそうなのに、なんだか釈然としないまま映画が終わってしまったのは、全体にきゃらと脚本の噛み合わせが悪く、リアリティとしんちゃん世界のバランスも悪く、風刺のセンスが全然なかったせいかと。
ざっくりファンとして不満だったのは、
・3DCGがチャチで、キャラクターが表情に乏しい
・舞台設定として、新橋とか渋谷とかリアル世界にしたいのか、終盤みたいにファンタジーにしたいのか、よくわからず、入り込みにくい
・けっこう同じことを感じた方も多いようだが、ひろしのラストが説教くさいし、作品のメッセージとしても「は?」という感じ
・敵キャラ、非理谷充がデフォルメされつつも妙に生々しいインセルで、しんちゃん世界の敵キャラにはだいたいあるチャーミングさがない
・しんちゃんには、暴力に暴力で解決しようとしてほしくない。いじめに正面から立ち向かうような昭和くささは、しんのすけのハードボイルドな魅力に合わない
まあ、ファンがジャンルを殺すというように、しんちゃんへの思い入れが妙にあるからかもしれない。
ただ、強く感じたのは、クレしん映画における最大のメッセージ「平凡な家庭生活が、実は最高の幸せ」が、もう時代的に合わなくなってしまったのだな、ということ。もはや結婚も子のいる家庭も自明ではないし、希望する若者にとっても遠い理想になりつつある。
非理谷とそう歳も変わらないひろしの言葉が、単なる高所からの説教にしか聞こえなかったのは、その時代の移ろいの証左かと。これは本作の出来に関わらず、残念なことだが、もうクレしんという作品自体の寿命が尽きつつあるのかもしれない。
すっきりしない
「これ、しんちゃんでやる必要ある?」ってくらい敵側にスポットが当たった作品。
物語終盤にある敵の改心パートが、地味で長い上にメッセージ性も強い。せっかくテーマが超能力で、かつ3Dなんだから、もっとカンタムとエスパーバトル推しでドッカンバッコン戦って決着つけて欲しかった。
さらにいえば5歳児が中学生(高校生?)にふつうにボコられてるのも気分悪い。子どもに手を挙げた奴はジャスティス知事並みにぶっ飛ばしてほしいところ。
そもそも敵の設定が非リア充なんて生易しいレベルじゃなく、本当に気の毒な人。
いままでの敵みたいにくだらない動機ならギャグにもなるけど、悪に堕ちる理由が生々しすぎる。
「敵にも悲しい過去あり」からの改心・再起をやりたいのはわかるが、なまじ社会風刺みたいにしたせいで着地点に賛否が出てしまう。
同じ弱者男性でも「親ガチャ失敗!」とか言いつつスネかじりのワガママニート、みたいな甘ったれた敵だったら負い目なくやっつけられたんだろうな。「お前もっとがんばれよ」って応援する決着にも納得がいくし。
また、良い話風で一件落着させたが、幼稚園立てこもりとか正直もう取り返しのつかないとこまでやってしまってるのも後味が悪い。記憶がない中で犯した罪をこれから償うのだろうが、彼がまた闇堕ちしてしまわないことを祈る。
ただ中盤の超能力バトルはわくわくしたし、カンタムの戦いも迫力があってよかった。
深キョンネタもクスッときたが、ちょっとしつこく擦りすぎ感は否めない。
総評としては、誰に向けた映画なのかイマイチ分からなかったという印象。少なくとも「イジメはよくない」とか「自分から積極的に理解者(友達・仲間)を作ろう」みたいな内容ではなかったし、孤独だった弱者にしんちゃんがたまたま寄り添ってくれてよかったねってだけで、そういう人が現れなかったらどうすんの?って感じ。これだけ説教がましく問題提起したなら答えは持っていて欲しい。
あと子供向けにしては暗い映画だった。会場での子供の笑い声もあまりなかった。うちも子供と見に行ったけど、終わった直後に感想もなく、全く話題にしなかったので面白くなかったのかも。マリオのときは〇〇が楽しかった〜って言ってたのに。
ヒロシの言動の違和感とか、不自然に登場する手巻き寿司要素とか、序盤の焼き鳥のくだりとか、いろいろ突っ込みたいところはきりがないけど、長くなるので割愛。マイエレメントの方を観れば良かったかなとちょっと後悔した休日だった。
クレヨンしんちゃんと言う名の同人映画
3DCGということで少し嫌な予感がしつつ、子どもと行きました。
最初の野原家のバタバタなどは、
なかなかいつもの絵と違いましたが、
面白かったです。
ただ、流れ星が落ちてくる少し手前から
悪役が通行人のサラリーマンに絡まれたりしていつものクレヨンしんちゃんとは違いました。
悪役の葛藤も今の世ならならではの
派遣社員でという悩みもありますが、
この悪役だけでは悩みは違うと思いました。
後半にしんちゃんと悪役がいじめっ子と喧嘩するシーンが有りましたが、ここまで暴力的なのはいりますか?
正直すごく嫌な気持ちになりました。
また、社会風刺でこの世はよくないやら、
国が悪いから転覆させるとか本当にいらないです。
もう少しクレヨンしんちゃんらしい笑いあり、ユーモアありの映画が見たかった。
客席の他の子供は、「まだ終わらないの?」と途中で言い出す始末。
社会風刺映画を作りたいなら、
クレヨンしんちゃんを使わないほうが良いです。
考えさせられることあり
一緒に行った子供は一部暴力的な表現が怖いなりに、けっこう面白かったようです。
しかし私はちょっと考えさせられました。
敵役の非理谷充はステレオタイプの弱者男性(差別的なので使いたくなかったのですが作中の敵役を一言で表せる言葉が他になかったので仕方なく)です。
仮にこれを女性に置き換えるとこんな感じになるのかな、と思います。(これを書くのもじつは恐ろしいのですが)
・非理谷 充子
・契約社員として働く一方、婚活を続けるも何年もうまく行かない
・心の支えの推しのジャ◯ーズタレントが結婚して絶望
・スーパーで万引き犯と間違えられる
・超能力に覚醒
・黒い超能力に飲まれ園児に加害
・超能力に目覚めたしんのすけに助けられ、精神世界で昔いじめてきた女児に打ち勝ち人の心を取り戻す
・最後はひろしに壊した車の修理代金について言及される
うーん、炎上どころの騒ぎじゃすまないと思います(制作陣は間違ってもそんな映画は撮らないでしょうが(笑))。
しかし、弱者男性であれば子供向け映画にしてしまうし、ここでもけっこう好評で気にもとめられない。
ちょっと怖いことだと思いました。
実はこういうのが差別というやつではないかと考えさせられました。
実際、敵役は弱者ではなく巨悪の暗示のほうがスッキリすると思います。
幸い、政治、経済ともにモデルになりそうな事例には事欠かないと思いますので。(あまりわかりやすくすると制作陣が報復されそうでつくれないんですかね(笑))
「いやあそれほどでも」と照れるしんのすけが好き!
シリーズ初の3DCGアニメーションなのだが同じく白組が手掛けた「STAND BY MEドラえもん」とは明らかに作画方法が異なっていて、目鼻口の顔部分は2次元漫画のまんまで作りきっているところが凄い。なのでしんみりする場面になっても3Dのび太のようなイヤラシサが無いのだ。まさに惹句のとおり「こんなしんちゃん、見たことない。」。この2D顔と3Dの融合は漫画キャラの映画だからなしえる世界で観ていてなんの違和感も無くアクション部分は迫力がプラスされて両者の良いとこ取りである。それほどしんちゃんファンではないのだが、テーマ曲がサンボマスターで大根仁が脚本・監督だったので「トランスフォーマー」と天秤にかけてこっちを選んだ。そもそもだけれど「クレヨンしんちゃん」はアクションに連載していた大人向けの漫画である。アニメはあくまで映画の表現手法の一つで、少し色はつくけれどもなんでもできる分最強でもある。焼き鳥の串でウルヴァリンになるところや運動会でばら組とひまわり組が仁義なき戦いの抗争を繰り広げるシーンがかなりウケたが、隣席の二人組小学生は、邪悪なモンスターと化したダメ青年の小学生時代が語られるシーンで両親が離婚する場面に大いにウケて音を立てて手を叩いて喜んでいたのがちょっと気になった。「仲間」のためにやられてもやられても立ち向かっていくしんのすけはただただ純粋にかっこいい。
CGを活用したしんちゃん的躍動感の再現度。邦画的大衆娯楽。
しんちゃんがCGにと聞いた時はどんなものかと懐疑的に思っていたが、なるほど。
特記するべきこととしては「しんちゃん的躍動感と3DCGの親和性。」、「邦画の底力」の2つ。
先ず第一の前提として、しんちゃんは兎に角動き回る。それこそ昔ながらのトゥーンに負けないほど、みさえとの追いかけっこや罰される際の暴力シーン。お馴染みのぶりぶりだって、同じ動きの繰り返しではあるけどしんちゃんがよく動くキャラだと示す裏付けの1つとしてもなり得るだろう。
そこで出てくるのが、「3DCGとの親和性」。
3Dはそもそもとして平面空間ではなく立体的な空間において成り立つもの。だからこそ、躍動感が先ず違う。
よく動くしんちゃんに、3Dの躍動感。これはある種現代におけるスラップスティックコメディの完成形とも言える仕上がりと言っても過言では無い。
次に「邦画の底力」。
3DCGにおいて、邦画と洋画では映像の繊細さ綺麗さには雲泥の差があるという事実は言うまでもなく、一般的に浸透している知識だ。
それは同日公開の「マイ・エレメント」と比較しても一目瞭然であって、映像の綺麗さに加えて革新的な表現という観点に置いても、洋画が一枚上手をいっているとも言えるだろう。
そこでしんちゃんはどう上へと出たかと言うと、昔ながらの技術を活用したのだ。
スラップスティックな表現だって、戦前の西洋アニメの頃から存在している。身体全体を使った躍動的な動きだからこそ、3Dに落とし込めばそれはもう映えに映えるものになって当然だ。
更にしんちゃんシリーズと言えばテンポの良いギャグシーンはもちろん、ほろりと来るような熱いシーンとそれを彩る台詞たち。
そう、本作はしんちゃんシリーズとしては何一つ特別なことはしていないし、技術面も昔ながらのものの発展系。双方の面を合わせて鑑みるに、「今までの流れを汲んだ」作品であって、「両方の歴史を重んじている」作品でもあることから、制作陣の熱意はたっぷり詰め込まれているものと考えても差し障りないだろう。
ここまで来れば面白くないはずも無く、私個人としてはよくある「CGにした」だけの作品だと思っていたので意表を突かれてしまい、思わぬ良作に出会えて感銘を受けた次第なのでした。
ストーリーとCGの相性が??
CGでリアルになることで、時代錯誤な部分や暴力的な部分が目立ってしまっているように感じました。
みさえがひまわりをほったらかしでしんのすけを追いかけまわしたり、夜に窓全開で子どもたちを置いてコンビニに出かける。ひろしの飲み屋のお姉さんへのセクハラな目。引きこもりやオタ活している事が非リア充のステレオタイプとして描かれている点などなど…
この辺りはなんだか時代錯誤感があって序盤はすんなり入っていけなかった。
原作が元な事は後から知りました。
だからあの服の色なのか!
リスペクトからなのでしょうが、原作でしばしば見られた時事ネタやちょっとダークな面が全開で、子連れで観るにはちょっと辛いシーンが多かったです。幼稚園での立てこもりとか変にリアルで、子供達がくるくる回されてるだけでも親の立場の人はしんどかったと思います。
化け物になったみつるが人生をしんのすけありver.に修正していくところはすごく良くて、結局感動はしたのだけど。
30代半ば。しんのすけと共に育ち、いつの間にかしんのすけと歳の近い子を育てている今、ひろしが最後に「未来は明るくないかもしれない」って言い切っているのもなんだか悲しくなるね。我が子を悲しい時代に生んでしまったとは思いたくないです。平成のひろしならきっと、いや未来は明るい!って言ってくれたんじゃないでしょうか。
「がんばれ、がんばれ」コール。
令和は辛いことを踏ん張って耐えるしかない時代でしょうか?
テーマが重く、見終わった後はちょっと疲れました。単純にCG酔いもあるかもですが。
ちょっと悲観的な、大人に向けたメッセージだなと思いました。
明るい未来を想像している子どもたちに見せるには少し刺激が強いんじゃないかな。ズドンと来る意味では大人にはいい映画かも。
おもろかった笑った大人にみてほしい
クレヨンしんちゃんは映画しか見てないけどほんといつみても笑えて、感動できてほんと面白く、今回も今までのように面白い作品で良かったです。(語彙力ないし上から目線みたいですみません)
今回は3Dでカメラワークによる迫力がめっちゃでてきてさらによかったけどしんちゃんたちの顔に少し違和感を感じていました。しかし、見ていくと見慣れたからか違和感はあんまりなくなったけどふとでもなんかなと思ってしまいます。
今回の内容は結構子供だけでなくとくに大人に見てほしいとおもいました。ぼくはまだ学生ですが少し思うとこがあり結構ささりました。
対象年齢を12歳以上推奨映画 幼児連れ要注意!!
「適切な層」への「適切な配慮」がないのがかなり痛い…。
今年266本目(合計917本目/今月(2023年8月度)5本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
本映画に限っていうと、この映画に「すら」法律論を論じて採点するのも野暮な話なので、採点は分けています。詳しいところ(かつ、解釈が微妙なところ)は後に回します。
まぁ、いい意味でも悪い意味でもクレヨンしんちゃんである点はかわらず、放送初代ごろのネタもかなりあるので、入っていきやすいほうです。ただ、最近になった足された設定ほかもあるようで(私には見抜けず)、かなりの「ファン」でないとその差は見抜くのは難しいのではないのかな…と思えます。
ここで問題になるのは、本映画はどう考えても「当時を懐かしむ大人向け作品」ではなく、どう考えても親子連れ作品であるところ(つまり、お子さんが劇場の半分はいるということ)、特定の法律上トラブルが生じやすい点に関して配慮が何もない点が気になりました。なかには細かい指摘もありますが、一方でリアルいじめにつながりかねない点があり、これはどうしたものか…というところです。
なお、作品の性質上、一般指定だとしてもある程度「下品なシーン」があるのは想定の範疇であり、それは採点上考慮外としています。
この「親子連れで見に行った場合に配慮がないのではなかろうか」という点に大半つきます(採点外にしていますが、法律上怪しいシーンは後述)。
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(減点0.6/子供のトラブルでも起こりうる行為についての適切な描写(ケア)がない)
具体的には、
・ 勝手に他人の自転車を乗り回す(占有権の問題)
・ テレビゲームの「カツアゲ」行為(不当利得、不法行為)
・・ 「犯人隠匿罪」についての解釈(刑法/下記後述)
…で、これらはちゃんとケアすべきではなかったのだろうか…と思えるところです。特に3番目。「かえって手巻き寿司でも食べようか」ではありません。1番目と2番目についてはいつも書いていることであり、今更というところなので飛ばします。
(内訳/犯人隠匿罪についての解釈が雑)
・ 犯人隠匿罪は、罪を犯した「真犯人」をかくまうことは当然対象になりますが、「検挙」を適正に行う理由から、「真犯人ではなくても、具体的に様相等が報道されそれに該当するもの」をかくまった場合にも成立します(実務上)。これは、「真犯人以外は一応調べて、関係がなかったら帰ってもらえればOKなだけでしかない」という事情によります。
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(減点なし(実際は、これだけで0.6あたりは引かれる)/実は無茶苦茶だったりする/事務管理と無権代理と未成年者)
・ 人助けを行うことを事務管理といいます。財布を拾って交番に届け出るなんていうのがそれです。この事務管理の管理者(例であげたものなら、拾い主)に行為能力を要求する学説、不要とする学説がありますが、4歳5歳の子であれば拾うことは想定できるので、一概に否定もしがたいところです。しかし、何であろうが(必要不要説を取ろうが)その中で勝手に第三者を巻き込んで契約を行ったり「第三者を巻き込む」行為をすると、それは表見代理を満たさないならただの無権代理です。
ですが、未成年の中でも幼稚園児に対して無権代理の責任を取らせることも無理だとされるので(※)、かといって「4歳や5歳の子に財布を拾わせるな」「人助けなどをしても対外的に第三者を巻き込む構成にするな」は無理な話であり(それが自然とできる子は、もう中学生か高校生あたりで司法試験予備とか行政書士とか取りそう…)、実際に「期待できない」行為です。
(※) 無権代理には、何らの権限も与えられていないのに「積極的に」代理行為を行って構成されてしまうもの(通常はこっち)と、事務管理の中で発生する無権代理とがあり、参照される条文は同じであるところ、前者と後者とでは微妙な違いがあり(本人はあらかじめ代理人を選定できるのではない、等)、やや微妙です(この点、分けて考えるのが通説)。ただし、いずれにせよ未成年者は通常保護されます(その結果として、消極的に巻き込まれた第三者がどういう対応をとれるのかも微妙)。
つまり、いつも書いている「事務管理と無権代理」のお話に、「管理者が未成年者」など行為能力制限者の場合の扱いは結構面倒であり、一方で日本は「助け合いの精神」からくるのがこの事務管理ですので(そのうえで、「財布はネコババせず交番に届け出ましょう」としたうえで、特則として遺失物法で上積みで報酬請求権も与えている)、日本では判例や裁判例が極端に少なく、「どういう構成になるのか」すらまともにわからなかったりします(こういうことでもめたことが日本には存在しない)。
リアル日本の判例が何もない以上は、常識的な解釈の元でどのような解釈論を取ろうとも自由ですが、それは明確に書かないと「そういう考え方(考え方というより、「ある学者の本の学説にそう書いてありました」のレベル)なのね」ということもわからなくなってしまいます。
未就学児〜小学生向けではない
イジメや、親が離婚して再婚する描写が暗めにガッツリあるので該当するご家族での鑑賞は事前にチェックが必要な内容です。3組に1組が離婚する時代です。クラスにひとりは登校拒否の児童がいます。一定数、刺さり過ぎてしまうことを想定できないはすがないと思うのですが……。
「独りになってしまった時、側にいてくれる誰かがいたら救われる」という光を描いていましたが、誰も居てくれないままの人が観たら???トドメを刺してしまうかもしれないので、こういった内容を扱うのは本当に難しいと感じました。
未就学児〜小学生が視聴メインのクレしんで、社会的弱者を描いて「日本の未来は真っ暗」をやる必要を感じません。ラストはハッピーエンドでも、結局無くすことができない問題が根底にあるので暗い印象だけが残ります。小2の娘と観に行ったのですが、イジメや悪役がメインの暴力シーンは本気で怖がっていました。
3DCGで動くキャラクターはとっても可愛く、しんちゃんのお決まりのギャグは全体の暗さを緩和していました。
ヒロシの靴下が活躍する場面で「家族のために働いたお父さんの臭さ」に言及しているあたり、同じ社会派の『オトナ帝国の逆襲』を意識しているのだなと思いました。台詞で説明しないからこそ、あの映画には深みがあるのだと思います。
パンフレットに肝心の大根仁のインタビューが無くてがっかりしました。彼に、この脚本では子どもに見せられないと言えなかった製作委員会にもがっかりです。
ちょっとテンポが良くない
予告映像で興味を惹かれ、かなり久々のクレしん映画
予想どうりCGアニメの悪い所が目立っていたのだけど
映像的には「見たいものが見れた」感じ
悪かった点としては
敵サイドの動機や主張、直接的な社会不安と批判の薄っぺらさ
大事なことを映像ではなく台詞で言わせてしまうのもよくない
なんというかものすごく悪い意味で「邦画くさい」
あと、どういうわけか妙にテンポが悪い
良かった点としては
野原家…しんのすけを取り巻く家族愛と絆
と青年の不遇な人生の対比
ここがうまくいっているので
(最後まで見てみると冒頭のみさえとしんのすけのおいかけっこも
ちゃんと意味のあるカットになっている)
しんのすけの存在が青年の助けとなるのも説得力があって良い
全体的に「予告で観たいと思ったような内容ではなかった」のは残念だけど
EDから次回予告まで楽しめる作品ではあると思う
でももうちょっとテンポよかったらなあ
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