「すっきりしない」しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司 からすさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0すっきりしない

2023年8月6日
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鑑賞方法:映画館

「これ、しんちゃんでやる必要ある?」ってくらい敵側にスポットが当たった作品。

物語終盤にある敵の改心パートが、地味で長い上にメッセージ性も強い。せっかくテーマが超能力で、かつ3Dなんだから、もっとカンタムとエスパーバトル推しでドッカンバッコン戦って決着つけて欲しかった。
さらにいえば5歳児が中学生(高校生?)にふつうにボコられてるのも気分悪い。子どもに手を挙げた奴はジャスティス知事並みにぶっ飛ばしてほしいところ。

そもそも敵の設定が非リア充なんて生易しいレベルじゃなく、本当に気の毒な人。
いままでの敵みたいにくだらない動機ならギャグにもなるけど、悪に堕ちる理由が生々しすぎる。
「敵にも悲しい過去あり」からの改心・再起をやりたいのはわかるが、なまじ社会風刺みたいにしたせいで着地点に賛否が出てしまう。
同じ弱者男性でも「親ガチャ失敗!」とか言いつつスネかじりのワガママニート、みたいな甘ったれた敵だったら負い目なくやっつけられたんだろうな。「お前もっとがんばれよ」って応援する決着にも納得がいくし。

また、良い話風で一件落着させたが、幼稚園立てこもりとか正直もう取り返しのつかないとこまでやってしまってるのも後味が悪い。記憶がない中で犯した罪をこれから償うのだろうが、彼がまた闇堕ちしてしまわないことを祈る。

ただ中盤の超能力バトルはわくわくしたし、カンタムの戦いも迫力があってよかった。
深キョンネタもクスッときたが、ちょっとしつこく擦りすぎ感は否めない。

総評としては、誰に向けた映画なのかイマイチ分からなかったという印象。少なくとも「イジメはよくない」とか「自分から積極的に理解者(友達・仲間)を作ろう」みたいな内容ではなかったし、孤独だった弱者にしんちゃんがたまたま寄り添ってくれてよかったねってだけで、そういう人が現れなかったらどうすんの?って感じ。これだけ説教がましく問題提起したなら答えは持っていて欲しい。

あと子供向けにしては暗い映画だった。会場での子供の笑い声もあまりなかった。うちも子供と見に行ったけど、終わった直後に感想もなく、全く話題にしなかったので面白くなかったのかも。マリオのときは〇〇が楽しかった〜って言ってたのに。

ヒロシの言動の違和感とか、不自然に登場する手巻き寿司要素とか、序盤の焼き鳥のくだりとか、いろいろ突っ込みたいところはきりがないけど、長くなるので割愛。マイエレメントの方を観れば良かったかなとちょっと後悔した休日だった。

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からす