「役者は良い。それ以外は残念。」ゲネプロ★7 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
役者は良い。それ以外は残念。
役者のために★3つ。
脚本演出スタッフが良いのに役者が下手で台無しになる映画は沢山ある。が、この映画のように役者が良いのに役者以外が全部ダメで残念すぎる映画は珍しい。
まず、演出なんだろうが、画面内の照明が常にチラチラと光がぶれていて、せっかく顔面偏差値の高い役者達の顔がはっきり見えない。カメラも無駄に揺れているのでとにかく画面が見辛い。推しの顔をはっきり観たくて映画館きてるのにそれが出来ないストレスが溜まる。大学生の映画サークルの作る映画の方が見やすいレベルである。それとも、わざと劇中の推しの顔を見づらくしてグッズを買わせる作戦なのか…?
主題歌と劇中歌は悪くない、が、曲の入り方が中学の演劇サークルでももうちょっと上手なくらいに違和感があって映画館の上映トラブルかと思ったくらいだ。衣装も悪くないが、ただでさえ上記の理由で画面が見づらいうえ、全員が黒だから一番の見所である殺陣のシーンで誰が誰だかわかりにくい…これもわざと見辛くしてブロマイドとアクスタを買わせる作戦ということか?教えてくれ配給会社の担当者。
脚本も、殺陣の得意なイケメン役者たちが劇と現実の狭間で殺し合うという美味しい設定を活かしきれてない。刀ステの末満氏を見習ってくれ。せめてもう30分長くして蘇我と各人のバックグラウンドを丁寧に描くか、シェイクスピア演劇の役と現実の役の共通点をわかりやすく描いていたらもうちょっと面白くなっただろうに。
極めつけは映画の売り方だ。ムビチケ1700円、パンフが2000円、それで上映時間は1時間半程度なので推しを画面で見るにはやや惜しい。各キャラのムビチケは15000円のセット売りしかしないという暴利主義である。配給会社のGAGAはろくに2.5舞台のファンに向けてろくに宣伝も出来ていない上、推しのムビチケだけ選んで買いたいファン心理が何もわかっていない。映画「刀剣乱舞 継承」を少しは見習ってくれ。
配給会社のGAGAは、出来の良い邦画とそうでない邦画の差が激しすぎる。
これだけ人気のある役者をそろえておきながら、とても良い素材を集めて下手な調理で台無しになった料理のようだ。
推しが出ている映画は普通2度は観るのだが画面があれでは観る気になれない。
円盤を出す際には無駄な照明効果をなんとかして推しの顔を見やすくしてくれて、普段は劇中とは真逆で仲のよい推したちがわいわいしているメイキングをつけてくれていたら購入を検討しても良い。ただGAGAのオンラインショップでの購入は避ける。