せかいのおきくのレビュー・感想・評価
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白も黒もひっくるめて循環する
非常に美しいモノクロ映像で描かれるのはクソの話し。笑
確かにこれ、カラーだとキツイですが。
Odessaの極音を駆使して表現されるクソをかき混ぜる音!すくい上げる音!!
モノクロなのにスクリーンから臭ってきそうでした。うげ〜。
そして、ふいにカラーになる瞬間。
モノクロで想像していた色味より鮮やかすぎて、突然現実に引き戻されるような
「これ、今のことだからな。」と急に距離を縮められた気がしました。
しかし、クソ関連の言葉の多いことよ。
人間が生きていく上で誰しも避けては通れない身近なものだから、自ずと言葉も多くなったのでしょうが、1秒でも早く無かったことにしてしまいたいものでもあります。笑
そんなクソに価値を見出して買ってくれる下肥買いが江戸時代にはいた。。。
《もったいない》それは、与えられた資源に感謝して最後の最後まで使い切る日本の精神。
ご存知の方も多いでしょうが、しっくりくる英訳が無く「オリガミ」や「カラオケ」と同様に「モッタイナイ」で通じるらしい。
日本の着物が全て四角いパーツで作られているのはリサイクルを前提にしているからで、その合理性には舌を巻きます。
ただ袖を通して帯で縛る単純な着方だから、成長期には肩上げや腰上げでリサイズも自由自在。
更にお古として兄弟へ渡り、アテやツギを加えながら着たおす。
着る人がいなくなると、別のものに仕立て直してまた着る。
ついに生地がヨレヨレになったら、手拭いになり、赤ちゃんのオムツになり、雑巾になり、下駄のハナオになり、焚き付けになり、灰になってもまだまだ利用される。
なんと長い一生。死んでからも役に立つとは。
江戸時代は循環型社会。
人間も循環サイクルの一つとして、やがて死んだ体は土へと還るのだ。
そんな循環型アイデアに満ち満ちた江戸時代の歪みは、身分制度だと感じました。
クソを巡る価値のすり替えには「いや。どう考えてもおかしいでしょ?」とツッコミ入れたくなります。
サービスの売り買いが逆転しとる。
そんな不条理でドス黒い社会に降る純白の雪。
障子ごしに足音を聞くおきくの、なんと美しいことよ。
名前を書くおきくの、なんと可愛いことよ。
伝えたい思いは身分の垣根をぶち壊し
人を愛する心が世界を変える。
青春ラブストーリーは無敵なのだ!
常連の石橋蓮司さんは言うまでもなく、
佐藤浩一、寛一郎親子の共演も素晴らしかった。
クソの臭いで始まりますが、ラストは爽やかな気持ちになれます。
モノクロ作品
職業差別の映画
農村と都市にとって下肥の回収は重要な作業だったとかつての文献にも散見される。この映画のように蔑まれた仕事でもなかったと個人的には思っている。戦後、科学肥料が現れるまでは下肥は貴重な肥料として扱われた。
過去を現代の価値観で描く職業差別意識むき出しの脚本。
現代の汚水を処理している下水処理関係者バキュームカー運転手への差別を助長していないか。職業差別映画。糞映画。
白黒とスタンダード。底辺カーストの貧乏生活と美少女の不幸。
映画らしきクリシェの羅列で馬鹿な映画ファンは騙せるだろうという作り手の選民意識が滲み出る。パートカラーの使い方も露悪的。
何より気になったのが言葉遣いと仕草。サブキャスト、エキストラへの演出が出来ていない。時代劇に見えずコスプレ映画。阪元監督こんなに下手だった?
食事などしながらは無理ではある。コーヒーブレイクも✖️
昔のヨーロッパは 排泄物はおまるにして 朝 窓から外に投げていた。
イタリアの裏路地はなんだか公衆トイレの匂いがいまだにすると。
だからきちんと清潔な暮らしをしている日本という国は素晴らしいと安土桃山期に来日した宣教師が書いて自国に送ったらしい。
だいたい ウンコ窓の外に捨てたりしてネズミちょろちょろしてたらそりゃ ペストも流行るわよ。
ベルサイユ宮殿の庭もうんこまみれだったというのも有名な話ですしね。
それに比べて日本は、長屋ごとに厠があって 糞尿を買いにくる職業がある。
それらの収入は今で言う町の不動産屋のような差配さんの懐に入ったと 宮部みゆきの江戸ものの中で描かれている。
この映像見てると 匂い 臭い する!
して来る気がする!
でもこの当時 肉食は あまりしてないだろうから ウンコの匂いももしかしたら 今ほどじゃないのかもしれない。
まあそういう話ではない。
佐藤浩市と寛一郎親子の共演と
池松壮亮と黒木華
超演技派の池松壮亮と黒木華の中に入ると 寛一郎くんの演技は見劣りがすると 佐藤浩市は思わなかっただろうか。
まさかウンコは 実物ではなかったんだろうけど
(だったらびっくり)というか 実物だったら 撮影機材も何もかもしばらく匂い取れなかった事だろう。
とにかくずっと うんこ。
佐藤浩市演じる殺害される侍。
そして ウンコ売りの若者。
どっちがマシか。
この時代の 一応の士農工商
そして その下にある下賤の仕事。
そう言った事が 白黒 時々カラー の映像で
そして短く章立てされてる 構成センスは 感じられる。
面白く 興味深く 観た。
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