せかいのおきくのレビュー・感想・評価
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社会生活を支える仕事
せかいで一番のおきく
悪くはないが、面白くはなかった?
江戸庶民の暮らし
掬い・救われ 愛は世界を循環する
なんとも掴みどころのない、そしてモノクロ(ときどきカラー)スタンダードサイズの映像とともにストーリーが展開されていく。
昔の日本はおわいやさんがお金を払って排泄物を回収していたのは新鮮でした。肥を掬う中次が声を失ったおきくの愛に救われるのか救ったのか?いずれにしろモノも精神も世界はグルグル回るんですね、うーん、SDG'S!
作品の中で、佐藤浩市が話す「世界って知ってるか?」「愛する人ができたら、世界で一番お前を愛してるぜって言ってやりな!」と、石橋蓮司さんの「人は死んで埋められたら虫に食われて土に帰っていくんだよ、おもしれぇな」(いずれも正確な台詞ではないけれど)が心に響きました。
なんか良かったなぁ。黒木華さんの笑顔が素敵!池松壮亮さんのシニカルな表情・クスリとと笑える言い回し、佐藤浩市さんと寛一郎さんの親子共演などが印象的でした。
仮面ライダーが汲み取り屋に変身
江戸時代末期、武家育ちのおきくは、寺子屋で子どもたちに読み書きを教えながら、父と2人で貧乏長屋に暮らしていた。ある雨の日、彼女は厠のひさしの下で雨宿りをしていた汲み取り屋の矢亮と紙集めの中次と出会った。その後、中次は矢亮に誘われ、人糞を集めて農家に売りに行く仕事を手伝う事になった。一方、おきくは父の正義感が仇となり、殺害される事件に巻き込まれ、喉を切られて声が出なくなってしまった。これからどうなる、という話。
なぜ今時モノクロなのかという答えが、うんちのシーンだらけだから、なんだろうと思った。頭からうんちをかけられたり、手で人糞を商品として扱うのをカラーで見せにくなったのだろうと思う。
章が終わる頃に一瞬カラー映像となるのが良い演出だなぁ、と思った。
黒木華は着物姿が似合ってて、品が有って、可愛かった。今後、中次と上手く行けば良いな。
佐藤浩市と息子の寛一郎が厠でうんちの話をする親子共演のシーンが珍しかったし、ここも良かった。
汲み取り屋矢亮役の池松壮亮は先日観た仮面ライダーから今作では汲み取り屋へと変身かと面白かった。逆じゃなくて良かったかも。
世界の中心で愛を骨伝導‼️❓サイレント‼️❓
💬の効果的な漫画
漫画でよくありますよね。
吹き出しの中に…があるだけで、登場人物の気持ちを読者に想像させる場面。💬
依頼者との面談シーンや標的への弾道を計算している時のゴルゴ13を思い浮かべてはいけません。
どちらかというと、『この世界の片隅に』のこうの史代さん的な雰囲気です。会話のテンポも時間の流れもゆったりしています。哀切漂う流れの中でも、ついついクスっと笑ってしまったりする(ここは笑うところでいいんだよね⁉︎)。
章が変わるタイミングに出てくるカラーのシーンも、とても漫画的です。
たとえば、登場人物がふと空を見上げて何かに思いを馳せた後、白い雲が浮かぶ中を一羽の鳥が羽を広げて風に乗ってるシーンで終わる…読者はその思いの行き場所をそれぞれの感性で想像することになります。
この映画ではモノクロとカラーの使い分けで、漫画的な〝間〟をより効果的にうまく表現してみせます。
黒木華さんの少し赤らんだ頬やローソクの炎…
背景に白紙部分が多く、人物の線も陰影もそれほど濃くはない叙情的な漫画。
私にはそんな印象の素敵な映画でした。
おきくのせかいのセンス
ほぼ白黒で良かった・・・けどかなり耐えた
役割
うんこと汚穢屋と恋愛のお話。
江戸のうんこを集めてまわる武蔵国の汚穢屋と彼の相方として働き始めた江戸の長屋で暮らす男、そして長屋で暮らす武士とその娘を軸に章立ててストーリーが展開していくけれど…汚穢屋って金を貰うんじゃなくて払って酌み取るんですね。ちょっと意外。
恋愛映画なのは早々に匂わせて後はひたすら汚穢屋のお仕事をみせる感じ?
確かに少しずつ互いを思う様子は強くなるけれど…。
喉の件は予告編でも散々観ていて既知で、それから何が起きるのか、どうなっていくのかと思っていたが、これと言って見どころとか山場らしいものとかない感じ?
つまらなくはないけれど自分には特に面白さも判らず、ふ〜ん…という印象だった。
バタつくおきくは可愛かった。
章のラストはカラーになるけど、長屋のヤツはちょっとヤバイw
食べ物を買って入らない方が・・・笑
私にとって坂本監督に対する印象は、何となくつかみどころがありません。撮っている作品は、硬派でハードボイルドなものが比較的多いですが、最近はユーモラスを盛り込んだドラマ作品も少なくありません。それらは一味変わった独創性を感じるのですが、残念ながらトレーラーで感じた「期待度」は超えてこないことも少なくなく、少々肩透かし感が否めないのです。今作『せかいのおきく』もかなり期待をもって臨みましたが如何に?
作品は章立てに構成されており、基本はモノクロームなのですが、各章の終盤で1シーン色が差されてカラーになったりして、その一瞬に不意にドキッとさせられます。
勿論、モノクロの画だけでも十分な表現力は撮影や、照明の力量を感じます。ひときわ、矢亮(池松壮亮)と中次(寛一郎)のなりわいである「下肥(しもごえ)買い(汚穢屋:おわいや)」という仕事がら、何度も出てくる「う○こ」。特に冒頭一番のシーンの「それのアップ」は美術や録音の仕事がその画に輪を掛けており、観るに堪えないからと多少目を逸らしたところで、それを扱う音がまたえげつなく、しまいにはセリフで「臭い臭い」が連呼されるため、こちらまで臭ってきそう。ちなみにこの作品本編90分と短めですから、食べ物を買って(シアターへ)入らない方がいいかな、と思います(笑)。
また、モノクロで際立つのが何と言っても中次演じる寛一郎さんの「色気」と、おきく演じる黒木華さんの「透明感」ですね。
寛一郎さん、本作では実父である佐藤浩市さんとの共演ですが、演技そのものではまだまだ及ばないものの、彼の色気は若いころの浩市さんを凌いでいるのではないでしょうか。これからが楽しみな俳優の一人です。
そして、黒木さんは揺るぎないですね。恐らくは、監督の想う「おきく像」そのものか、それ以上なのではないかと思うほどで、ややキレキャラだったり、でも時折トキメいたりと、おっとりしていないところが魅力的。貧しいながらも気概をもって生活する長屋の庶民たちに囲まれ、周りに負けないキャラクターで愛されるおきくを一分の違和感もなく演じきっています。
総じて、それなりに映画館で観る価値はあったと思います。が、基本的には小さな話です。例えれば落語みたいな話で、90分とミニマムにまとめていても展開としては正直「やや退屈」かもしれません。むしろ、演技から想像する「(セリフの)行間」や「想い」を汲み取るのに、反芻するがごとく何度か繰り返して鑑賞するとより深く味わえるかもしれません。
モロクロユーモア
本当に黒木華は着物、時代劇似合う!
これが本田翼だと、こうにはならない
本田翼ファンの方に怒られる笑
江戸時代
人の糞が肥料になる
それを仕事にしている方たちと
庶民の方々が出てくる
大部屋俳優さん達の脇役も素晴らしい
佐藤浩一と寛一郎の親子共演シーンが良いですね
黒木華のおきくと寛一郎の中次の恋愛物語、微笑ましい
ひかれたおにぎり食べちゃう🍙
ちゅうじと書いて照れて畳の上でバタバタしちゃう愛らしいおきくを見事に演じてます。
おきくが、ふせっている時に、長屋の方々が心配してくれる様は、今の時代ありえない光景だと、素晴らしいなぁと思って観ていました☺️
矢亮の池松壮亮君
糞まみれになり、糞を手で掻き集めて移す作業が、みんなが嫌なことを仕事をする一生懸命さに、中次も心打たれて一緒に仕事をし始めたのかと。
大変な仕事して、手縫いぐいで自分の尻を拭いた後、洗ってすぐまた首に巻いたのが凄い笑
笑いありのこのせかいが、美しい。モロクロだからカラーより物事がストレートにくる。みんな素敵だった。
幕末青春グラフティ
幕末の安政の七年間は
日本にとっての激動の時代。
『ペリー』は浦賀に二度目の来航をし、
その後幕府は日米和親条約を締結。
大地震は頻発し著名人も多く亡くなり、
またコレラも流行。
安政の大獄も起き、
ついには『井伊直弼』が桜田門外で暗殺される。
しかしそんな中でも
日々の天気や日常のちょっとした事柄を気にしながら
市井の民は力強く生きる。
それはまさしく本作で描かれるように。
江戸時代の日本は超循環型社会。
着物も古着にし、仕立て直し
雑巾にし、糸すら再利用、
最後は燃やした灰まで売り払う。
古紙にしても、
漉き返してのリユースが徹底。
共に集める者や買い取り業者が存在するのだから
ある種のバリューチェーンがきっちりと根付いているわけだ。
それは、人糞についても同じこと。
高価な金肥の利用だけではなく
「おわいや」が各所から集めた糞尿は
一旦寝かせてから畑に使用。
商家や武家等、良い食事の家のものは高く、
長屋等から出たものは安く、等
ランク付けも有ったと言う。
『矢亮(池松壮亮)』は下肥買い、
『中次(寛一郎)』は紙屑拾いから、
何故か『矢亮』と共に働くように。
そうした二人が『きく(黒木華)』と
ひょんなことから知り合う。
彼女は元々は武家の娘も
父親の『源兵衛(佐藤浩市)』が上司の不正を直言したことで、
却って疎まれてしまい、
今では貧乏長屋暮らし。
寺子屋で教えることで生計を立てる。
『きく』は『中次』に恋心を抱いており、
そこで見せる幾つもの振る舞いがどうにも可愛い。
男二人が前に立つ厠に入れずもじもじする姿。
遠ざかって行く好きな男の足音を障子戸越に聞き耳を立てる姿。
和紙に「ちゅうじ」とひらがなで書き、それに魅入ってからじたばたする姿。
そして何よりも、長屋の汲み取り来た『中次』に
「そこに私のモノは入っておりません!」と声高に告げる姿。
他の作品でも見られることではあるけれど、
『黒木華』の芝居の面目躍如。
最初は おきゃん で、しかし
次第にしっとりとする若い女性の変化を存分に表現する。
当然、そうなる契機の事件はしっかりと用意され、
これは脚本・監督の『阪本順治』の如才の無さ。
人間が生きる上では、ゴミや糞尿の排出は不可避。
それを処理する仕組みがなければ、社会インフラは成立せず、
しかし我々は常々そのことを忘れている。
職業に貴賤は無く、また
人間は誰でも口から肛門までの一本の消化器官を中心にした
変わりない存在とのメッセージは受け取りつつ、
実体は幕末の日本で青春を過ごす男女のグラフティ。
困窮しながらも若い時間を謳歌する三人に未来はある。
社会が大きく変容する明治維新は、
もうそこまで近づいている。
日本人のうんこ耐性について。
イラストのウ○○はカワイイと思う。小学生用の「うんこドリル」も大ヒットしていて、本屋で見ると思わず笑ってしまう。だから、私も含めて日本人にはウ○○耐性(?)があると思っていた。
しかし、今作を見てヤッパシ実写だとダメだなと思った。白黒なら、コエ桶、肥溜め、コエをぶちまける場面でも全然OKだったが、カラー部分はダメだった。白黒でも長屋の肥溜めが溢れて地続きの通路の水溜まりと繋がっている場面はダメだった。足元からかぐわしき香り(^^)がプンプン臭ってきそうな気がした。
ついでにゲロの話。
実写でもアニメでもゲ○が苦手だ。最近はゲ○が流行ってるのか、「エブエブ」 「バビロン」 「トライアングル」でもゲ○の場面がある。なくても何も問題がないだろうと思う。私は勝手にゲ○3部作と呼んでいる。
映画では、ウ○○はほとんどないが、ゲ○はたまに有る。実物だけでなく、吐いてる場面や音もダメで目をつぶったり耳をふさぐ。ゲ○の場面はなくしてほしいといつも思う。
黒木華さんの演技が相変わらず良い。演技とは別に顔が時代劇にあってるように思った。池松壮亮さんは仮面ライダー役よりもこっちのほうが似合うと思った。「シン仮面ライダー」に出てた柄本佑さん、森山未來さんも似合うと思う。あと松山ケンイチさんも良さそうだ。
白黒映画では、武家屋敷や神社仏閣の白壁の白が映えてきれいだと思う。時代設定が昭和40年代より前の時代なら昔の感じがして良いと思う。白黒の風景もなんとなく好きだ。
去年、エコの話に関連して江戸時代の循環型社会の素晴らしさを知った。糞尿処理と農業に重要な役割を担っていたウンコ屋さん。食い物屋で、臭いから外で食べてくれとは言われたかもしれないが、映画の中のように毛嫌いされたり見下されたとは思えない(根拠はない)。逆に感謝されてる場面があれば良かったと思う。
ゴミを減らそうというより、流通量が少なかったり貧乏で買えなかったりして、とにかく物がなくて貴重だから無駄なく使うのだと思う。現代のように物が溢れていないから、要らないしジャマだから捨てるという発想がない時代だったのだろう。映画の中の紙のリサイクルはもちろん、様々な修理屋があったらしい。
2023/4/28(金) テアトル新宿
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