劇場公開日 2023年4月28日

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「静かに、じんわりした良さ」せかいのおきく せんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0静かに、じんわりした良さ

2023年5月14日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

大きな事件も起こりますが、どちらかというと身近な心境の変化に寄り添って描かれていて、ちょっとした出来事や心の動きに涙したり、ほっこりしました。

ボロボロの長屋の造りやさりげない江戸時代の生活や風景がモノクロの映像と合わさり、リアルにも見えるのに、美しく思えました。

中次(寛一郎)と矢亮(池松壮亮)の「下肥買い」の仕事も興味深かったです。以前から肥料になるのは知ってましたが、江戸の町のうんこを買い、運び、農家に売る「下肥買い」や、どんな様子かは知りませんでした。
江戸の肥溜め事情など、ややコミカルに描かれています。

黒木華さんは現代でも時代劇でも聖域のような透明感で、おきくの柔らかなのに凛とした姿に中次同様 惹きつけられました。

まだほとんど日本人が“せかい”を知らなかった時代、若者達の未来を彷彿とさせる爽やかなラストも良かったです。

せん