劇場公開日 2023年4月28日

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「江戸の身分制度社会をきっちり描くべし」せかいのおきく たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0江戸の身分制度社会をきっちり描くべし

2023年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

江戸末期の汚穢屋(おわいや)を主人公に据えた物語なのだが阪本監督がサービス精神が旺盛すぎるのか実験映画のつもりなのかその糞尿を汲み取る描写がしかもアップであまりにも頻出して閉口する。これまで誰も描いていない時代劇、日本の「循環経済」が成立していた江戸時代を見直しましょうと言う狙いは分かるがそこまでとことん描いていただかなくても十分分かるのであってここまで見せられると悪ノリしているとしか思えない。改めて映画が嗅覚の無い視覚と聴覚だけのメディアであったことを思い起こさせてくれる。つまりアレは臭いさえなければ全く平気なのだ。しかし何故彼らはこれを生業としているのか?矢亮の台詞にも出て来るように江戸にはいくらでもしのぎはあるだろうにいい若者がこんな仕事を一生懸命やるなんて理解しづらくしかも銭を払って汲み取らせて頂くなんて!農家からも武家屋敷の下僕である奴からも蔑まれる存在の汚穢屋はSDGsを言う前にその身分制度の観点からちゃんと描いてもらわねば理解できません。黒木華が上手い。

たあちゃん