劇場公開日 2023年4月28日

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「すばらしい「せかい」をつくりあげた」せかいのおきく トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0すばらしい「せかい」をつくりあげた

2023年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ほぼモノクロ、スタンダードサイズの地味な映画である。
しかし、なかなかに中身があり、見てよかった…、「映画」は満足のゆくものだった。

時代劇は数多あれども、幕末の下層民の生活をこうした形で描いたものは今までなかったのではないか。

こうした形――というのは、汚穢屋を主人公にしている、という点だ。

おそらく、汲み取りトイレのことを体験したことのない40代より下の世代にはこの映画のスクリーンから漂おうニオイは分からないだろう。
そこに生活があり、人がいる…というのがたいへんうまく描かれている。

映画作品には文句はない。
ただ、大いなる不満がある。

見終わって、パンフレットを買ったのだが、これが1部950円。
買う前に見せてもらえばよかったのだが、先に見ている人がいたので、確かめずに買ってしまった。
案の定…予想通りの買い損である。
僕の場合、シニア料金1200円とパンフレット代950円計2150円の出費だが、1200円だけなら満足がいったけれど、パンフは200円ほどの価値もない。
この映画に限らないが、映画パンフレットの9割方は中身が薄い。
今回のもそれが当てはまる。
レベルの低い映画ライターの駄文より、プロダクションノートを充実してほしい。

たとえば、今作のキモである、下肥をどうやって作ったのか。
その出来栄えを、監督、出演陣はどう受け止めたのか。
せっかくの「ウンコ」ものなのであるから、その点を、パンフでは格好つけずに一項目割いて書いてほしかった。パンフレットにはほんのわずかにそれが何から作られたかが書いてはあるが、それを知るためだけに950円を出したのではないのだ。

パンフ制作者の編集センスがないのだろう。編集はキネ旬でやっているようだが。

何十年も前から、映画パンフレットはほとんどコストをかけずにつまらないものばかり作られている。
配給元にクレームメールをしてやりたい。
せっかくの映画の価値が台無しだ。

町谷東光
町谷東光さんのコメント
2023年6月19日

配給元のひとつ、東京テアトルにメールしたけど。改善するかな。

町谷東光