「池松壮亮が熱演!幕末の時代の糞尿を売り買いする底辺の人たちをリアルに描く。」せかいのおきく M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)
池松壮亮が熱演!幕末の時代の糞尿を売り買いする底辺の人たちをリアルに描く。
阪本順治監督には「エルネスト」やキューバ関連イベントでお会いしたことがある。あまり取り上げられないテーマをしっかり向き合って製作されている印象を受けた。「団地」も面白かった。
今回の映画は、「気鋭の日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が協力して、様々な時代の「良い日」に生きる人々を描き「映画」で伝えていくYOIHI PROJECTの第一弾作品です。」(公式HP)とある。江戸時代の幕末の頃の糞尿を売り買いする底辺の人たちと長屋、そして武士。理不尽な仕打ちを受けるもひたすらに耐えて生き抜いている人たち。
黒木華は武士の娘であるが事情あって長屋に住んでいる。武士のホコリを持つ父と暮らし、気丈夫でしっかりしている。
個人的には池松壮亮の役どころがとても印象的で、あの時代を生き抜くサバイバル精神を持っている。それは揺るがない身分制度の中に身を置き、それから逃れることもできない自分をよく知って耐えて生きてる。そこを演じきっている。庶民の日常の生活をありのままに描き、下からの視点をリアルに伝えようとする試みは、一見地味ではあるがじわじわと心に残る映画であると思う。
その後、時代は大きく変わっていく事となる前の時代。彼らがより人間らしい生活ができるようになるのであろうか。
ほぼ全編モノクロの映画であることが、時代を感じさせる。糞尿が画面に頻繁に映るのでその方がいいのだが。ほんの数カットがカラーになる演出もある。
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