劇場公開日 2024年8月30日

「意味不明すぎる」きみの色 Theさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5意味不明すぎる

2024年8月30日
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鑑賞方法:映画館

単純

吉田❌山田⭕️

まず、わたしは吉田尚子のやりたかったことを全く理解できていない可能性があることに注意してください。そして、この映画を批判しますが、吉田尚子の作品がとても好きで、それを期待して公開日に見に行きました。
ガールズバンドクライのような、聲の形のような最高のヒューマンドラマを期待したのが間違いだったのかもしれない。

[映像と演出について]

冒頭1秒からのまったく引き込まれない演出に、ハズレを引いたか?と思った。映画は映像で伝えてなんぼなのに、いきなりどうでもいい説明文から始まるその構成は個人的に大嫌いである。スターウォーズのような様式美ではあるまいし、何か伏線めいたものでもない。やる意味がない。
このように、全編を通して演出に魅力がない。演出がダメということは、没入感がないということだ。ゆるきゃんの映画のような感じである。(つまり、映画でやるべき演出をしていないということ)
もしかすると、高校生の日常を描きたいがために監督は意図して平凡な演出をしていたという可能性があるが、少なくともそれには失敗している。

映像はとてもきれいで、どこを切り取っても絵になっている。ただ、それだけである。何か芸術的な、あるいは示唆に富むような絵ではない。

[ストーリーと構成]

これがこの映画の2番目の問題点。
全体を通して、あらゆる展開に説得力がなく、それらの展開もあっさりと終わるため、ぶつ切りにされた唐突な展開がひたすら数珠繋ぎになっている。
説得力がないとは、伏線がないともいえるし、共感に乏しいともいえる。要するに、できの悪いなろう作品のようであるということである。(流石にそれほどではないけど)

ネタバレになるのでぼかしての説明になるが、一例として、主人公がその場しのぎでした説明が現実のものとなり、流れるままに、、、というのはよくある展開だと思うが今作品にもそれがある。しかし、そのあとが問題で、何事もなかったかのように、じつは昔からそれがやりたかったことかのように物語が進む。
意味不明である。尺の問題か、気にせずに見てくれということなのかもしれないが、置いてけぼりになる。
だいたいそういう尺の都合上カットせざるを得ないものは、一流の映画では背景の描写で補完したり、音楽で表現したり、キャラクターの表情や行動で表現するものであるが、この作品には悉くそれがない。一切なかったかもしれない。

[キャラクター]

この作品の一番の問題点。

まず、いくつかの人はPVを見て感じただろうが、主人公だけミスマッチである。これはビジュアルの面からしても、性格の面からしても、バックグラウンドからしてもである。
明るい主人公が暗く沈んだ仲間を引っ張るのかな?と思ったが、そんなことはないし、何の意味を持ってこのような主人公にしたのか理解不能である。この主人公の特性として人が色で見えるとかそういうのがあるが、驚くほど活躍しない。いつそれが出てくるのかなとドキドキしていたが、何もない。聲の形では人の顔をバツにするといった演出があったが、それは効果的に働いてたと思う。こう言ったものを期待していたのに蓋を開けてみれば、とってつけたような何の意味もない謎すぎる特技だった。
山田尚子はなにがしたいの?

そして例によって何かしらの問題点を彼らは抱えているわけであるが、悩んで長い間ウジウジしている割にはしょうもないことで極めてあっさりに(1分くらいで)解決する。
また、彼らはバンド仲間であるから、当然仲がいいのだけど、いつの間に仲良くなったのか疑問に思うレベルで仲良くなる過程が描写されない。しばらく男1人と女2人が連絡が取れない期間が続くのだが、ようやく出会えたと彼らは抱きついて喜んでる。しかし、視聴者からすれば、いつの間にそんなに仲良くなったのかと困惑するのである。

まとめると、信じがたいほどの稚拙な脚本に度肝を抜かれた。ということである。もちろん、キャラクターにもなんの魅力もない。私は10代なので、彼らの行動はまぁ理解できるし共感するところもあるが、私は脚本と演出のせいで冷めた目で見てしまう事態になった。ひょっとすると、この映画が好きというひとは、こういう類の共感が、あるいは自身の実体験と重ね合わせることで強力に物語を補完しているからなのかもしれない。

いろいろ不満点を書いてきたが、まだまだ書き足りないほどの問題点がこの映画にはある。やってはいけない脚本のオンパレードでむしろ脚本家にとっての教材になると思う。
吉田尚子は原作がないとダメなのかもしれない。オリジナルアニメに手を出して大失敗しているようにしか見えなかった。

なお、これは映画として評価したものでアニメとしては評価してない。テレビアニメだと、色づく世界の明日からとか、ああいう雰囲気のアニメとしてそれなりに評価されると思う。覇権作品にはなれないが

見る価値はゼロ。金を無駄にしたくなかったら見に行くべきではない

The
Mさんのコメント
2024年9月6日

Theさんの怒りが伝わる文章でした!

M
タッキーさんのコメント
2024年9月4日

『自分にはよくわからなかった』程度の感想をずいぶんと強い言葉を使ってお書きになるなぁと感心しました。
いくつか気になる点がありますが、とりあえず下記の部分。

〉主人公がその場しのぎでした説明が…

このシーンについては、このとき3人の目的や興味が合致したのが理解できるかと思います。
主人公はある人物を美しいと感じていて、接点を失いたくない。
ある人物は音楽に興味があり、もう一人の人物に対しても好意を持っている。
もう一人の人物は音楽を楽しめる環境と友人が欲しい。
主人公の真面目で前向きな性格はそこまでのシーンでも読み取れるので、その場しのぎで始めた音楽活動も真面目に取り組み楽しんでいく。

とてもわかりやすい流れだったと思います。

タッキー
2024年9月2日

確かに吉田尚子は何がしたいんだ!
本当に稚拙だよ吉田尚子ときたらもうっ!
全然理解できない!!
観る価値ゼロだね!!

で?
吉田尚子って誰?
あと、聲の形とガールズバンドクライを並べてるのは何で?

本当
吉田尚子って誰なんだ???

ダブルツインマークIIセカンド2.222
けんひとさんのコメント
2024年9月1日

自分が言いたかったことをスパッと表現していただき、ありがとうございます。

泣きましたとかの高評価ばかりで驚いていたので、自分がこの作品のターゲット層では無いからだろうと言い聞かせようとしていました。

ストーリーがあまりに稚拙でご都合主義だったこともあり、全てのキャラクターに感情移入が全く出来ませんでした。

あとラストのライブの楽曲ですが、ボーカルの声質のせいなのか、演奏の音量のせいなのかは分かりませんが
歌詞がほとんど聴き取れなかったのも残念ポイントでした。
あれが学校の体育館のスピーカーとアンプだからあまり音が良くないという演出なら正解だとは思いますが、やはり残念でした。
メロディがキレイなだけにそれを強く感じました。

エンディングのミスチルは、やはりベテランの発声で歌詞はしっかりと聴き取れましたが、正直言ってこの作品にミスチルがミスマッチのような…
高校生の女性ボーカルのバンド映画のテーマソングなら、若々しい女性の楽曲の方がマッチするような気がしました。

けんひと
ryoryo1006さんのコメント
2024年9月1日

ボロクソに貶すのも個人の感想だから自由だけど、せめてクリエイターの名前くらい間違えずに書こうよ。吉田尚子って誰。監督と脚本家の名前が混ざっちゃってるじゃん。
観る価値無いとか言ってるけど、あなたの駄文の方が読む価値ないよ。

ryoryo1006
きざみのりさんのコメント
2024年9月1日

鑑賞後の自分のもやっときた気持ちが言語化されていて、もやっとした気持ちの正体は「これだ!」となりました。
キャラクターと私のだいぶ離れているので、作品のターゲットじゃなかったかと自分を納得させていましたが、そうじゃないことが分かりました。

きざみのり
コテツマニアさんのコメント
2024年8月31日

映画の方は観ていないのですが、聲の形は原作が顔が×だったので必然的に×の演出だったのかと。
私は頭の中のイメージを言葉にするのが苦手なので、このレビューは共感いたしました。
共感できなかったのは歳のせいかと思っていましたが、スッキリいたしました。

コテツマニア