怪物のレビュー・感想・評価
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怪物だーれだ
映画が進むにつれて色々な視点から物語が映し出されるが、とても惹き付けられ圧巻だった。怪物というのは客観的に見た「誰か」ではなく、自分の視点からしか見えない決めつけや偏見によって生み出されるものだと思いましたね〜。片親はモンスターペアレントになりやすいなど現代社会直結するような偏見めも多く見られ、この社会に対して新たな視点を与える映画でもあるでしょう。
公開当初レビュー観て不安だったけど観に行って良かった
あらゆる掛け違いから不安になる程の暴走列車になっていく大人たち
信頼からくるささやかな嘘、恋心、いじめ、虐待、求め続けられる『普通』、色々な想いが交錯して列車を押し出して出発させてしまう。
とても切なくて重いいい作品でした。
悲しいけど、緩やかに現実で起きている
誰かのことかはネタバレになるので言わないが、当事者の辛さがよく表現されている。それぞれの立場で一面的に嘘をついたり曲解したりすることで、細かな蓄積で特定の人を追いつめることになる。伏線や解釈は1回見ただけではわからなかったので、ユーチューブで解説をたくさん見ている。
心に残る映画=どう生きるべきか考えさせられる映画
誰の心の中にも巣食う怪物に飲まれる大人たちと
その存在を自分の中にも感じながら
明るく成長する子どもたちを見事に描いた傑作。
生きていれば怪物に飲まれるキッカケなど
幾らでもある。
子を持つ親として何が出来るのか。
あの言葉は言ってはいけない、
こういう時はこうするべき、などと
子育てマニュアルのような専門書やサイトには
ごまんと掲載されているセオリーは
所詮、それでしかない。
自らの怪物と戦わなければ。
と言うようなことを
真剣に考えさせられるほど
メッセージ性が深く突き刺さった。
是枝監督、坂本裕二タッグでまた作って欲しい。
遠い少年時代の日々と
それを取り巻く大人のドロドロ。子供のドロドロ。
カンヌの好きそうな要素を入れてみたらうまく当たったと言う感じ。
そこにも大人のドロドロが垣間見れて面白い。
少年たちが良かったので元少年的には要らんお世話感が残る。
「普通」でいること。
この映画を見て、小学生のころ「気持ち悪い」と言われたことを思い出した。
彼も悪気があった訳ではないし、私も傷ついたという訳ではなかった。しかし今でも確かな疎外感が、常に私の根元に存在している。自分と他人とは、なにかが違うのではないかという恐怖。小学生の素直な言葉に、それを突きつけられた気がしたのだ。
彼らもきっと、それを感じたのだろう。
真実とは
真実は本人たちにしかわからない。
それ以外の人達は断片的な情報から自分の見たい視点でしか推測できない。
なんか、昨今の過度な不祥事報道と似たような面もあるのかな〜と。
役者の演技と音楽がよかった。
視点を変えて語られる事実から浮き上がる真実
物事の側面を一方からしか見ない悲劇
幸せを一つの固定観念で縛る悲劇
主要登場人物たち、それぞれの視点からみた怪物
極々ありふれた、善良な市民も、ある側面から見たら怪物である
社会と閉鎖的な価値観と無知によって犠牲になった大人と子供たちの物語
この時代でありながら、子供達の世界は遅々として進まず、排他的で弱きを挫く
少年たちが駆け抜けるラストシーンに流れる坂本龍一の音楽に、命の響きを感じる
いろんな「愛」に満ち溢れた青春ストーリー。あぁ、私も怪物ね…
ずっと気になっていた作品。
クィアパルム賞を受賞したってことはLGBTQ+関連なのか!?
ちょっとホラー?サスペンス?な要素もある感じだけど、どういうこと?!…と楽しみにしていました!
CMはホラー、サスペンス、スリラーっぽい感じもしてたけど、実際はヒューマンドラマ。
人間が壊れていく過程がしっかり描かれててゾッとする。
人が壊れていく、狂っていく系の作品、結構好きなんですけど、この作品はすごいな。
いじめの描写に耐えられるかな?と不安な気持ちを残したままの鑑賞でした。
正直、いじめ関係のシーンでは心臓がバクバクしました。
学校の対応等も妙にリアルで、安藤さくらさん演じる母親の演技も素晴らしすぎるが故に、少しクラクラと目眩がするほどでした。
だけど、いろんな人間の視点で描かれるので、いじめに関して色んな疑問や色んな気持ちが湧いてきて、「え!私ったら!決めつけていたわ!これじゃあ、まるで私が怪物ね。」という気持ちです。
ネタバレになるからこれ以上は言えない!言わない!
いじめ問題は人それぞれ感じ方が違うと思うので一概に言えませんが、いじめ関係で観るのを躊躇っていた私的には良い意味で拍子抜けでした。だからこそ私にハマった作品。
もどかしさや、いじめについての怒りを感じたりはありますが、いろんな「愛」に満ち溢れた青春ストーリーでした。
坂本龍一さんの音楽もとても素晴らしく美しく…
だからこそ、揺さぶられる感情があります。
近々もう1度、劇場で観たいと思います。
109シネマプレミアムは、坂本龍一さんが音響監修を手掛けているとのことなので、そこで観ます!
映画を観ながら色んな事を推理したり勘ぐったりしていた私も怪物かもしれない。
怪物だーれだ。
ラストの意味
ハッピーエンドにもバッドエンドにも、どっちにもとれるような終わり方は、あえてそう作っているのだと思いました。
ハッピーエンドか、それともバッドエンドになるかは、この映画を観た我々の、これからの行動次第で決まると言われているような気がしました。
テーマ性、脚本、演技、映像、演出、そして坂本龍一の音楽。すべてがハイレベルでした。
私はこんな物語は、たとえ思いついたとしても怖くて書けない。色んなしがらみのせいで保身に走る人が多い中、こんな映画を作って発表した勇気と誠実さを評価したい。表現に携わるプロとしての、そして何より「人間」としての本気を見ました。
ジョバンニとカンパネルラ
何度も何度も、丁寧に視点を変えてみせてくれて、その度に怪物の意味合いが変わる、重なっていく。
お母さんは絶対じゃないし、先生はおかしくない。
ある面100%ダメに描かれていた★パパすらも。
廃列車での少年たちの戯れは、ある種色気すら感じるところもあった。二人のやり取りには銀河鉄道の夜を感じた。
是枝監督は可愛い少年たちを魅せる。。
自分の考えなしの行いが誰かの怪物になってる。今も。
怪物というwordの使い方、予告も上手い!
まず、音楽
邪魔にならない主張の塩梅が素晴らしく、本当に美しかった!!!
そして、何にも増して、子どもたちの瞳が美しくて、
それだけで、なんだか泣けてきた…。
人は誰にとっても、捉える側の価値観で怪物になりえる、
母親の「私が話しているのは人間?」のセリフの通りで、
彼女からしたら、話の通じない先生たちは怪物で、
保利先生からしたら、生徒も先生たちも母親も怪物で、
理解できないものは、怪物というWordに当てはめてしまえるのかな。
そして、無垢なとは言い切れない大人になりかけの子ども…
湊は、周りと違う自分を見つけたとき、
また、お母さんの期待する人間に成れないかもな自分に気づいたとき、
自分の中に怪物がいるような気持ちになっちゃたのかなー。
汚れていない分、ウヨウヨと不安の怪物にどうしていいか判らなくなっちゃたのかなー。
依里くんは、あんなお父さんでも大好きなんだよね…
だから、戻ってきて欲しいがために、なまけものに徹していたのに、
急に怪物のごとく動き出しちゃった?
ここで、二人に好かれているが故に翻弄される保利先生、
良い人だったのに、かなりの被害者か?!
いちばん、振り回されているし… 苦笑
そして、田中裕子、結局、今回も一番、印象に残っている。
この校長先生が、自分の中の怪物も、周りの怪物も飼い慣らせている、
いちばんの怪物やも知れん。
また、予告編も上手い!
“怪物”というWordに観客の注意を向け想像を掻き立てる感じに作られてて、
これにもやられた!!
子ども時代の息苦しさを改めて感じた。
是枝監督作品は、普段忘れている心の下に沈んだ澱を、下からかき混ぜる。
観た後、いつも何とも言えない酸っぱい気持ちになる。
今回も、そんな映画だった。
私自身、男の子を2人育てたので、つい母親目線で観てしまった。
いやー、この状況、身が持たないよ。
先生方も学校も変だし、父親たちもダメだ。
湊たちが秘密基地を作りたい気持ちは分かる、でも、数々の奇行、危険行為は、ホンマに勘弁して欲しい。
今回一番感じたのは、「学校」という場、ホントに子どもの成育環境としてこのままでいいのかという点。
私自身、学校はしんどかった。
教師で尊敬できる人は10人に1人くらいだったし、クラスメイトで友達になりたい人はほとんどいなかった。
いじめに加担もしなかったけれど、特に助けもしなかった、学校の人間関係に無関心だった。
勉強を効率よくするために通っていたけど、「学校は刑務所のようだな。刑務所はここよりひどいだろうから、絶対に犯罪者にならないようにしよう」と思ったことを覚えている。
少子化対策の前に、今存在する子どもたちにきちんと向き合う必要があると思う。
坂本龍一さんの音楽は、クラシックのように魂に響きます。
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。
冷静に見れない
湊くんが刺さりすぎてどうにかなりそうだった。
母視点ではとにかく不安で湊くんが心配でキツかったんだけど、先生視点で謎が深まりそれでも何であれ湊くんを救いたいって思ってたら、湊くん視点ではもう、ふたりで遊んでるだけでも涙が止まらず、最後は嗚咽を上げながら泣いてました……いろいろ考えないといけないことはたくさんあるんだけど湊くん、そして星川くん二人のあまりの尊さにやられてしまい、他のことが考えられません。まだ全然消化できてないし、冷静に見れるようになるまで時間がかかりそうですが、何度も見たいと思います。
羅生門スタイルはあります
同じ構成で思い出したのは、イタリー映画の「人間の値打ち」です。クリスマスイブに起こった交通事故の真相を、3つの人物の視点を重ね合わせることで多面的に語ってゆくミステリー。
「ファーザー」も近いかな。
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