劇場公開日 2023年6月2日

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怪物のレビュー・感想・評価

全945件中、641~660件目を表示

4.0「出発するのかな?」「出発の音だ。」

2023年6月8日
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鑑賞方法:映画館

監督はまた、家族の話を作り上げた。同じ時間を三つの視点で展開していく物語。その視点は、ときに本人の思い込みも激しく、まったく別の印象となる。黒澤映画「羅生門」のように。劇中、子供をバケモノと表現する場面があるが、安藤サクラも永山瑛太も二人の子役も、バケモノと呼んでいい演技力だった。さらに伏線がいたるところに張り巡らされて考察が尽きない。「豚の脳」「虐待」「廃線」「二人の関係」や、そして「出発の音」の意味するところ。結局、この映画の中の「怪物」は誰だったのか、何だったのか。鑑賞後の感覚は、是枝監督の「三度目の殺人」の時のような、煙に巻かれたような有耶無耶にされたような、つかみどころがない。だけど裏返せば、「怪物」は誰の中にも潜んでいるとも思える。善人とか大人しいとか思われていた人間が、なにかの拍子に急に豹変してしまうような。自分が正義だと信じる者は暴走してしまうことや。ありもしないことが噂となって、さも真実のように捏造され歪められて事実とされてしまうことや。平穏だと呑気にしている日常にこそ、得体のしれぬ怪物は潜んでいるよとでも言いたげな。
ああそうだ、窪田空穂の短歌を思い出した。
「哀しみは身より離れず人の世の愛あるところ添いて潜める」

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栗太郎

4.0胸が痛くて蹲る。

2023年6月8日
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鑑賞方法:映画館

三つ子の魂。
鑑賞しながら最初に浮かんだのが
この言葉だった。

幼い頃の環境、佇まいがいい年に
なっても影響を及ぼしていると
この頃思う。
でも、それがどんな環境だったかは、
視点次第で、がらりと姿を変える。

映画は三部構成で見事に真実のあやうさを
伝える。
若くて軽い先生が、息子をいじめてることに
気づき、猛然と抗議するシングルマザー
(安藤さくら)。
観客も感情移入し、学校に怒りを感じる。
これが一部。

ところが二部はがらりと変わり、先生にどうやら
罪はなさそうだと思わせる。
悪いのは子どもか。

そして三部は子どもの闇と光が描かれ、
怪物というのはいったい誰なのか、
幻惑されていく。

謎が謎を呼ぶ脚本の妙味と、真摯なテーマ、
役者陣たちの見事な演技。
あまり好きな言葉じゃないけど、
ここには弱い立場の人たちのどうしようもなさと
哀しさ、切なさを、肯定する懐の深い世界観が
ある。

映画で行間を読ませるというのは、
一歩間違えば芸術的になって、
エンタメ性に欠けるのだが、
この作品はちゃんとそこにも到達している。

是枝さんの中でも一番じゃないかな。
あと、2回は観るつもりです。

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高坂圭

3.5観たい度○鑑賞後の満足度○ 日本映画で恐らく初めてこのテーマに切り込んだ先進性と挑戦意欲は認めるが、それを描くのにこの演出と脚本で良かったのかは疑問。と云うことで、も一回観ようっと。

2023年6月8日
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もーさん

4.5二面性を持つピースどうしの複雑な関係性から浮かび上がるもの

2023年6月8日
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鑑賞方法:映画館

ちょっとした何気ない一言や仕草が、妙に何十年も心に残っていて、『あのとき大丈夫だった?』当時のことを聞いてみると、『そんなこと言ったっけ?』と本人は何も覚えていないといった反応を示されることがたまにあります。

当たり前ですが、多分同じ事でも感じ方や受け止め方は千差万別で、その千差万別が少し通常とは違う形で、増幅されたときどのような物語が生まれるのだろうか。そんな一つのシュミレーション実験のような印象を受けました。

物語を構成する一つ一つのピースは、それぞれが別のピースと複雑にいりくんでいて、かつそれぞれのピースの全てが、一見悪のようでいて、実は悪ではない。強いようでいて実は強くない、黒のようでいて、実は白でもある・・・そんな二つの相反する性質が同時に存在しているような不思議な二面性をもっているような印象を持ちました。まるで量子系のように。そのことが徐々に明らかになる過程が実にスリリングであり、一時も目が離せませんでした。

そしてなおそれぞれのピースは互いに依存関係を結び、他のピースの弱い部分を互いに補い合っていたような印象を持ったのです。儚い夢のように、微妙なバランスのうえに成り立っているその関係の全体像が見えたとき、浮き彫りになっていたのは・・・・人が生きていくことの哀しさと微かな希望の光でした。

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pen

4.0誰もが見えない戦いをしている

2023年6月8日
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泣ける

悲しい

怖い

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ムラサキ・サキ

5.0今年観た映画の中で一番

2023年6月7日
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ぬおーん

5.0かいぶつ、だれだ。

2023年6月7日
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redir

4.0是枝ワールド全開😱

2023年6月7日
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悲しい

怖い

難しい

怪物、是枝ワールド全開😱
人は誰にでも、見えてないモノ、勘違い、どうする事も出来ない状況ってあるものです🫨

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タモン

4.0怪物だーれだ

2023年6月7日
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見る人によって感じ方違うんじゃないか

評価が難しい

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トント

5.0誰もが優しくあったからこその悲劇

2023年6月7日
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泣ける

知的

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こまめぞう

4.5何度も見返す価値のある作品

2023年6月7日
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立場が違えば、同じ風景でも全く違って見える。
そのことを教えてくれ、警笛を鳴らしている作品。

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はりねずみ。

4.5本当の…

2023年6月7日
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坂元裕二さん作品、とても好きです。
余白を存分に残してくれ、その中で自由に思考を巡らせることができるところが。
極力内容を知らずに観ると決めて鑑賞。
前半、理解不能な大人たちの対応に観ていて本当に腹が立ってきた。それに対して真っ向から立ち向かう母(安藤サクラさん)を援護射撃するような気持ちで観ていたところ…

子供や家族の気持ちを分かっているようで本当は何もわかってないのかも知れない。
同じように自分の言動も正しく(自分の思い通りに)理解されないことがあっても仕方がないことなんだろう。

世の中にあるマイノリティーに対して寛大にとか弱者だからという視点で世の中が動く時、当事者が本当は何を望んでいるのか、その声の吸い上げは根気よく丁寧に行いたい。と同時にその機会が身近にない。
依里さんへ"もう大丈夫、安心して生きてほしい"と言いたい。それには何が出来るのか。
余白部分に引き続き思考を巡らせたい。

坂本龍一さんのご冥福をお祈りします。

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とっちゃん

3.5親になる覚悟

2023年6月7日
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難しい

本質とは違うかもしれませんが、子育ての難しさを感じました。

子どもは外で何をしているか、親はわかりません。常に心配していなければならない。

多様性とは何か。幸せとは何か。親になると、教えたり、一緒に考えたりしなければならない。

親になる覚悟を考えさせられる映画でした。

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そるたん

3.0お前らはそれでいいのかもしれないが

2023年6月7日
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悲しい

難しい

幸せ

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YOU

4.5母、教師、子供、複数の視点から物語を捉える

2023年6月7日
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同じ出来事を母、教師、子供たち、複数の視点から描くことで映画の中で巻き起こるあらゆる出来事が三次元的に捉えることが出来ます。始めに見えた世界が、見終わった後に全く違う風に見える斬新な構成でした。
一つの出来事でも人によって感じ方、捉え方は違い、真実は人の数だけあるというメッセージ性を感じました。
キャストが豪華である上、音楽、風景も綺麗です。
特に、映っている映像に緩急があるわけではないのに物語が進むにつれて見ているこちらの心の揺れ動きが大きくなっていく不思議な感覚でした

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Sugi

5.0面白かった

2023年6月7日
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安藤サクラの演技に引き込まれました。立場が違えば、見方も変わる。いろいろ考えさせられました。私はお勧めします。

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ケイさん

4.5予想外の展開

2023年6月7日
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悲しい

知的

難しい

最初は誰が悪いのか犯人探しのミステリーかと思ったら、違った。
それぞれの視点で行きつ戻りつ語られていくうちに物語はだんだんと姿を表すが、それぞれの言い分も見方を変えると悪いのはどちらなのか分からない。
かわいそうでひどい人ばかりが出てくるけれど、ラスト手前、衝撃の事実が判明する。ここまでの物語は全てそれを隠すためのものだったとは。
男らしく、女らしく、そんなセリフに耳を澄ませていると見えてくるはず。
校長の真実は、ラストはどうなったのか賛否両論だと思うけど、私個人的にはあの真相を隠すための物語というところに衝撃を感じた。実際にあり得る話だし、知らず知らずのうちに追い詰める人にならないように気をつけたい。

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アンディ・フク

4.0それぞれの闇

2023年6月7日
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悲しい

怖い

おのおのの抱えている闇。
子ども達のイジメに関しては、たくさん有るんだろうな~って思う。
是枝作品で1番感情移入できたかな。

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abebe

4.0子供には明るく生きて欲しい

2023年6月7日
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怖い

難しい

この映画の中では大人も子供も色んな問題や悩みを抱えて生きていて、そんなに楽しくない毎日を送っている。

僕の子供時代も同じような感じだった。いじめを受けたり家庭内暴力があったりして、中々ハードな毎日を送っていたことを思い出した。逆に高校の頃は部活の後輩を「キモい」と言ってイジメた事もあり、その後輩に対して今も申し訳ない気持ちでいることも思い出した。

この映画は人間の暗い部分を集めたような映画だった。

主人公の男友達が時々女の子のように見える時があり、変な気持ちに少しなったです。

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はなてん

5.0闇の中から見つめるものの正体。

2023年6月7日
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悪戯、嘘、愛情、職務、義務、虐待、
人間はいつでも自己中の怪物になる。
本人にはわからない怪物とは別に
人とは違う自分を「怪物」と思ってしまう。

安定した是枝監督の演出と脚本。
秀れた撮影と緩急付けた役者の演技。
坂本龍一の音楽は精細で美しく、
音の姿には生命が宿っていた。

全編を通じて湿った匂いを感じたが
ラストシーンの光風に心震えた。
その優しい風の場所が何処であれ
彼らは幸せなのだと思う。

良い映画だった。

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星組