「タイトルが秀逸」怪物 なみなみさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルが秀逸
事前情報なしの鑑賞。タイトルから、キャハハと笑いながら人を殺めるこどもたちのホラーサスペンスかなと思ったら全く違いました(反省)
主役の交代と時系列が前後する構成でややこしいが、伏線が自然に印象づくように作られていて、回収パートではどれもが全く違うかたちで出てくる。
「嫌な奴」として出てきた人物が、別の視点では「いい人」になる。チラホラ嫌な奴が残っていたがそれは単に掘り下げる尺が足りなかっただけで、また別の視点で見ればその人にも主張がありストーリーがあるのだろう。
そうなると結局、怪物だーれだ?とのキャッチコピーに対し、素直に怪物探しをし、ある場面ではあいつムカつくだとか、次の場面ではあいつが悪いだとか、そういう犯人探しをしていた自分こそが怪物なんじゃないかと思えてくる。
ラストは作り手からの優しさとだ思います。あれがなかったら本当に誰が悪かったのか、どうすればよかったのかを探す怪物になってしまっていた気がする。
それにしても子役含めてみなさんの自然な演技が素晴らしいですね。
安藤サクラさんと瑛太さんの、主役パートの凛とした感じと、そうじゃないときのモブっぽさの差が改めて役者さんや演出の力を感じます。
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