「人生のバイブルにしたい」怪物 kah0115さんの映画レビュー(感想・評価)
人生のバイブルにしたい
クリックして本文を読む
安藤サクラさんが受賞したのを拝見して、ずっと観たかったのでアマプラにて。
坂元さんの脚本に度肝抜かれました。是枝監督、教授の音楽、役者が皆素晴らしいことももちろん。
一度ではもったいない、もう一度、もう二度、見返さなければと思う。
なんとなく犯人探しをしてしまっていた自分も『怪物』なのだなと。
安藤サクラの『当たり前の家族を築いて』という言葉も、瑛太の『男らしく』という言葉も、子どもたちの視点に至るまで違和感を感じなかった人はたくさんいるのではないかな。
優しさの中に、当たり前の価値観や正義の中に、誰かを傷つけたりすることはないだろうかと、自分自身も、みんながそう問いながら生きられる世界になればいいのに、と。
特段、なにが真実か、生きるとか死ぬとか、性についてとか、まだもやもや不安なことが多い青少年期の子どもたちと関わる大人たちが心に留めておくべきことがたくさん描かれていると思いました。
クラスのいじめっ子も、新聞配達の仕事してたね。
きっと、中村獅童の背景にもドラマがあることでしょう。
体罰教師がメディアに取り上げられた事件の裏側には、淡い恋がそこにあるだけで、本当のワルモノは存在していないのに、でもみな『怪物』でもある。
たった2時間でここまで表現し切る映画は圧巻。
ラストがバットエンドと捉えている人もいるみたいだけど、私には手放しに喜べるものではないけれど、二人が幸せになれる世界への序章に見えました。
コメントする