劇場公開日 2023年6月2日

「怪物というwordの使い方、予告も上手い!」怪物 hkr21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5怪物というwordの使い方、予告も上手い!

2023年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まず、音楽
邪魔にならない主張の塩梅が素晴らしく、本当に美しかった!!!

そして、何にも増して、子どもたちの瞳が美しくて、
それだけで、なんだか泣けてきた…。

人は誰にとっても、捉える側の価値観で怪物になりえる、
母親の「私が話しているのは人間?」のセリフの通りで、
彼女からしたら、話の通じない先生たちは怪物で、
保利先生からしたら、生徒も先生たちも母親も怪物で、

理解できないものは、怪物というWordに当てはめてしまえるのかな。

そして、無垢なとは言い切れない大人になりかけの子ども…
湊は、周りと違う自分を見つけたとき、
また、お母さんの期待する人間に成れないかもな自分に気づいたとき、
自分の中に怪物がいるような気持ちになっちゃたのかなー。
汚れていない分、ウヨウヨと不安の怪物にどうしていいか判らなくなっちゃたのかなー。

依里くんは、あんなお父さんでも大好きなんだよね…
だから、戻ってきて欲しいがために、なまけものに徹していたのに、
急に怪物のごとく動き出しちゃった?

ここで、二人に好かれているが故に翻弄される保利先生、
良い人だったのに、かなりの被害者か?!
いちばん、振り回されているし… 苦笑

そして、田中裕子、結局、今回も一番、印象に残っている。
この校長先生が、自分の中の怪物も、周りの怪物も飼い慣らせている、
いちばんの怪物やも知れん。

また、予告編も上手い!
“怪物”というWordに観客の注意を向け想像を掻き立てる感じに作られてて、
これにもやられた!!

hkr21