「みんな怪物」怪物 flying frogさんの映画レビュー(感想・評価)
みんな怪物
脚本が是枝監督の手によるものではないからか、是枝作品としては少し肌触りが違う、と感じながら見ていた。
少しテンポが良いんだよね、これまでの是枝作品と比べると。
ただ、一瞬たりとも気が抜けない映像表現や独特な子供の撮り方は、まさしく是枝監督の映画。
一連の話を三者の視点から繰り返し見せられる手法は特に目新しいものでもないのだけど、その掘り下げ方はやはり独特で、視点によっては誰もが「怪物」に見えてしまうが、ホンモノの「怪物」はどこにもいない、という多面性をじわじわと見せられる。
例えば本作中では紛れもなく「毒親」に見えた中村獅童演じる依里の父親でさえ、"視点"が違えばまた印象も変わるかもしれんなぁ、と思わされるわけで。
それにしても子役2人は良かった。
この映画、子役の演技が劣っていたらすべてが台無しになってしまう性質のシナリオなので、やはりこれは是枝監督にしか撮れない映画、だったのだろう。
そして極めつけに、あのラストシーンだよ…
この幾通りにも解釈ができてしまうラストシーンはずるい(笑)
3日は悶々としてしまうじゃないか。
コメントする