「最高の役者陣で人間の性を鋭くえぐりまわす圧巻の衝撃作!」怪物 Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の役者陣で人間の性を鋭くえぐりまわす圧巻の衝撃作!
安藤サクラさん、永山瑛太さん、田中裕子さん、そしてガラスの様な小学5年の少年達を痛々しくも力強く演じる黒川想矢さんと柊木陽太さん、終始 皆さんの素晴らしい演技に圧倒されるあっという間の2時間でした
特に柊木陽太さんの演技が圧倒的、とても可愛い時もあれば、物凄く不気味でゾクゾクさせられる時もあり、彼の演技にグイグイ引き込まれました
本作は珍しく是枝裕和監督自身の脚本ではなく、伝説の大ヒットドラマ「東京ラブストーリー」や最近では「大豆田とわ子と三人の元夫」の脚本で有名な坂元裕二さんの脚本、それが先日 第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し世界中に報道され、同じ日本人の活躍をとても誇らしく思い、勇気をもらえました
是枝作品はあまり私には合わない様で、正直 過去作はあまり好きではありませんが、本作は素直に好きだなと思える作品でした
物事は視点を変えると全く違う世界が広がり、常に見えているものが全てではない
人は物事を上辺でしか見れない
人は物事を自分の尺度でしか解釈できない
人は人に言えない秘密を持っている
人は人に知られたくない秘密を持っている
人は自分の醜い所を知っている
人は自分の卑怯な所を知っている
人は自分の弱い所を知っている
人は常に拠り所を求めて生きている
人は・・・人に愛されたいと思って生きている
“怪物だーれだ“ゲームは外から見ている人が自分の本質に迫ると共に冷静な視点で語り、気づかせ、教えてくれるゲーム
孤独で辛い日々を送る少年2人がこのゲームを通じて相手の内面に寄り添い、共鳴し心通わせていくところがとても痛々しく切なくなりました
そういったそれぞれのキャラクターの性を時系列が行ったり来たりしながらの巧みなストーリー展開で描いていく、心揺さぶられる傑作が誕生しました