劇場公開日 2023年6月2日

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「是枝監督こそが怪物」怪物 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0是枝監督こそが怪物

2023年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

是枝監督はヒットメーカーと言っていいのだろう。「誰も知らない」のカンヌでの成功体験がその後の是枝チームの制作スタイルを形成し、子どもと家族をモチーフにした(これは彼のメインテーマなのだとは思うが)ヒット作を出し続ける中で海外を含めてトップクラスの役者やスタッフをふんだんに起用できる彼こそが「怪物」になってしまった。「ベイビー・ブロカー」までは許せるが今作はさすがにやり過ぎで中身のないデコレーション過剰な麻雀でいうところの多牌である。坂元裕二の脚本がやり過ぎなのだがこれに脚本賞を与えるカンヌはまともではない。「羅生門」的な登場人物ごとに視点を変える手法はややもすると技巧に溺れて今作のように「あざとさ」のオンパレードとなる。特に最初の母親視点での学校の対応はあきらかに過剰でこんな演出をするのなら安藤サクラの無駄遣いとさえいえる。唯一良かったのは、息子と病院から出てペットボトルを渡して歩きながら一気に学校での出来事を問い詰める長回しシーン。子ども二人の奥の鉄橋を貨物列車が走るシーンや二人が台風の中奥に行く手前で木が倒れるシーンもあざとくて興ざめる。もっとシンプルで切実な映画が観たい。

たあちゃん
トミーさんのコメント
2023年6月10日

コメントありがとうございました。
「怪物だーれだ」は確かにあざといですよね。レビューの表題もそれの多い事。

トミー
たあちゃんさんのコメント
2023年6月10日

トミーさんコメントありがとうございます。
おっしゃる通り「大監督」くらいでしょうか。
プロモーション含めて(怪物だーれだ)「怪物探し」させる少しズルい仕組みの映画だったので言ってみたくなりました。
御免なさい。

たあちゃん
トミーさんのコメント
2023年6月10日

ま、巨匠で、ある程度お客さんも堅いんでしょうが、怪物とまではいかないと思います。巧みに大批判は回避している印象です。

トミー