「噛めば噛むほど味がある」怪物 AKIRAさんの映画レビュー(感想・評価)
噛めば噛むほど味がある
カンヌに輝いた坂元裕二の脚本を是枝監督が撮る。怪物とは誰?怪物とはモンスターなのか?
デストロイヤーなのか?
加害者のことか?
それとも自分と異質な者は皆、怪物なのか?
羅生門を思わせる3幕構成。一幕目の怪物は得体の知れない学校の態度。
2幕目は所謂モンスターペアレントと大人の想像を超える子供たちの態度。子供思いの保利先生が体裁の為に社会から事実上抹殺されてしまうまでの正に全てがモンスターなお話。
そして3幕目が子供達の多様性。自らを受け入れようともがき成長して行く様。
色々と取れる結末ですが、坂本龍一さんの音楽とあいまり、光に向かって行く希望のラスト。それにしても子役の2人、上手すぎます。是枝監督、お見事です。
私には非常に余韻に浸れる一本でした。
ちなみに、きっと猫の死骸のことで嘘をついた女の子は湊くんが好きだったんだろうね。
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Mさんのコメント
2023年6月19日
猫の件で嘘をついた女の子の気持ちがいまいち、よくわかりませんでした。
おもしろい映画でした。是枝「監督」の作品の中でも「誰も知らない」と並んで好きな作品になりました。