劇場公開日 2023年6月2日

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「観る前の想像していた印象とは全く異なる映画」怪物 naoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0観る前の想像していた印象とは全く異なる映画

2023年6月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

ポスターやCMでは『怪物だ〜れだ?』と言うミスリードを促すような謳い文句が前面に出てたので、所謂ミステリー色が強い作品なのかと思い観に行きましたが、観終わった後の印象は観る前に想像していたものとは良い意味で全然違いました。

人間は自分が見た、聞いた、得た情報だけで、あたかも
それが間違いのない真実かのように、自分の中で、物語を作り上げ、思い込んでしまう。ある事象が球体であるならば、自分が見ている側面など、正面の側面だけで、決して、球体の裏側や左右上下の側面までは見えていないし、見る事は現実的に難しい。けれど、事象には必ず、自分が見えてない側面がある事を忘れてはならず、見えてない側面についても想像を働かせ、考え、見ようとする努力はしなければならない事を改めて教えてくれるような映画でした。

今、SNS等、見方や考え方を固定してしまうような切り抜き情報が垂れ流される時代で、それこそ、思い込みの不確実な事実がまぎれもない事実かのように拡散されてしまう世の中において、この映画はある種の警告のようにも受け取れました。

結末は明るい未来にも悲劇にも、観る人にとって様々な受け取り方が出来るような演出になっている点もとても良かったです。

『怪物』とは事象に付随する人の思い込みから肥大化した虚妄を指しているような気がしました。

2度、3度観る事でまた新たな気づきが出てきそうな映画なのでまた観たいと思います。

nao
naoさんのコメント
2023年6月7日

こちらこそ共感&フォローありがとうございます。キネ旬に掲載されたなんて凄いですね。また新たな映画のレビュー楽しみにしています。

nao
みかずきさんのコメント
2023年6月6日

共感&フォローありがとうございます。
私の方からもフォローさせて頂きます。

私、10年位前から、キネマ旬報、kinenote、Yahoo映画レビューなどに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報掲載です。こちらのサイトには昨年2月に登録しました。
宜しくお願いします。

本作、真実の多面性に鋭く迫った作品でしたが、背景にある性の多様化に対する日本社会の不寛容さにも鋭く迫った作品でした。
性的マイノリティ小学生の苦悩を子役の二人が巧演していました。
ラストは、作り手のイメージだと思いますが、救われた感じがしました。ハッピーエンドとはいきませんでしたが、グッドエンドのラストで良かったです。どんな作品でもラストは希望で終わって欲しいです。

ー以上ー

みかずき