香港の流れ者たち

この手の話はリアリティが肝心ですが、映画のネタとしては少し陳腐で。ドキュメンタリーとは越えられない差がつく素材かなと思いました。監督の意欲や、役者さんたちの熱演は良いのですが、それが高じるとリアルに届かないもどかしさがあるのですね。改めて良質なドキュメンタリーはすごいなと考えさせられました。

香港の町中で暮らすホームレスのコミュニティの話。 刑務所を出て元の場所に戻ったファイと仲間たちの荷物を突然行政が撤去したことで、若い女性の支援者の力を借りて審裁所に訴え出て始まって行く。 とはいえこの裁判に纏わる話しはちょろちょろっと出てくるだけで、殆どの仲間たちがヤク中というコミュニティの日常生活をみせていく感じ。 それにしても、まともに働く気がない人物が殆どで、就労や自立の支援ならわかるけれど、単に生活の支援をする人は、見方によっては迷惑なだけなんですけどね…。 実際の事件を題材にした話しとのことだけど、大落ちは観る前から多分そうなんだろうなと想像がついていた通り。 ストーリー中も特にみんなの背景を深く掘り下げる感じもなく、まあこんな思想だからホームレスなんだろうな…というところを超えては来ないし、かと言ってドキュメンタリー感が強くもなくて、人間模様の面白さはあったけれど…という感じ。