ゴジラ-1.0のレビュー・感想・評価
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ゴジラ映画の王道
生きる
このゴジラは人間目線から見ることが多くて絶望感を恐さを感じた。
あんなのが目の前に迫ってきたら逃げることもできずに無理だろって生きることを諦めるかも知れない。
逃げて生き延びたところであの戦後の時代に前を向いて歩くことができるだろうかと思考も停止するかも知れない。
終戦後、復興のときに突如として現れた未知の生物。一瞬にして不条理に奪われた命、変わり果てた街並み。
戦火を生き抜いたのになぜこんな目に合わないといけないのか。。。
ただただ怒りがこみ上げる。
でも、こんな絶望的な状況でも人は立ち上がる。目下に迫った未知の脅威を知っても立ち向かう。勝てる見込なんてゼロでも一縷の望みにかけて、命を懸けて立ち向かう。なんでこんな貧乏くじを。。。そんな思いを抱えつつ大切な人たちを守るために、戦争を生き延びてしまったから、犠牲になった命のために奮起する。
劇中で「生きて帰って来ることを誇りとしよう。」というセリフがあった。今自分たちができることを全うする。
生きるために戦うことを諦めなかった人たちの話だと思った。
戦争を経験していない私たちが生きてる今は、たくさんの生きたかった人たちの上にあることを忘れてはいけないし、命懸けで守ってくれたこの国を未来に繋いでいく責任があること、大変なこともあって本当に生きることをやめたい時もあるけど、命がある限り生き抜かないとと思った。
公開時期が悪かったか…
まず本作品自体は単体として見れば悪くない作品だと思います
只、今季の同時期の公開作品に意欲作が多かった為、相対的に評価が下がってしまいました
1:復員兵の「戦争は終わっていない・戦後は続いている」といった心象に力点を置いた作品かと思いますが、かなり主人公の一人目線に寄った表現が気になりました
序盤の説明臭い導入部分からひたすら敷島浩一にフォーカスをあてた演出が続くのですが主人公以外の人物の「戦後観」についてはほぼ表現されずに終わります
相棒である大石典子の戦後は「両親は生きながら焼かれそれでも、生きろと言いました」で終わりですか?
橘宗作の戦後は「特攻再志願の願い」だけでこれほど煽られて罵られても「自分の判断が間違っていたと飲み込んでまで、「生きろ」」とまで言わしめる程、変われますか?
映像作品である以上この辺りは伏線挿入とその回収までをわずかにでも描いてほしかったとと思います
「観客がそれぞれの考えで補完・想像してもらいえれば」というのものとは違う浅さや妥協が薄ら影って集中出来ませんでした
典子が吊られた列車から落下しなくても、爆風で吹き飛ばされなくてもゴジラの最恐さは表現出来たはずです、それを他の表現に割くなり作品自体の長さを伸ばすなりは出来たのではと感じます
(正直な感想としては限られた時間枠に収めざるを得ない為に「ゴジラ」と「心理描写」の狭間で調整に苦労された結果だとは感じます)
2:「怪獣映画」ではなく「ヒューマンドラマ映画」である
上述のとおり本作は主人公の心理描写の演出に力点を置いている為、「ゴジラの活躍とその演出」を期待している方々は異なった視点で鑑賞する必要があり本作の脚本と意図を感じにくくなる・距離を感じるといった感想になるのではないかと思います
また本作の主題・脚本であれば登場するのは「人知の敵わぬであろう未知の絶対的な存在」であればよいのであって「ゴジラ」である必要性はほぼ無いといってよいかと思います(エンディングで新たなゴジラの幼体となる生命体が生まれそうな伏線は有りましたが)
結果として、ゴジラ作品である以上年齢制限は設定したくないという狭間での葛藤が見て取れました
バッドエンド流行りの昨今、ハッピーエンドは見終えて幸いですがエンドロール途中で席を立つ方々が多かったのが印象に残った次第です
ゴジラ立ち泳ぎ得意?
めちゃくちゃよかった。大迫力の映像と、戦争と決別した者たちがゴジラに立ち向かっていくストーリー。
冒頭かなりヌルッとゴジラが登場するのだがもう少し不気味にもったいないぶって登場してくれよと思った。もったいつけた演出の後に登場のテーマ?と合わせてゴジラが現れるのが個人的にめっちゃ好きだから。その後海でゴジラと再度遭遇するシーンでも流れなかったな。ゴジラが人間を咥えては放り投げを繰り返してて、あー人を食ったりはしないんだと思った。なんか進撃の巨人で巨人が人間食うのは生きるための栄養補給じゃないってことをなぜか思い出した。
だけど後で銀座の街に現れたときにゴジラのテーマが流れてグッときた。復興してきた銀座の街が理不尽に蹂躙されるシーンであのテーマが流れる方が、絶望感マシマシで効果的だった。ゴジラが銀座の街を破壊するシーンは圧巻の大迫力だった。ちなみにあの音楽と共にゴジラの「カォォオオン」っていう甲高い鳴き声を聴くのが好きなんだけど、今作は聞けず寂しかった笑
特攻から逃げたことと、大戸島でゴジラを撃てなかったことで敷島の後ろめたさが積み重なって、後半命を捨てにいく伏線かなと思ったがそのとおりになったな。。
神木隆之介の顔、肌、歯がキレイすぎて、ボロ屋の生活の中で神木隆之介の顔面というアイテムだけ浮いていたwこれは仕方ないのかな?この辺もメイクで効果つけられないのだろうか?
ゴジラの熱線の凄まじい威力でキノコ雲ができたり、黒い雨が降ったり、艇長が政府の箝口令をこの国のお家芸と皮肉ったり、『聞けワダツミの声』よろしく作戦名が「ワダツミ作戦」だったり、先の戦争を想起させる要素が随所にあった。しかし、後々作戦立案段階で、下の者が元上官に意見したり、元上官が元部下?にありがとうと言ったり、極めつけが学者さんの演説と震電の脱出装置で、『戦争で死に損なった者たちの戦いだけど、過去の軍部のやり方は踏襲しない。命を無下にはしない』ってところがくっきり強調されていたと思う。
山田裕貴演じる小僧が船に乗せてもらえず、ヤケになって特攻するんじゃね?と予想したが、援軍を引き連れての登場だったので、『意地は通すけど無茶はしない』というナイスで激熱な展開だったと思う。小僧を取り巻く状況に関しては、俺も戦争行って手柄を立てたかったとか、逆に俺はお前らと違って実際に戦争行ったんだ、みたいな実戦経験マウント合戦が当時本当にあったのかもなぁと想像させる奇妙なリアリティがあった。
ゴジラって海で浮力で浮いてるんですかね?鯨みたいな感じ?立ち泳ぎですかねw?急激な水圧の変化が肝だから800mくらいで一度止まった時点で効果半減で引き上げる意味あんまなくね?と思ってしまった。鯨と同じ肺呼吸だったらずっと沈めとけば窒息で死ぬよね?沈めるときは周りの海水を押し退けて浮力を下げることが肝だと思ったんだど、あの映像だとジェットの噴射で無理やり沈めたみたいだったな。いずれにせよ結構科学的な方法でゴジラに立ち向かっていて嬉しい展開だった。冒頭から深海魚がゴジラに押し上げられて?水圧の急変化で死んでしまって打ち上げられるって描写が伏線になってたのか。あの現象は実際の釣りでもあるし面白い着眼だなと思った。
典子が生きてましたって展開必要だったかな?時系列的に不自然なような。。ゴジラが銀座を襲ってから撃退まで10日前後?くらいでその間にろくに捜索もせずに葬式挙げたってこと?というか熱線の衝撃くるとき自分も敷島を押すのと同時に一緒物陰に飛び込めたよね?などなど思ってしまった。
ゴジラは何の象徴か?
まずは、さすが山崎貴監督!違和感ない特撮技術、CGでゴジラの絶対的な強さ、怖さを十分に感じました。「ジョーズ」のような?
ストーリーは、戦争での無力感、それぞれの戦争体験を昇華して、生きる尊さ、希望を伝えたかった?と理解しました。が、それにしても、進駐軍の存在や戦後当時の日本の置かれていた状況、時勢を無視してて、ご都合主義が否めない。ストーリーには没入出来ませんでした。
いつもながら、何を演じても存在感ある吉岡くん、安藤サクラさんが目を引いたくらいか。あと、主人公の神木くんが操った後退翼の戦闘機はカッコ良かった。
さて、本作でのゴジラは何の象徴なのか?神の怒り?人間の愚かさへの警鐘?ただただ70周年の愛すべきキャラクターへの憧憬、ノスタルジー?
個人的には、「東宝チャンピオンまつり」でシリーズ化した当時の愛らしい、正義のヒーロー化したゴジラが懐かしいなぁ。
続編の匂わせがありましたが、やめときましょう!
登場人物の名前が意味深い
シン・ゴジラも大好きで2度劇場に行ったほどだが、こちらも2度行った。
ゴジラ自体の怖さは、こちらの方が圧倒的であると思う。
シン・ゴジラのゴジラは攻撃されれば反撃するが撤退するものまで追いかけたりしないので「想定外の災害の具象化」という印象が強く、もちろん災害は怖いのだが、生物としての怖さではないように感じられてしまう。
こちらのゴジラの身長はシン・ゴジラの半分以下だが、攻撃してきた相手はたたきつぶすまで止めないあたりに生き物としての意志があるという感じがする。
ゴジラのデザインや、CGの良さによる動きのリアリティと質感の生々しさもそれを高めている。
……というのは既に多くの人が指摘しているだろうからこの辺にして。
主人公の名前が敷島。
「敷島の大和心を人問はば朝日ににほふ山桜花」
最初の神風特攻隊の隊の名前でありそれも意識していると思われるが、「敷島」という単語自体が「大和」の枕詞であると同時に日本の別名でもある。
掃海艇の艇長は秋津。
「秋津洲」もまた日本の異名である。
焦土となりうちひしがれた日本が再起して行く過程を彼らに託しているのか。
そして整備士の橘。
古事記では「時じくの香の木の実」すなわち不老不死をもたらす木の実を橘としている。
浅学なので映画を見ながら思いついたのはこの三名だけだったが、他の登場人物にも何かあるのだろうか。
たらい回しは体良く
永遠の0以来の感動作品でした。
血祭りゴジラ
「身の毛もよだつ」「脚がすくむ」「腰を抜かす」という激的な生理現象にも頷ける程の最恐ゴジラ。弱い人は抱き枕かおしめ持参で観に行って欲しい。皆真顔でチビってるから匂いはバレない。エンドロールが流れる頃には清掃スタッフに感謝の気持ちで一杯になり爽快な気分で新年のスタートが迎えられることでしょう。
顔を真正面から捉えたヤツの表情は飢えた獣と言う他なくこの眼差しにロックオンされたモノは例外なく気の毒な結末を迎える。シッポも抜かりなくピシパシッと人々や戦後復興を遂げつつある東京の街を血祭りにあげる期待通りの活躍を見せてくれた。
内容や演出というより日本もこんなスペクタクルが作れるようになったかと感心しよう。日本先住民が現代日本最高のコンテンツであるゴジラをどう見せるか。私には新鮮に映りました。テーマ曲の使用も以外なタイミングで案外良かった。
苦言を呈すればゴジラによって踏み潰される郊外の一軒家の倒壊の仕方が木造ではなくレンガ積み家屋のものだった!関係者には猛省を要求する!多分細かく見ると色々ケチつけたくなると思う。
続編はハリウッドが作るだろうがジャパニーズ・キラー・コンテンツのもう一つの双壁ピカチュウに毛を生やしてカフェイン中毒にしたアメリカさんの豊かな想像力に期待したい。
人間讃歌
今更ながらゴジラ-1.0鑑賞
良い噂しか聞いていなかったから、期待して観に行ったけど期待通り面白かった。
私自身はゴジラ映画は苦手なジャンルの一つ。
なので、シリーズをあまり観ていないので過去の作品と比べることはできない。
なぜ苦手かというと、日本映画特有のベタな演技/演出。
戦隊モノとか仮面ライダーみたいに子どもに分かりやすくするためのベタな演技/演出なら分かるんだけど、変にリアリティとか迫真の演技とか取り入れようとするあまり、観ているこっちが恥ずかしくなってくるような感覚に襲われる。
また、ゴジラと戦う動機も防衛のためというだけではイマイチ感情できない。
逆に閉塞感漂う今の日本においては、現代社会を完膚なきまで破壊してほしいと思う人も多いと思う。
そう言った意味で、敗戦間もない日本を舞台にしたのはいいアイデアだなぁって思う。
戦争で社会も身も心もズタボロの状態からなんとか復興しかかったところにゴジラ襲来。
帝国軍は解体され米軍も諸事情で支援してくれない。
そんな状態でどう戦うのかワクワクする。
また主人公がゴジラと戦う動機をちゃんと描いているのもいい。
今まではアニメで例えるとマジンガーに乗る兜甲児って感じで、最初から戦うの前提で迷いも葛藤もない。
-1.0はガンダムのアムロって感じで、戦争に巻き込まれてイヤイヤ戦っているうちに、戦う理由が見つかるって流れかな。
そうした人間側のストーリがちゃんとありそれに合わせた演技や演出があるので、役者ごとバラバラな演技や細切れな見せ場などはなく、素直に映画にのめり込める。
また、ふとジョジョのツェペリ男爵の『ノミ…』の話を思い出した。
「ちっぽけな虫にもかかわらず巨大な人間に対して戦いを挑んでくる。それってはたして勇気があることなのか?」
あまり踏み込んで書くとネタバレになるので…w
とまぁ、思うことはいっぱいあるけど、総じてとても面白い映画だったってことです。
ちょっと長めの上映時間ですが、まだ観てない人はぜひ観てみてください。
ゴジラ映画最高傑作
監督は同郷出身の山崎貴。
年代も比較的近いせいか、「宇宙戦艦ヤマト」「ドラえもん」「ルパン三世」、黒澤明監督作品のリメイク、戦艦大和、ゼロ戦、ETのパクリなど、俺の好きなコンテンツばかり撮っている。そしてついにゴジラだよ。だから嫉妬心から観てなかったけど、ようやく観てきました。
そのうちハリウッドに呼ばれて「スターウォーズ」の新作も撮るかもね。そうなったら更に嫉妬心が・・・・。
全体として「シン・ゴジラ」は軽く超えており、ゴジラ映画では間違いなく最高傑作。
怪獣と人間ドラマ上手く噛み合っていると言われてるけど、男が己のトラウマを克服するプロットは完璧に「JAWS」まんま。それに対しては隠してる様子はなく、「JAWS」にそっくりな絵を出しているほどだから、スピルバーグ大好きな山崎貴監督らしいか。それは良いとして、でも。。。
終戦直後の昭和22年の東京を舞台にしてながらその生活感が希薄な上に、占領下なのにGHQが全く出てこないので、貧しい今の日本しか見えない。
それに1番の問題はゴジラの魅力が薄っぺら。これが山崎貴監督の一番の問題で「スタンド・バイ・ミードラえもん」でもそうだったけど、観客はドラえもんの世界のことみんな知ってるでしょ?前提でドラマを作ってるから、その映画の中だけで見るとキャラクターの紹介と魅力が薄い。このゴジラもそうで、ゴジラの魅力が伝わってこない。正直エメリッヒ版のイグアナゴジラモドキと大差なく、相模湾でのクライマックスでは眠気を感じてしまった。ゴジラを魅力的に撮ると言う点では、筋金入りオタクの庵野秀明の方が数段上です。(シンゴジのストーリーやキャラは陳腐なので映画としてはあまり評価できない)
とは言え、今年公開の邦画では間違いなくナンバーワンです。
この国はあまりにも命を守ることを粗末にしすぎた
ゴジラ生誕70周年、30作目。
公開直後から高評価だけど、観るのはためらっていた。
舞台は戦争直後、
現代ではウクライナにガザ、あまりにも戦争の脅威が身近すぎて、観るのがしんどそうで、、、
でも2023年締めくくりに観るのに、ふさわしい映画だとも思った。
* * *
ゴジラは広島長崎に落とされた原爆。そして水爆実験のメタファー(隠喩)だ。
その恐怖、悲惨さをゴジラという象徴に変え、映画として公開された。
今作は原点回帰、
主人公は特攻兵。任務から逃げ、見殺しにした十字架を背負い、死んだように生きる。
戦争でかろうじて生き残っても、周りから憎しみをぶつけられる。女性はわずかな粥のために売春婦になる。
ようやく少しずつ復興しはじめた国に、災厄ーゴジラが姿を現す。
* * *
その圧倒的な力ー放射能で東京を一瞬にして焦土に変える。CGと分かっていてさえ、おそろしい光景。
そして政府高官は自らの責任から逃げ、国民の命を守ろうとしない。
これはフィクションでありながら、
過去にも、そして今の日本にも起こっていること。
ーこの国はあまりにも命を守ることを粗末にしすぎたー
負ける戦争と分かっていながら開戦し、国民を死に追いやった。
いまも全く変わらない。
能登半島地震でも現地に赴かず、新年会をはしごし、TVではしゃぐ総理に、この国を任せることができるだろうか。
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