「この国はあまりにも命を守ることを粗末にしすぎた」ゴジラ-1.0 ホラー好きさんの映画レビュー(感想・評価)
この国はあまりにも命を守ることを粗末にしすぎた
ゴジラ生誕70周年、30作目。
公開直後から高評価だけど、観るのはためらっていた。
舞台は戦争直後、
現代ではウクライナにガザ、あまりにも戦争の脅威が身近すぎて、観るのがしんどそうで、、、
でも2023年締めくくりに観るのに、ふさわしい映画だとも思った。
* * *
ゴジラは広島長崎に落とされた原爆。そして水爆実験のメタファー(隠喩)だ。
その恐怖、悲惨さをゴジラという象徴に変え、映画として公開された。
今作は原点回帰、
主人公は特攻兵。任務から逃げ、見殺しにした十字架を背負い、死んだように生きる。
戦争でかろうじて生き残っても、周りから憎しみをぶつけられる。女性はわずかな粥のために売春婦になる。
ようやく少しずつ復興しはじめた国に、災厄ーゴジラが姿を現す。
* * *
その圧倒的な力ー放射能で東京を一瞬にして焦土に変える。CGと分かっていてさえ、おそろしい光景。
そして政府高官は自らの責任から逃げ、国民の命を守ろうとしない。
これはフィクションでありながら、
過去にも、そして今の日本にも起こっていること。
ーこの国はあまりにも命を守ることを粗末にしすぎたー
負ける戦争と分かっていながら開戦し、国民を死に追いやった。
いまも全く変わらない。
能登半島地震でも現地に赴かず、新年会をはしごし、TVではしゃぐ総理に、この国を任せることができるだろうか。
コメントする