[窓]MADOのレビュー・感想・評価
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副流煙裁判 化学物質過敏症
「窓」MADO
大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2023年12月3日
「横浜・副流煙裁判」と、「化学物質過敏症」に関する一連の騒動
民事裁判だったが、(日本赤十字社医療センター医師・日本禁煙学会理事長)作田学理事長が作成した「診断書」がA娘を診察していなかったにもかかわらず、診断書を交付していたことが判明。明らかな医師法20条違反に該当、話題になった(日刊ゲンダイDIGITAL記事 2020/02/29)のちに詐欺罪および虚偽公文書行使罪で刑事告発。あってはならない大事件だったと記憶されておられるでしょう。
映画内ではなぜか扱われていません。
舞台挨拶が上映前後、2回というのは異例。
1回目の上映前の舞台挨拶では、映画監督麻王氏が登場し、この映画は「実際にあったこと」を扱っていること、麻王氏はAさん夫妻の息子(子息)であると述べた。
舞台背景は横浜にある集合住宅(団地)
A家 団地の2階の部屋に住んでいる
A夫 年金生活者 受動喫煙症レベルⅢ
A妻 専業主婦、化学物質過敏症、受動喫煙症レベルレベルⅣ
A娘 外出が困難な生活 化学物質過敏症、受動喫煙症レベルⅣ
B家 A家と隣接する棟の1階に住んでいる
A家が原因と主張するB夫の防音室からA家ベランダまで横幅で8.2メートルの距離がある。なお映画では、江井家宅に対し備井家宅を純粋な階下として描いている
B夫 ミュージシャン 自宅防音室で一日約1~2本喫煙
B妻 英語教師 ふだんは自宅で教えている
B娘 ゲームイラストレーター 自宅にいることが多い
化学物質過敏症は、平成21年厚労省により病名登録がなされたが、現在に至るまで病気の解明はなされていない。国内70万人いるとされている
最後のシーンでは、化学物質過敏症の深刻な状態であった原告側のA娘が、被告側のB家内で食事をしている。共同生活を送っている様子。
おおらく裁判は事実無根であったことを双方が理解し合った結果であろう。
B夫は不遇なA娘を、同居生活することを提案したのでしょう。
A娘の表情は穏やかで、食欲も旺盛であることから、
環境の変化によって、化学物質過敏症の症状は軽減したのではないか。
舞台挨拶2回目。大阪府堺市所在の女性医師が登場。
化学物質過敏症の経験があり、現在は化学物質過敏症の専門医というお方。
話はどんどん出てきて興味深い。まさに大阪の「オバハン」という感じで親しみやすい。
映画館は幕を閉じたが、観客席からとある女性が立ち上がり、舞台にいる女性医師のもとへ。
おそらく彼女は、この医師によって、化学物質過敏症を克服した方なんだろう、と感じた。
横浜・副流煙裁判の被告側のプロパガンダ映画
映画中の原告側が喫煙していたという「衝撃の事実」を挿入(実際の裁判にはない)。
実際の被告一家の子であるこの映画の監督は、この映画を作ることによって、親の敵を討ったということか。
テーマは重めに感じつつも、画角や画のテイスト、音楽がまーおしゃれで...
テーマは重めに感じつつも、画角や画のテイスト、音楽がまーおしゃれで非常にオリジナリティを感じる作品だった。
実はお父さんがベビースモーカーだったというところと、加害者だった家族が実は被害者という見せ方がもう少し工夫があると、もっと楽しめたのかなとは正直思った。
思い込みか洗脳か
横浜副流煙裁判に至る出来事を、主に被害を訴えた側の家族=江井家の夫視点でみせていく話。
煙草の煙のせいで体調を崩して苦しむ娘を守る為、団地の同棟に住む唯一の喫煙者がいる備井家と対話するところから始まり、出来事を書き記して行く主人公だけど…娘も嫁も含め、思い込みが激しいし、情報に踊らされ易い人たちなんですかね。
そのリアクションはチャーチルスタイルのマティーニみたいなもので最早コメディですねw
実際に提訴された家庭=備井家の息子が監督、脚本とのことで、江井家の中のことはフィクションも多いのだろうし、内容ににしても結構気を遣っている感じではあるけれど。
自分はこの裁判と結論は知っていてたのだけれど、知らないで観たらかなり印象は違うのだろうね。あ、あとファシストの人も。
特に裁判で争うところをみせる訳でもないし、結果を先に示して、フリはあったけれどその理由は後でまとめて独り言で語らせるし、反訴のことも触れないし、上げて落としてもないから、映画としてはもの足りなかった。
もっとふざけちゃえば良いのに。
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