劇場公開日 2023年4月28日

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「エンタメとしての及第点はあるが、絶賛されてるほどは楽しめなかった。」ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー a7aさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0エンタメとしての及第点はあるが、絶賛されてるほどは楽しめなかった。

2023年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

初代スーマリを小学生の時にファミコンでやってたオッサンが見てきました。評論家が低評価で、見た人の評価が爆上がりとのことでかなり期待してしまった。自分の中でハードル上げ過ぎたのは失敗だったかもしれない。評論家の言う事も一理あるなと思った映画でした。(ポリコレがどうとかは賛成しかねるが、単純な子供向け映画ってのはその通りか。)

プロットは単純でストーリーのひねりもない。子どもは楽しいだろうが大人が本気で楽しんで鑑賞するにはちょっとキツいかなと。

しかし、映画として・エンタメとして破綻しているわけではなく、話は明快でキャラも立ってたので、子ども向けとしては100点かもしれない。特にキャラは良かったかと。一途で恐ろしい(かわいい)クッパ、おてんば快活ピーチ、頼れるドンキーコング、結構クズなキノピオ(集団)と脇役達がかなりいい味出しててマリオ兄弟を食いかねない勢いで活躍してた。これは素晴らしかった。ストーリーの単純さをキャラの豊富さで乗り切るのはアンパンマンに近いなという印象。なので映画評として3点は付けられる。

不満点、物足りない点はやはりストーリの単純さ、もしくはキャラの設定を活躍に生かし切れていない点。ストーリが単純であるなら、キャラの活躍の仕方の個性を強調してほしかった。例えばゲームではルイージはマリオよりジャンプ力がある(滑りやすい)という設定があるのだが、ジャンプを生かした活躍をさせるとか、レースシーンでちょこまか動くキノピオが強い(ノコノコとライバルになる)とか、ピーチの滞空時間の長いふわふわジャンプを生かしたりとかの活躍があれば、飽きずに見れたと思う。みんな活躍のさせ方が同じなので最後の方は飽きてしまった。折角レッキングクルーのスパイク(ブラッキー)を出演させているのにレッキングクルーのゲームにちなんだ何か(ハンマー持たせて解体現場で壁崩し合戦するとか)があればよかったんだけどそこまで望むのは望み過ぎか。ただストーリ―が単純なだけに飽きさせない工夫がもう少し欲しかったところ。その点、コング王国場面は色々あって良かった。飽きずに見れた。コング王国からキノコ王国への裏街道がレインボーロードになってるのは凄く良い設定だと思ったけど、隠し回廊なので、何もない所にコング王が「こんなこともあろうかと」「実は用意しておったんじゃよ」的説明があった後、「ぽちっとな」と仕掛けを作動させて何もない空中にレインボーロードが出現するみたいな演出があればもうちょっとストーリーを盛り上げることできたんじゃないかなぁと思うのですよ。
素人が妄想であーだこーだ言えてしまうところ、やはり物足りなかったのかなと思う。

逆に最新のゲームの設定を生かした活躍をしてたのかもしれないとしたらそれに気が付かなかった自分が悪いが、映画の後半に飽きが来たのは事実だし加点要素にはならない。そうなると単純に「この映画と自分は合わなかったな」となってしまう。

しかしながら、お子様もたくさんいる中での映画館鑑賞であったが、開始前は少しザワザワしていた館内がマリオが始まってからは終わるまで、ほぼシーンとしていた。お子様は集中して楽しめていたようなのでそれは良かったと思う。

(追記)他のレヴューなどを見て考えがまとまってきたので追記します。
今作のマリオが絶賛されているのは「完璧な世界観の作り込み」のおかげかなと思う。マリオの世界観は120%良くできていた。それは間違いない。ファンムービーとして最高の出来だった。そうなってくるとその世界の中をキャラが動いているだけで大満足なのでストーリーとか不要ですね。ただし「映画」として見た時は「名作ではないなぁ」といったところでしょうか。ただしファンが世界中に億単位で存在するので世界各国で大ヒットはするしファンとしては満足できる内容なのかなと。
自分は「映画」を期待して見に行ってしまったのであまり楽しめなかった。残念。

a7a