「男性こそ観るべき」SHE SAID シー・セッド その名を暴け ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
男性こそ観るべき
いきなり来た、今年ベスト入り間違いなし!
ご存知「MeToo」運動のきっかけとなったハーヴェイ・ワインステイン事件報道の舞台裏を描くこの作品。
正直「女性に対する性加害の問題」は女性の問題、となんとなく考えていたところがあったけど、この映画は冒頭からその認識違いを思い知らせてくれた。
冒頭数分、あれほど幸せな映画との出会いをはたし未来に対する希望に満ちた少女をあんな表情にしてしまう、それだけでいかに罪深いことを奴がやっていたのかがよく分かる。
それは「性加害」や「性犯罪」というにとどまらず被害者の人生を破壊する行為なのだと、そしてなにより「性加害」は女性の問題なのではなく徹頭徹尾男性側の問題なのであって女性はただ巻き込まれているだけなのだと、知らしめてくれる。そういう力強い映画だった。
キャリー・マリガンとゾーイ・カザンは、そうした信念を持ち母でもある、魅力的な記者たちをリアリティたっぷりに演じているし、周辺の人々も魅力的。
女性たちに性的な眼差ししか持てず、ある種の病的な性向を示す「奴」なんぞ地獄に落ちろ、としか思わないが、奴らを庇護し育んできたこの社会こそが問題なのだと、そしてそんな社会の男性のなかにもちゃんとした人間はいるのだと教えてくれた。
ホントにさ、自分の子供がこんな目に遭ったらどうしてくれよう、と考えちゃうのだけど奴がいつも「妻と子供に誓って」そんなことしない、といってたと聞いて最も残酷な刑罰は何か、と考えている…
特に男性こそ、観た方が良いよ…
冒頭の素晴らしい撮影シーンで撮られていたのは「白馬の伝説」という作品らしい。
アイルランドが舞台の映画のようで、ブレンダン・グリーソンも出ているよう。
記録用までに。