劇場公開日 2022年11月18日

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「におい感覚抜群の少女が…」ファイブ・デビルズ たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0におい感覚抜群の少女が…

2022年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

オンライン試写会にて鑑賞。

今まで観たことないような「不思議だなぁ…」と思いながらも「えっ、そういう展開?」とビックリさせられる映画だが、全編にわたってゾクゾクするような怖さを感じ続ける作品。

娘が「様々な香り」を集めているのを見た母親が娘の「とんでもない嗅覚能力」を知る。その娘ヴィッキーは「母親の香り」もしっかりとコレクションしている不思議な少女。
「こうした香りをテーマにした作品だったら、(だいぶ前に試写会で観た)トリアーの『パフューム ある人殺しの物語』のような展開になっていくのかな?」と思ったら、そんな想像はあっさりと覆されて、タイムリープものへとなっていくSF的側面も見せる映画であった。

そんな嗅覚鋭いヴィッキーの前に叔母(父親の妹)が現れたことから、少女は嗅覚を駆使して叔母に嗅がせる「におい」を作ったり、母と叔母の過去の記憶にタイムリープしたりする。驚きである!

自分が生まれる前の母親と叔母が同性愛関係になっている時に「二人でマルセイユに行こうか?」などという会話を見た少女は、現代に戻って「母親と叔母がマルセイユに行ってたら、自分は生まれなかったかも?」といったことまで考えるイマジネーション力が鋭い。

顔の右半分が火傷している女性が登場するが、ヴィッキーの時間遡及でその真相を知ることになる見事な展開。
この時間軸が現代―過去―現代……といった往復の感覚は、やみつきになりそうである。

もし、再び観る機会があれば、時間軸をしっかりと踏まえながら観てみたいと思う映画であった。

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たいちぃ