「越えてはいけない祠の先。」山女 はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
越えてはいけない祠の先。
めっちゃ面白かった。いや、正確には面白い要素なんて全くないんですけど、なんだかずっとドキドキしてた。物語の舞台は18世紀末の東北。2年もの間大飢饉に苦しむ小さな村。終始どんよりした空気がスクリーンを支配している。
先代の罪を背負い差別されて生きる父子。稲は枯れ食べるものもない。今日生きるのに必死の村人たち。そんな環境にあっても人を見下すことを止めない人間の性。その醜さ、その狂気が嫌ってほど感じられて叫びだしたい気分でした。
山田杏奈がまさに凛とした新たな表情を見せてくれます。周りの俳優陣もとても豪華です。
ラストはなるほどね、って終わり方でゾクッとした。きっとこのまま滅び行く村を背にして、歩いて行く道のその先に何があるのか、あるいは誰かが待っているのか。答えはない。
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