「タイムスリップ・ミスミソウ」山女 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
タイムスリップ・ミスミソウ
・・・。
辛くて、苦しくて、胸が張り裂け、泣いてしまった。何がいけないんだ。どうしてダメなんだ。ただ、必死に生きているだけなのに。その場に立たされて、ようやく現実を受け止め、躊躇うのは何でだ。今を生きる全ての人に大切な、この時代に必要な映画でした。
山田杏奈の表現力には、毎度驚かされる。
もはや、怖いくらいに上手い。リアリティがあるどころの騒ぎじゃないから、胸の奥底までエグられる。なんでこんなに綺麗な子がそんな目に合わないといけないのか。そんな思いで心苦しくなる。時には若きギターリスト、時には嫉妬心に溢れた女子高生、時には村で差別される孤独な女性。どんな役者遍歴だよ。スゴすぎるぜ。
英語表記があるように、本作は日本よりも外国受けしそう。と思ったら、米国と共同制作なのね。日本にしか描けないテーマを世界に。昨年の「破戒」と同じ差別を扱っているが、本作はもっと暗い。あの作品には劣るとも、ものすごいものを見たという感覚は似ている。人間ってのは、本当に愚かである。
ドキュメンタリーのように、リアルな接写が多いため、かなり暗くて見ずらい。故に眠たくなってしまい、映画館で見るには地味すぎた。だけど、森山未來の山男とのコントラストは素晴らしい。ようやく人間としての喜びを感じた山田杏奈の姿も、さらに美しい。撮影は日本人では無いらしく、少しばかり相性が悪いように思えた。これだと暗くて辛い映画で片付けられちゃうな。
まるでミスミソウ。ここからがミスミソウ。
あの作品が大好きな私にとっては、結構ハマりました。ここからが見たい!って感じはするけど、山田杏奈の恐怖を覚えそうになるほどの演技力に圧倒されました。
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