劇場公開日 2023年11月10日

正欲のレビュー・感想・評価

全291件中、1~20件目を表示

4.0そのひと、ひとりじゃなかったらいいね

2024年6月25日
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結局のところ、人は誰にも明かすことのできない嗜好があるのだと思う。そしてそれは説明できない類のものであることが多い。
わかってほしいのだけど、わかったふりはしてほしくない。ひっそりと自分の嗜好とともに世界の片隅で、息を潜めて行きて行くことが自分が傷つかずに済む方法だとわかってはいるのだが、「共感」「理解」の幻影に騙されて淋しさに押しつぶされそうになる。
自分だけが違うと思って生きている人も世間一般の常識で生きていると思っている人にもそんなに差はないと思う。「生きる」ことをどの角度から見ているかが違うだけ。でも手に持ってる「信頼」とか「愛情」とかってプラスのアイテムをいくつ持ってて、それがハイスペックなものかどうかで「生きる」ことは受け入れやすくもなるし、受け入れがたくもなる。生きにくさこそが普遍的なものかもしれない。
多様性を語ると実は答えはシンプルなものになるのではないだろうか。
生きていくうえでの苦しみや辛さはひとりで抱え込めないからオーバーフローしちゃう。
もし奇跡的に「同志」が見つかったときは、いなくならないでほしい。お互いに。
普通に生きていく事がほんとはレアなのだから。
集中力のある構成で、佳作だ。これは日本でしか作れないタイプの作品。

八重子役をされてた東野絢香がいいと思った。「貞子」感溢れる動きや仕草、眼差しが印象的。

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イズボペ

4.5今作られるべき映画

2023年11月30日
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鑑賞方法:映画館

発売当時に原作小説を読んで凄い作品だと思っていたが、まさか映画化されるとは思わなかった。この性的欲望に映像でいかに説得力を持たせるのか、この作品が描くものはシンプルなエロスではない。あまりにもレアで多くの他社に理解されないがゆえの苦悩を描く作品だが、まさに多くの観客にとって普通に提示されても理解が難しい題材だ。
現代社会のキーワードに「ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)」がある。ポリティカルとコレクトネスと2つの単語が構成されているこの言葉は、「ポリコレ」と省略されて使われることが多いが、2つの単語から成るものだと意識した方がいい。
コレクトネスという観点で本作を観ると、本作で描かれた人々を犯罪者扱いするのは「正しくない」はずである。しかし、ポリティカル(=政治)な議席の数には限りがある。全員がその椅子に座れるわけではない。政治を社会をスムーズに営むための統治で多数決を原則とするなら、多くの人が理解できない性癖の持ち主は排除されるべきとなりかねない。この作品に描かれたものは、ポリティカルとコレクトネスに引き裂かれており、この単語の矛盾を的確に指摘している。
多様な人間が暮らす現代社会は、多数決の原則で動かざるを得ない政治的な正しさだけでは包摂しきれない。だから、マイノリティは政治運動を展開し、政治的なパワーを得ようと努力してきたわけだが、現実問題として、どんな属性でも政治的なパワーを持つことが可能かというと、そんなことはないかもしれない。皆が平等になるのが正しいが、政治の椅子の数は決まっている。今作られるべき映画だったと思う。

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杉本穂高

4.0透明感のある生々しさ。現代社会を捉えたひとつの写し鏡として。

2023年11月26日
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不思議な、得体の知れない手触りを感じさせる作品だ。透明感のある生々しさは「水」のイメージからくるものだろうが、水と言っても、澄み切ったものから濁りきったもの、澄んでいるけれど危険なもの、さらには性的なものまで実に様々だ。おそらく我々はこの「かっこ」的な部分に自分なりの様々な要素を当てはめて捉えることができる。「自分を理解してくれる人なんて誰もいない」という孤独感や、同じ嗜好性を持った誰かと奇跡的に出会うことの喜び(およびその反作用)は何も今に始まったことではないが、しかし本作はあえてギリギリの淵に立った者たちの繋がりに焦点を当てる。その上で、共に気づきや安らぎを重ね、いつしかふと相手を愛おしいと感じたり、守りたいと感じたり、つまりは知らぬ間に壁が融解し、「私」が「私たち」となっていく過程に寄り添おうとする。新垣の徐々に変わりゆく表情に心奪われる。それは対極的な軸を担う稲垣においても同様だ。

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牛津厚信

4.0欲望や嗜好に“正しさ”はあるのか

2023年11月21日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

高校を舞台にした「桐島、部活やめるってよ」、就活生たちの関係を描いた「何者」といった具合に、映画化された朝井リョウの代表的な小説を並べてみると、作家としての成長に並走するかのように登場人物らの年齢層が上がり、描写される内面もまたより深くより複雑になっている。さらにこの「正欲」では、小学生の息子を育てる夫婦、かつて中学の同級生で15年後に再会した30がらみの男女、大学生らといった具合に平均年齢が一層上がり、マイナーな性的嗜好、価値観の相違、対人関係の悩みといったテーマが交錯する群像劇となっている。

水をめぐる性的興奮と快感を鮮烈に描くシーンがいくつかある。たとえば、ベッドに横たわる夏月(新垣結衣)が水に浸されていく心象風景(映倫区分がGで大丈夫か、親が未成年の子と観たら気まずそう、などと余計な心配をしてしまった)。交通事故に性的快感を覚える人々を描いたデヴィッド・クローネンバーグ監督作「クラッシュ」や、ヘイリー・ベネットが異食症の女性を演じた「Swallow スワロウ」のように、特殊な嗜好を観客に想像させる一面はあるものの、より強い印象を残すのは、ある事件の事情聴取を行う検事・寺井(稲垣吾郎)と夏月との“かみ合わなさ”だ。自分に理解できない嗜好を否定し常識で物事を決めつけようとする寺井を反面教師に、さまざまなレベルでの多様性を受け入れるには想像力と柔軟性が必要だと映画は示唆する。他人に迷惑をかけたり法を犯したりしないことが大前提とはいえ、欲望や嗜好に正解も間違いもないのだ。

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高森郁哉

3.0ガッキーの卵巻き食べたい

2025年10月20日
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鑑賞方法:VOD

陰キャ共感率98%。
陽キャの人は見ないでください。

映画として面白いか?は別として鑑賞後に、もの凄い語れる作品ではあると思う。多分、僕も2時間ぐらいは語れる。(それが映画として面白いと言うのかもしれないけど)

老害と言われる様な固定観念で苦しむ生きづらさはもちろんあるが、ただあまりにも多様性の受け皿を広くしすぎてもそれはそれでおかしくなる。何処かで線引きは必要。

正直な話、水しぶきで欲情しようがしまいが、人に害を与えなければどうでもいい。
それは警察側も思っているよ。でもそのフェチが行き過ぎて性犯罪を犯す輩がいる。

水しぶきで興奮しはる人と水に濡れた小児で興奮して性犯罪を犯す人の境界線をきっちり引ければいいけど、それって不可能に近い。だから社会はそこを大きく一括りで同じ「あり得ない」にしてしまうのではないだろうか!?

世間で言う「普通」ということについて考えさせられた。

個人的に衝撃的だったのは警察役の稲垣吾郎が劇中、多分、妻にも子供にも間違ったこと一言も言ってない様な気する。でも現代ではその一言一言が悪者扱いされるんだよね。

生きづらい世の中になったなぁ〜

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サモハン金棒

3.5色々な人の人生を交差させるという手法はよく用いられる。 無理やり交...

2025年10月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

色々な人の人生を交差させるという手法はよく用いられる。
無理やり交差させている感じがしないでもないが、尺を埋めるには手っ取り早い方法なのかもしれない。
どんよりとした表情だった新垣結衣が磯村勇斗と「結婚」して生き生きした感じになったのは印象的。
磯村の「プロポーズ」の言葉、「この世界で生きていくために、手を組みませんか?」とは斬新。

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省二

1.0素朴なガッキー

2025年10月5日
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鑑賞方法:VOD

全然面白くない。
朝井リョウさん原作だから期待した。
本読もうとおもったけど先に映画から見ようと思って見てしまった。失敗だ。私には難しいようだ、、、

理解出来る人間になりたいな。でもわからない人もいる。それが多様性です。やかましい大賞優勝🏆

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ニア・ロベッカ・クロニクル

5.0息苦しさ

2025年9月8日
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鑑賞方法:VOD

多くの人が息苦しさを感じて生きている。そんな人が周りにいるかもしれないと思うだけでもこの映画の意味があると思う。みんな生きている。

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まさ

3.0刺さらなかった

2025年6月14日
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鑑賞方法:VOD

死んだ目をしたガッキーとステレオタイプの稲垣吾郎

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ゆうき

4.5性欲に正しいはあるのか。それを決めつける権利を持っている者は居るのか。

2025年6月11日
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これまで多様性という言葉は沢山聞いてきたが、多様性とはどうゆうことか。この映画を観るまで自分の中での答えが定まっていなかった。今はマジョリティが全ての様な世界に自分は感じるが、それで息苦しくなっている人も居るはずだ。この映画はそのような「マジョリティ」から自分の身を守る「マイノリティ」の人間を描写した映画だと思う。性的嗜好は人それぞれなのに、そこに生じる多数派と少数派の意見の食い違いで苦しくなる主人公。その方の葛藤は壮大のようにも感じる。見方も増えれば、敵も増えるような比例の環境下で葛藤する彼らの姿を見て欲しい。僕のように、そこに多様性の自分の中の答えがあるかもしれない。

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ちゃんごら

4.0かすかな灯り

2025年4月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

大きな抑揚もなく、淡々と進んでいく印象を受けた。
「普通」「常識」の考えにがんじがらめに囚われている人と、「生きづらさ」を抱えている人たちのコントラストがリアル。
ガッキーも顔が違ってみえるほど役になじんでいて、表情、特に目の演技に説得力があった。
特に素晴らしかったのは八重子役の方。気になる存在になった。

ラストのガッキーのセリフがこれまた素晴らしい。
「待ってる」とか「信じてる」ではない、言われたらとても心に残る温かい言葉。
全体的に薄暗く静かな映画で、生きづらさを感じてる方々の心模様を表しているかのようだったが、その言葉でかすかだが消えない灯りがともったようだった。

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みゅう

3.0感想を言ったら私の中でそれは嘘になる

2025年4月14日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

斬新

封切り日に観に行きました。

これは、映画の感想を言っちゃいけない映画だな、と思います。
言ったら、私の中でそれは嘘になる。

新垣結衣さん、本当に良い役者になったと思います。
磯村勇斗さん、天才です。
稲垣吾郎さんは。。。

観に行って良かったです。

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ねこたま

1.0タイプじゃない映画。

2025年3月29日
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タイプじゃない映画。

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映画.jp

4.0小説から

2025年3月2日
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要素の多い原作だけに切り取り方で色々な中身になると思いますがマイノリティの辛さの表現が初見でわかるのだろうかと言う気はしてしまいました。
前半のガッキーが可愛くないのはわざとかな?

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takantino

3.5ガッキー

2025年1月30日
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鑑賞方法:VOD

原作は読んでいないが、出ているキャスト、全員良かった。
特に新垣由衣は天真爛漫なイメージが強いが、こんなに影がある役も上手に演じててびっくりした。
星野源がうらやましい。

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hanataro2

3.5立ち上がりが遅い

2025年1月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

観念的な映像が鼻につくばかりで、立ち上がりが遅い。
こういうテーマならもっと写実的な演出がいいように思えた。
演者は実力派ぞろいで見応えがあったが、ラストに検事が受け取った心象を
もう少しわかりやすくしてくれた方がありがたかった。

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ドラゴンミズホ

3.5生きづらさを感じている人たちの眼が…

2024年12月13日
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知的

生きづらさを感じながら、それでも生きている人たちが
確かにいるということ。そんな人たちを表面的な捉え方でしか見ることができず、阻害してしまう世間。新垣さん、磯村さん、稲垣さんらが扮する登場人物の眼の表情から、原作小説に劣らないくらいのインパクトを受けました。

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saitall

3.0出てる人が豪華

2024年12月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

家でテレビを付けたらちょうど始まってて、好きな俳優さん達だったので最後まで見れたかなと言う感じです。考えさせられます。

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ぶるぶる

1.5エンディング曲が

2024年12月1日
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鑑賞方法:VOD

難しい

好きで視聴 原作は未読 本編は始終暗め 息苦しかった 停滞した流れのない水に浮かぶ セリフはぼそぼそ 表情も虚ろ 水のシーンは「渇水」を思い出した 解き放たれる自由 夏月の地方女子の実家に縛られる鬱憤の一因は低収入によるのか?やはりお金はチャンスになる 最後は「普通」の「報復」のようだったけれど 色々未消化な感じが残った 八重子ちゃん がんばったね 溢れる鬱憤やエネルギーを「死」の方ではなく「生」へ向かって発散したい 「正しい」方法で

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Sophia