劇場公開日 2023年9月1日

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福田村事件のレビュー・感想・評価

全272件中、41~60件目を表示

4.0「世界に対し自分達の知は常に不足している」

2023年11月27日
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常に無知である事、視野が狭い事を意識して、同時に夢や理想を心に描き更新して生きようと思いました。 今の時代であれば、情報戦によって敵国等他国や他集団に、日本人の「大勢に呑まれ流され易い」そういう部分を巧みに突かれ、知らぬ間に混乱させられて一見真っ当に見えても彼らの思う壺になって行くのではと考える人も多いと思います。

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shima_shima_88

4.0太鼓の音が

2023年11月26日
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前半は何だかさらりと過ぎてしまった感が。
性描写(というほどではないけど)は必要なかったとか、感想にあったけど、必要でしょ。
それよか後半に向けて、もっと「人間の欲」みたいなものをえげつなく表現されていることを期待していました。

いきなり群集心理がはたらくわけでなく
じわじわとねじまがったものが積み上げられ、
そして「自分もいかないと村八分になる」と
タガが外れる。
蔑むための存在を勝手に作りあげ、
無知がゆえの想像力のなさ。
竹やりを別の物に替え、
現代の私たちもその渦の中にいるのでは。

東出さんがいい味出してましたね。
群れない人は、集団ヒステリーに飲み込まれないのかも。

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おんこ

5.0今のところ今年No. 1。観てよかった

2023年11月25日
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鑑賞方法:映画館

あまり前情報を入れずに、ふらりと映画館へ観に行ってしまいましたが、途中辛くなって目を逸らしたくなるシーンも多数、でも、目を離してはいけないと思わせる凄みのある作品でした。
監督の思いに呼応する役者たちの意気込みをひしひしと感じました。

瑛太はちょっと映画に出すぎと思ってやや飽きもありましたが、彼の演技はとても良かった。

これは観るしかない、としか言えないタイプの映画ですが、周囲でもよく話題になっています。
今のところ、私の中では今年No. 1の映画。

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Carryko Emi

5.0野田と言う地域に想いを馳せて・・・。

2023年11月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

念願の作品、とうとうの鑑賞である。しかも現場となった野田と言う地域で。

陰惨で重苦しいイメージの映画と言う先入観があったが、一言で言うと極めて骨格のしっかりした見事な作品と言う印象。さらにその延長上の印象で言うと熟練した俳優たちと行届いた演出の元で展開する良質な舞台演劇を見ているようであった。

それでいて室外の撮影は、ほぼフルロケであり、見事な自然の中で今起こってるかのような鮮烈な風景描写の中、忌まわしく矮小な日本人の情けなさ、絶望的なまでの個の喪失した文化の中にある事を今更ながら思い知らされるよう計算し尽くされた映画であった。

俳優の皆さんの演技が本当に素晴らしい。実はこれほど著名な俳優陣が出演しているとは見るまで知らなかった。その著名な俳優陣の演技みならずホント全ての出演者の演技が素晴らしい。

そしてこれはたまたま事件について調べていたらYouTubeでヒットした伝説のフォークシンガー中川五郎のおよそ30分に渡る作品として謳い上げてるVがあるのだが、実はこれこそがこの映画作品の元となったと聞いて興味深かった。聞いてみたところ、これがまた凄い。

当時日本と言う村から弾かれていた民たちにどう言った人がいたのか・・ウクライナやイスラエルの今の現状と併せて日本人としての自分を見つめ直す良い切っ掛けとなる作品であった。個人的にはピエール瀧の復活が嬉しかった。

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mark108hello

3.5幽霊なんかよりも、よっぽど怖い

2023年11月23日
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オウム真理教のAや佐村河内守のフェイクなど、ドキュメンタリー作家である森達也監督初の劇映画。

関東大震災後の流言飛語などで、朝鮮人や社会主義者が殺されたのは歴史の授業で習ったと思う。(映画の最後に6千人殺害されたと説明があった)
しかし、現在は千葉県野田市となっている福田村で、四国からの行商人9人が、聞いたことのない方言などを理由に日本人ではないとされ、村人に虐殺された事件があったことは、この映画で初めて知った。

当日も結構客が入っていたけれど、重い内容の映画にも関わらず、予想以上にヒットしているようです。
現在も何かあると、SNSでデマを流す奴がいるけれど、根底にある差別意識と群集心理は恐ろしい。心霊スポットや幽霊なんか全然大した事ないよ。

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矢吹 貴

4.0人類の進歩とは。

2023年11月18日
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鑑賞方法:映画館

福田村事件。こんな事件のことは全く知らなかった。1923年、今からちょうど100年前の史実。10年前でもかなり昔に感じるものだが、100年前はこんな暮らしだったのかという描写、フィクションと分かっていても衝撃を受ける。あんな暮らしできないよ。

当時熱狂する者もあった共産主義・社会主義の実験は失敗に終わり、資本主義を基盤とした社会に生きるのが我々現代人なのだが、この先どうなっていくのだろうか。

朝鮮や中国ばかりではなく、他国の者を揶揄する、誹謗中傷する言葉が飛び交う昨今。しかし、今に始まった訳ではなく、人間というのは余所者を排除することで自らのテリトリーを広げ守ってきた訳で、本能にただ従っていると異端を排斥する方向に流れるものなのだろう。それは、欧州の移民希望者に苦慮する現状をみても明らかだ。理想と現実は異なる。
だからといってその状況を追認・黙認していることがイイとは思わない。ただ「見てるだけ」ではいけない。やはり、人間が後天的に獲得する理性で感情や衝動をコントロールする術を、一人一人が磨いていかないとなのだろう。できない人が少なくないという問題はあるのだが。

玉石混淆の情報に振り回されること、重大な事象にパニックとなること。人間はなかなか成長しないなと思う。その成長しないという事実を知り少しでも成長しようと努めるのが、今を生きる人間のあるべき姿だと思うんだけどな。自分自身はできているだろうか。そして、これから先の人類はどうか。

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Nori

5.0朝鮮人なら殺して良いのか

2023年11月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

僅か100年前大規模災害と共に起きたデマによる風評被害の物語。100年前は新聞や国家までもがデマに踊らされ、真実が揉み消される。

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Bookcorner

5.0朝鮮人なら殺してもええんか

2023年11月11日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

福田村は現在の千葉県野田市の一部分

「朝鮮人なら殺してもええんか」と断末魔の叫び(沼部新助・讃岐から来た薬売り行商の支配人)
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関東大震災(1923年・大正12年)があった時、メディアは「新聞」だけでした。AMラジオは同震災の教訓として始まる。
こうした環境では何が正しいのか、分からない状況となっていたのです。
さらに、9月3日に当時の内務省がデマを打電。当時の日本政府が「デマ」を煽ってしまったのです。
打電内容は書籍「福田村事件」49ページ目に記載があります
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讃岐から来た薬売り行商15名が福田村に投宿していたが、朝鮮人との疑いをかけられ、福田村や田中村の自警団によって虐殺。
6歳、4歳、2歳の幼児、妊婦も含まれていた。

タブーに向き合った
関東大震災で、朝鮮人大虐殺は、あったということ。福田村事件では、結果的に日本人を殺害してしまったという皮肉
被差別部落について 薬売り行商人は香川県の被差別部落出身
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千葉日日新聞の女性記者 恩田楓は原作にはない設定ですが、存在感あると感じています。
以下、恩田楓を中心にコメントします

夜、楓は和服を着ている朝鮮飴売りの少女と出会う。「いっしょに歩いてください」「オネガイ」と必死な姿。歩いていると自警団に見つかってしまう。
逃げるのだが足を引っかけられて少女は捕まってしまう。観念し「キム・ソンリョ」と本名を言った途端に自警団の竹槍が突き刺さる。返り血を楓は浴びる。
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翌朝、千葉日日新聞事務所で上司の砂田に「私の目の前で朝鮮人の女の子が自警団に殺されました、書かせてください」と述べるが
砂田は「朝鮮人が放火したり、爆弾を所持していると、内務省からの通達があった」と返す
「記者が目撃した事実より、内務省の電文を信じるのですか。それを紙面に載せるんですか。その結果、なにがおきてるか、部長は責任を取れるんですか。」楓は述べる
砂田は「俺は書かないで起きることのほうが怖い」と返す
楓は「わからないなら書くべきじゃない」
「私たち新聞は何のために存在しているのですか。読者を喜ばせるためですか。権力のいうことはすべて正しいのですか」

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大岸弦

4.0普通の人々が犯す大惨事

2023年11月9日
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きわめて普通の人達が、ひとたびパニックになると、不安と恐怖に駆られ、このような大惨事を犯すのは、今も変わりがないのではないか。
被差別部落からの行商団だったことが悲惨な事実が語られなかった一因になったと思うし、頭の「朝鮮人だったら良いのか」の台詞は重い。
事実とは異なる報道や大本営の通達を行った人々、どさくさに紛れて社会主義者を処刑した警察、デマを信じ煽動された民衆の暗い歴史を私達はもっと知るべき。
メディアの矜持が薄れ、フェイクニュースが増えている今、容易ではないが、情報の真偽を問い、自らの頭で思考する重要性を感じる。妄信や決めつけ、格差や不条理による不安や不満、己れも気がついていない深層心理は怖い。
森達也氏の独自の視点と問題提起力のファン。

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父ゆずり

3.0ドキュメンタリーの方がいいかも

2023年11月8日
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鑑賞方法:映画館

登場人物の描き方が浅いが、俳優で保ってると思う。行商人の親方が、何に気を使っているか、何を重視しているか、守りたいものは何か、そういうのがわかると、彼に同情できるのに。どうも不完全燃焼だった。噂を信じちゃいけないよ、と山本リンダも言ってるので、災害や事件があっても、流されることのないようにしたい。

お芝居ではなく、ドキュメンタリーで観たかったな。

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ぷにゃぷにゃ

3.5差異を受容する

2023年11月4日
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福田村事件のことは無知で観賞。ただただ衝撃でした。戦争や震災の非常時に流布されるデマ情報から、やがて村人は罪のない人を殺めてしまいます。テロに等しい行為。

そこにあるのは同調圧力。100年経っても形は違えど、今もそこはかとなく「その傾向」は残っている気がします。
今ならSNSの誹謗中傷も「その傾向」に含まれる気もさします。
だから、彼らを殺すのを止めようとした民意がわずかでもあったことはこの映画の救いでした。
対話を通じて、相手との差異を受け入れる。人それぞれ前提が違うことを理解し、それを受容していく必要があるとこの映画を観て、感じました。
若い人に是非観てもらいたい作品です。

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ねじまき鳥

4.5愚行録‼️

2023年11月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

日本という国と日本人が犯した福田村事件という愚行‼️その愚行を晴天に晒したという点で、この作品の映画史における存在価値は高いと思います‼️演出良し、俳優陣の演技良し、ただ内容が内容だけに映像面にもうちょっとこだわりが欲しかった‼️陰影をつけるとか、市川崑監督が得意とした銀残しを使うとか‼️それは欲張りですかね⁉️それぐらい映画自体の完成度は高いと思います‼️

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活動写真愛好家

4.5自分は流されずに戦えるか

2023年11月2日
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その場のノリで動いてしまう
日本人の単純さと愚かさを
ここまで明確に切り取った作品は
あまり見たことが無かった…

ここんとこコケージャンと
アメリカを批判する映画ばかり見てきたので
いきなり日本人の醜悪さを
真正面から見せつけられて
正直観ていて心が震えます

とはいえ
儒教と尊皇思想をくっつけた薩長の後ろに
誰がいたのか
メディアでヘイトを貯める方法を教示したのは誰か…

多分全く同じことがウクライナとガザ
ナゴルノ=カラバフで起きていて

多様化という名の対立を煽ってる正体に
しかと目を向ける時期が来てると思いますね

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きーろ

4.0過去でも他人事でもない

2023年11月2日
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「朝鮮人なら殺してもいいのか」

答えは1つ

誤った情報に追い立てられ
冷静な判断を欠き
集団心理に呑まれる姿は
人の残虐性はすぐ隣にあること
理性を失う状況においては
自分もそうなり得る可能性が
あることを教える

罪なき人々
特に何も知らないこどもたちまでもが
あっけなく
さっきまでの善人により
命を落とす殺戮の衝撃
それが
この国の史実だということ

そして
恐ろしい火種は消えず
いまも世界中のどこかで
繰り返される差別や争い

発展を遂げてきた人間社会の
暗部の哀しみの歴史として
過ぎ去ったことではなく
他人事でもないのだ

あの絶叫の答えは
変わらずひとつなのだろうが
現実はひとつではない

重い内容だが
今までもこれからも
私たちは集団で生きる人間なのだ
ましてや
情報手段が進化し続ける社会においては
負の威力も計り知れない

私達は武器さえなく殺め、
殺められてしまうかも知れない

これは目を背けてはいられない物語だ

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hum

4.0共同体の維持に必要なのは、絶えず他者を異化し続ける「良心」

2023年11月1日
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興奮

知的

ようやく見た。
9月1日前後にマスコミでは盛んに宣伝していたが、それから1ヶ月半余りがすぎてしまった。その当時のような、この映画をめぐっての喧騒さはない。
一つひとつ起こった出来事をすぐさま忘れてしまうこの国にあっては、関東大震災やその際に生じた悪夢さえも100年記念として過ぎ去ってしまう。

それは、私たちの誰もが、狂気に満ちて殺戮の道具を手にした村人と同じだからだ。さまざまな肩書きを、必要のないまでの肩書きを手にし、いたずらに借り物の名を名乗りながら、その出来事を単なる通過儀礼のようにように振る舞う彼らと同じだからだ。

通過の儀式。たしかに、それは通過の儀式だった。そのあまりにも小さな無知の共同体の一人ひとりにとって、その共同体を維持する儀式だった。それゆえ、すでに過酷なまでに虐げられてきたその旅人たちは、何の躊躇いもなく、彼らの贖罪山羊になったのだった。

手を下したものは、人定の法によって裁かれようとも、おそらくはその共同体を維持しようとする行為は正当化されたのかもしれない。しかし、今ここにある法によって裁かれ刑に服してとしても、裁かれていないものがそこには残っている。

私たちが、この映画を通して出会うのは、まさに裁かれることを拒否し続ける我々の「良心」のあり方だ。

もう一度振り返ってみればわかる。
この映画の誰一人として、その程度の違いはあるにせよ、自分のことを「良心的」であると疑ってやまない人々だ。過去の事実に向き合うことによって苦しむ夫、その村への移住し夫との生活という現状を嘆く妻、被差別部落出身であることにより仕事の保証を得ようとする沼部、性(さが)に忠実であろうとする咲江、従軍経験を正直に吐露する倉蔵、在郷軍人会の長谷川、そして記者の恩田。

この良心だけは誰にも裁けない。だからこそ、それが良心として残ってしまう。そして、それが集団的になればなるほど、徒党を組めば組むほど、良心は狂気と何ら変わらなくなってしまう。疚しい良心とはまさにそのようなものだ。

例えば、澤田の語った次の言葉は、自分の良心を正当化すると同時に、その良心によって他者を、自分の向こう側へと完全に「異化」しようとするものだった。
3월 1일 만세 사건으로 우리나라는 당신들의 나라에 너무 심한 일을 해 버렸다.
그것을 사과하러 왔다
그래서 교회 안으로 들어가길 바란다”

この「教会」は、彼ものたちの共同体であるとともに、此のものたちの共同体を作るものでもあったということだ。ただ、彼が感じた良心こそ、自分を外在化する疚しい良心そのものなのだ。自己憐憫に陥ることは、自分を守る最後の術である。

しかし、この「良心」は共同体の外側であればあるほど、繋がりを欠いていて、分断的だ。登場人物中、アノ共同体に「内化」できなかった者たちが、疚しさがない「良心」を持つものだと見えてしまう。というのも、ソノ共同体を「外在的に」しか受け入れることができなかったからだ。澤田夫婦、咲江や倉蔵がそれにあたる。村長はまさにその境界線に位置している者の姿だ。

しかし、そうだろうか。これは共同体の「外側」に安心すべく良心が存在していることを意味してい他のだろうか。もし、そのような解釈が成り立つとすれば、それは陳腐な良心劇としかこの映画は評価されないだろう。

あの澤田の姿は、良心的であろうとすることを望む私たちの疚しさそのものを見事に映し出してはいないのか。

この映画は、まさにこうして、内側と外側という人間関係の境界線がいとも簡単に崩れやすく脆いものであるのか、そしてその際の徹底して良心的な自己弁護を図ろうとする人間の存在そのものを冷徹に描き出していると言えるだろう。

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critique_0102

5.0現代にも通ずる気色悪さ

2023年11月1日
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思い込みで歯止めのきかなくなった群衆ほど気色悪く、怖いものはない。改めてそう認識させられた。

正直事件が発生するまではやや長いなぁと思ってたけどちゃんと気色悪く事件が描かれていたので(褒めてる)星5。

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S.A

4.0主役いなくても成立するのでは・・・

2023年10月30日
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2023年劇場鑑賞253本目。
関東大震災時の朝鮮人虐殺に巻き込まれた日本人たちの話。

殺される行商人達と、事件の舞台になった福田村と、真実を報道できずに憤る女性記者の3パートが同時進行で描かれていきます。井浦新と田中麗奈がエンドロールで一番目と二番目にクレジットされているのでこの二人が主役ということになるのでしょうが、あるエピソードを井浦新に語らせたいのは分かりますがそこに至るまでの前置きが多すぎて、ここがなければもっとコンパクトに収められたのではないかと思いました。

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ガゾーサ

4.0「あなたはいつもみているだけなの?」

2023年10月28日
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137分、監督は森達也、めんどくさがってたけどしぶしぶ観に行きました。やだー、おもしろいじゃない。長さは感じませんでした。思想を演説してるような映画を想像してたんだけど、違った。ちゃんと映画だ!

何かのインタビューで森監督はエロ要素を入れたくなかったけど強く言えず後悔しているというようなことを言っていた。なに言ってるんだ、エロがなかったら出来事であって、映画にはならないじゃないか。

村人たちに交錯する、情念の発露の結果が惨劇に結びついているのだと思う。そこを丁寧に書いていたのがよかった。それぞれエピソードとして面白かったし。義父に胸押しつけるのは笑った。

女性にいろいろ託しすぎな気はするものの、みんな個性があり、各々の思いがあり、複雑さを想像させるのがとても良かった。田舎=女性=他者って感じ。

善良な人たちが群衆心理で酷いことを…という触れ込みだが、「善良な村人」など一人もいない。ずるかったり、弱かったりする人たちがいる。

人権派の村長が惨劇の目の前でなにもできなかったり、「上がそうしろと言ったからだ」と自らの罪を引き受けない姿こそが本質だと思った。

守ろうと声を上げた人たちが救いだし、きちんとやるべきこと(=声を上げること、みてるだけでいないこと)も提示しているのが誠実だと思った。たとえ無力だったとしても。ちゃんと応えてくれた人もいたし。

有名な俳優たくさん出てるし、もっとキャッチーな宣伝もありだったのでは。左翼映画だとばかり思ってたよ。

それにしてもみんな肌つやがよい。村人に見えるまで時間がかかった。1923年は祖父が3歳。祖父母を思うと、当時の人たちは「近代的自我」みたいなのはあまりなかったんじゃないかな。はっきり意見をいう女性たちにやや違和感はあった。仕方ないけど。新聞記者に夢見すぎかな。サラリーマンだよ。部長に意見なんてしない。

良かったシーン

馬買ってきなっていうたくましさ
土手で妻の不貞をみている男と目が合うところ

新聞記者と社会主義者はなんか浮いてた

水道橋博士よかった。ああいう役はやっぱり背の低い男でなくてはいけない。デカいとああはならないんだな

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hyvaayota26

5.0貧すれば鈍する

2023年10月28日
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東出君が映画でも軟派男やってる点が唯一笑えた。
映画自体は一切笑える要素がない深刻な内容でした。

事情もよく知らない人が何者かに煽動され人を傷つける様子は現代でもSNS上に見ることができます。
福田村の人々を笑うのではなく我々も彼らも本質は変わらないのだという事を心に刻むことがこの映画を見る意義だと私は思いました。

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SO

3.0心に留めるべき事件なのでしょうが…

2023年10月27日
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鑑賞方法:映画館

歴史的事実が題材とはいえ、旧「八つ墓村」みたいだったらどうしようと怯えながら観に行きました。同時にどんなにおぞましい内容でも目を背けずに見るぞ!見て考えるぞ!と覚悟を決めて観に行きました。

そのせいか、なんか、思ったよりもソフトというか、観客のショックを和らげようとする制作側の配慮がかなり感じられて、映画の印象が薄くなったように思えました。

あの女性記者は、安全圏で視聴する現代の観客の共感(と正義感の満足?)を得るために登場させたのか?村長が群集を必死で止めようとしていたのは、福田村の子孫の方々への配慮なのか?等いろいろ考えてしまいました。
現実はもっと無表情で淡々としていたのかな。日常と非日常は連続していて何の前触れもBGMもなく、いきなり血を見るほどエスカレートしたのかな。

不安や恐怖によるストレスが高まって集団ヒステリーから暴力事件に発展することは、今でも起こりうることですし、日頃の差別や、差別の自覚・うしろめたさがあるゆえの「仕返しされるかも」妄想が恐怖を拡大することもあるでしょう。でも、警察の謀略というのはひどすぎます。
映画をきっかけに体験したことのない状況について思いを馳せ、自分ならどうするだろう、現在アタマでこれが正しいと思っていることを、そんな極限状況で実行する勇気があるだろうかと考えこまずにはいられません。
それだけ大切なことを描いてくれた作品でした。
…もうちょっと登場人物がシンプルでもよかったなぁというのが残念でした。

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かつのじょう