福田村事件のレビュー・感想・評価
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異質を排除する
関東大震災朝鮮人虐殺事件は、向き合わなければならない歴史だと思っていた。
福田村事件は、震災現地から離れた千葉県
虐殺されたのは香川県の行商人達
で女、子供も含む。
何故だろうと理解できなかった。
地震による大きな被害もない地域だ。
些細ないざこざで、「こいつら言葉がおかしい、朝鮮人ではないか」と騒ぎが大きくなる。
自警団が取り囲む。
言葉がおかしいと言うが讃岐弁は千葉弁と比べても変な発音はない。
行商人達15人のうち半数は女子供だ。
武器も持たない。
対して自警団は、200人。
手に手に武器を持っている。
見に不安を感じる事もない。
「朝鮮人じゃあないか、殺してしまえ」と叫ぶ村人に対して
行商人のリーダーは、
「朝鮮人なら殺しても良いのか」
と発した言葉が私の疑問を解いてくれた。
自分達の側でないものは『人間』でないので殺しても良いと言う
異質を排除する論理だ。
女子供や戦う意志のない男たち9名を惨殺する。
この史実と、日本人は向き合い考えるべきだろう。
この映画は、それを突きつけている。
沈黙
この作品が上映されると聞いた時に初めて福田村事件というものを知りました。関東大震災後に朝鮮人が差別されていた歴史があったという事は歴史の授業でチラッと習いましたが、日本人同士でも疑われて殺されたなんて残虐な事件があったというのはかなり衝撃的でした。
戦争で死ぬことが名誉と言われることがまだ普通だった1923年が舞台になっています。今考えるとやはり戦争はおかしい事ですし、死ぬ事が素晴らしいなんて全く思えません。時代が時代なのでこれが普通だったと思うとそこでまず恐怖を覚えてしまいます。
前半ではゆっくり村の描写や当時の過ごし方、人々の関係性をじっくり描いていきます。だいぶスローなのでかったるいと思うところはちょくちょくありましたが、そこは役者陣のパワーでなんとかカバーしていたなと思いました。
朝鮮人を差別していたり、主義者を殺す描写を挟み出したあたりから不穏な雰囲気が漂っていき、それが終盤の事件の大爆発に繋がっていったなと思いました。
福田村で詰め寄られるシーン、本当に怖かったです。10人そこらに村中の人々が寄ってたかって言い詰め寄りますし、確認するまで待てと言ったって無駄な正義感が働いて何度も何度も暴言を吐いては威嚇をする、同じ人間でもやってはいけないラインを余裕で越えてしまっていて、1人の行動で村人のリミッターがぶっ壊れて商人たちを襲い始める映像が静かに、そして獰猛なくらいに激しくなっていく様子が末恐ろしかったです。
邦画洋画問わず、子供を殺す描写ってあまり多くないんですが、直接的には見せずとも子供を斬り殺すシーンがあったのは衝撃的でした。リンチの描写も無抵抗な商人をこれでもかと滅多刺しにして川に流したり、積んだりと人扱いしていないのが見て取れました。
最終的に日本人という事が証明された時も、反省の弁なんて一切言わず、お国のために村のためにとほざくだけなのも拍車をかけてムカつきました。話も聞かずに自分たち優先で行動したのにその言い分はなんだと、殺戮をあれだけ起こしておいてあんな態度なんて信じられないです。とても辛かったです。
全体的に寄り道が多かったのが今作の残念なところだと思います。3組ほどの描写を見せつつも、それが最終的に事件のパートへ合流する構成になってはいるんですが、不倫の描写を長々と映す必要性はあまり無いと思いましたし、震災の描写の嘘っぽさが拭えず、そこまでの緊張感がプツッと切れてしまいました。
後から知った情報で夫婦をはじめフィクションの人物が多く、そこは映画に昇華するためには致し方ないのかなと思いました。実在した人物にも少し色を加えてしまったのはリアリティを薄めてしまったのかなと思いました。テンポも特段良いわけではないので、台詞回しに違和感を覚えてしまったのは惜しかったなと思いました。
主人公としての役割はかなり薄く、主人公はおらず、一つの物語に多くの登場人物が同じくらいの頻度で登場しているといった見方が一番良いと思います。
時代は1世紀ぐらい違いますが、直近で観た「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」と同様、思い込みで衝動的に行動してしまった結果、あってはならない事が起きてしまったという悲劇を映像越しで体験する事ができました。自分が当事者で被害者or加害者の立場にいても行動を起こす事はできなかったと思いますし、誰かに従って失敗の策を選んでしまうのではないかなと色々考えされられました。
しっかり劇場で観ることができて本当に良かったです。これは書籍でじっくりと読んでまた考えを深めたいなと思いました。
鑑賞日 10/17
鑑賞時間 15:45〜18:10
座席 C-12
タイタニック構造のドラマで成功。
被差別部落
大正の時代にしては汚れ感が少ない画面と、不必要に多いお色気シーンにハズレを引いたかと思いましたが、途中からこの世界へ引き込まれました。
村人達が普段の生活の延長線上で、突然気が狂った訳でもなく(1名以外)、虐殺を行っている様子。
第三者として見ていると、何で?と思ってしまいますが、村の当事者だったらどうにもできませんね、これ。
また思わぬところで穢多の生活が少し垣間見られて嬉しかったです。
水平社宣言を御守りにして行く穢多達、襖もある良い宿に泊まっているようにも見えましたが、行商で稼げているからでしょうか。
より下の身分の物を漁る浅ましさ、笑えます。
お上に逆らうと碌なことはないとか、船頭に絡んだり、人を見て態度をコロコロ変えるような信念の親分と一緒にいるような輩だから、一歩間違うとこんな運命になるのかもしれません。
あ、あの記者さんには、何故あの場に居合わせたのか不思議でイラッとしますが、村長の言葉を引き出してくれたので良いのかな
映画を楽しめます。観てよかった1本です。
関東大震災後の内務省の企てた通達と工作活動、当時の国策促進メディアによって煽られた大衆が大量殺戮をする映画なので、退屈するのかなあと懸念もありました。しかし、始まってみると最後まで映画に浸れました。テーマである大衆の暴走の背景として、大正時代の田舎の人々の暮らしや風景が、宴会や野辺の送り、被差別部落民の薬の行商シーン、お遍路さんのシーン等を通じて丁寧に描かれており、農村の人間模様も相まって退屈どころではありません。殺戮シーンは、控えめに感じました。そのシーンを徹底的に陰惨にする必要もなかったからでしょう。最近の邦画はいいものが増えましたね。ミニシアターでしたが観客の入りもまずまずでしたよ。観てよかった。
流言飛語と群集心理の怖さ、そして人種差別
100年前に実際に起こった虐殺事件を題材にして描かれた衝撃の実話。関東大震災をきっかけに流言飛語が飛び交い混乱に陥ってしまう群集心理の怖さを痛感しました。
二度と繰り返してはならない事件ですが、現代では流言飛語に加えてフェイクニュースも飛び交う時代であり、100年前と何も変わっていない事実を重く受け止めなければならないでしょう。
流言飛語と群集心理の怖さ、そして人種差別まで、問題山積であることを問いかけている作品であり、後世に伝えるべき名作です。
2023-162
知るべき映画
正義というものの定義がグラグラ 自分が信じてるものは自分に都合の良...
100年目だからか
関東大震災の数日後、千葉県福田村で実際に起きた事件。
話の2/3程事件が起こる迄の村や東京や被害にあった薬売りの人々の話。
東出昌大扮する船渡しの女性関係っているのかな?
wikiを見ると、事件の全容に関してはほぼ事実通り。
やはり、ナチのユダヤ人虐殺が頭に浮かぶ。
『十円五十銭』を言わせるところ、卑劣すぎて情けなくなった。
現在と違い、情報伝達が上手くいかず、地域の独特な方言だと伝わりにくいのはわかる。
また、薬売りの人たちは、被差別部落なので素性を詳しく言いたくないのも禍いしたのか❓
遠因として当時日本政府が、新聞社を使って朝鮮人の印象を凶悪殺人犯放火犯に仕立て上げたからとしている。
実際に目にしていない村人に不安を持たせるに充分である。
村人=自警団=ちょっとしたきっかけで殺人集団となり得る者たち。
wikiには、自警団での暴力とあるが、れっきとした殺人であり、恩赦などで許されるものではない。
昔だから有耶無耶にされたのか。
今ならこんな事件が起こりもせず、きちんと
断罪されるだろうか⁉️
現在情報手段が発達しているが、その拡散により凶器となって人々の命を殺めてしまう事象が多々見られる。いつ何時当事者被害者になるとも限らない。また、加害者になりはしないか⁉️
自分があの薬売りだったら、あの場をどのようにして切り抜ければ良かったのか⁉️
団長の永山瑛太さんが、
「朝鮮人だったら殺してもいいのか⁉️」
と叫んだ途端に、夫が殺されたかもしれないと不安に苛まれる妻に殺されて、それを発端にやる気満々の村人たちが、怒涛の如く殺戮し出した。
本作を観た感想だが、あの言葉は正論だが、あの時点で言うべきではなかったのではないかと思ってしまった。実際にはどうだったかはわからない。
本事件は、当時の朝鮮人差別により間違って日本人を殺してしまった、日本人に申し訳ない、というわりには恩赦が出てほぼ無罪となる。
殺人して無罪とは⁉️
これは、部落民だったからなのか?
当時の朝鮮人差別、部落民差別を炙り出し切れていないので、と言っても、やはり無理なことかとも思う。
そういう現社会だからか、何が起こるかわからない。
知らなかった事件を提示してくれたのは良かったが、100年前だからと決して油断できない状況だと気を引き締めねばならないと感じた。
うーん。
日本で最も信用している
ジャーナリストのひとりが
森達也氏だ。
だからこれまでの作品は
すべて見てきたし、読んできた。
’
本作は、彼が初めて作った劇映画。
取り上げたのは、関東大震災直後に
実際に起こった虐殺事件だ。
心無いデマでたくさんの朝鮮人が
殺されたことは歴史に残っているが、
この事件は、朝鮮人と間違えて同じ
日本人を虐殺した、千葉県福田村で起こった。
’
40分に及ぶ虐殺シーンは人間の愚かさ、
同調圧力の怖さ、群集心理の酷さを
嫌というほど、教えてくれる。
善人でも人は殺せるのだ。
歴史の闇に隠されていたこの事件を知らしめた
だけでも、この映画の価値は十分にあると思う。
’
だけど、うーん。
劇としては前半の村の人間関係の話は長いし、
台詞も役者の演技もこなれていないものが多く、
むかーしの芝居を観てるようだった。
’
まぁ、子どもの頃最初に観た映画が「小林多喜二」
という環境に生まれた僕は、タッチが似てて
懐かしかったけど。
’
森さん、二本目、期待してます。
’
集団ヒステリー事件⁉️
男の面子とかいうもの
以前、アウシュビッツビルケナウ収容所を訪れた際に初めて知ったこと。それは、一番初めに収容所に入れられたのが、大学教授などのナチスに反対する知識人達ということでした。それが徐々に共産主義者、社会主義者、ユダヤ人、ロマ、同性愛者などに広がっていったそうです。だから、ホロコーストはユダヤ人の人種差別問題ではありません。
福田村では、朝鮮人だからという理由で村人による人殺しが正当化されていました。一方東京では、社会主義者だからという理由で国家による人殺しが正当化されていました。本作を鑑賞していると良く分かりますが、多数派や権力による人殺しが正当化される時には主たる理由は必要ありません。髪が長いからとか、髭をはやしているからとか、なんか怪しいからとかそんな感じです。
しかし、朝鮮人や社会主義者を直接的にも間接的にも殺した日本人は、後の第二次世界大戦では自分達が殺されることになりました。その頃には、澤田や田向の様な民主的な人間やファシズムを止める人間はもう居なくなっていたことでしょう。大衆は、日本軍の無茶苦茶な命令に従うことしかできず、300万人以上が犬死しました。これが、直接的にも間接的にも人を殺した結末です。
劇中、長谷川が村を守るために(朝鮮人を殺せ)と言ってましたが、あれは嘘です。軍隊は、権力の面子を守るためだけにしか動きません。長谷川は殺した旅人が朝鮮人ではなかったことに酷く動揺しましたが、これは殺した人間が日本人だと、自らの面子が保てないためです。
だから、私は男の面子というものが大嫌いだし、ホモソーシャルな集団も大嫌いです。
日本社会全体がホモソーシャルなので当たり前ですが、昨今でも東京五輪や大阪万博、その他たくさんのことが、ホモソーシャルな集団の面子を守るためだけに行われ、これからも行われようとしてます。そもそもの行動原理が面子のためと自分の利益なんで、このまま放置するとあの敗戦と似た様なことが何らかの形できっと起こると思います。だから、私は想像したいのです。劇中で殺された人達は、実は私の分身だし、彼らの面子のために酷い目にあうのは私なのだと。
コムアイさんと東出さん、大好きになりました。どんどん映画に出て欲しいです。
恐怖は常に無知から生じる。
この映画を観て頭に浮かんだのが、タイトルにした言葉「恐怖は常に無知から生じる。」("Fear always springs from ignorance.")でした。19世紀アメリカの哲学者、思想家のラルフ・エマソンが、ハーバード大学で行った講演の中で述べたというこの言葉は、人が未知の物や事に触れたときに生じる恐怖の理由を、端的に説明している名言だと思うのですが、この映画で広く明らかにされた事件についても、とても良く当てはまるように思えました。この事件を100年前の一部の人たちによる所業と片付けてしまうのは簡単で楽ちんですが、決してそうではないことは、卑近な例であれば今般のパンデミックで少なからず広がった流言飛語や非道な行いを鑑みれば、火を見るより明らかでしょう。パンデミック初期に生じた大きな恐怖も、時が進み件のウイルスに関する正しい知識が徐々に得られるのに従い薄まって行き、やがて平常心を取り戻したという一連の動きは、エマソンの言葉を体現しているのに他ならないと思います。これは決して他山の石ではなく常に身の周りに起きているということ、不断の学びと知識の獲得が恐怖を遠ざけるということを、改めて認識させてくれた見応えの有る作品でした。なお上述の講演の内容は、'The American Scholar'という表題で出版され、「アメリカの学者」という表題で和訳も出版されています。
何でもすぐ古くなる人種どこかの虐殺への怒りさえおいてきぼりだよ
B'zの稲葉浩志が作詞した『HOT FASHION -流行過多-』の歌詞の一部だ
あまりにも素っ頓狂でダサく初め聴いた時はびっくりした1990年
虐殺とは当時のソ連崩壊東欧情勢が関係してるのかもしれないが稲葉の地元岡山県津山の30人殺しの可能性もなくはない
いまだによくわからない
深い意味はなくその当時のノリだろう
2023年映画館鑑賞52作品目
10月8日(日)フォーラム仙台
スタンプ会員1500円
監督は『i 新聞記者ドキュメント』の森達也
脚本は『湯殿山麓呪い村』の佐伯俊道と『止められるか、俺たちを』の井上淳一と『Wの悲劇』『海を感じる時』『この国の空』『火口のふたり』『あちらにいる鬼』の荒井晴彦
東北では全国に遅れて仙台でやっと先月末から公開
配給会社が弱小の太秦のせいだろう
この会社の公式サイトを見ると無理もない
フォーラム仙台で初公開する際は遅れて申し訳ないと感じたのかわざわざ森達也監督が挨拶に来たらしいが
これも一種のキャンセルカルチャーだろうか
それにしては死ね死ね団じゃあるまいし分母が大きすぎる
安倍亡きあとの左翼の迷走を象徴している
讃岐から薬の行商として千葉にやってきた被差別部落出身のグループが朝鮮人に間違われ殺される話
方言のせいか聞き取りづらい台詞が多い
雰囲気でなんとか理解した
DVDや動画サイトで日本語字幕付きで再度鑑賞したい
地元民のレビューなのか千葉の方言としてはおかしいらしい
そこは森達也監督の落ち度ではなく脚本家が悪い
プロデューサーのチェックも甘い
俳優のアドリブの可能性もなくはないが
差別に男女の痴話話を絡めている
これは森達也というより経歴を見るにつけ脚本家たちの趣味だろう
日活ロマンポルノとかに拒絶反応が強い女性は要注意だがそれほど性描写は激しくない
ただ向里祐香が乳房を露出する必然性は疑問だ
ビゴーによれば明治の人々は暑いとどこでも裸になるらしいのでこの時代もその流れがあるのだろう
当時の異常なまでの不穏な空気は感じさせる
シベリアといえば大東亜戦争末期のシベリア抑留かと思いきや時代が違う
日露戦争におけるシベリア出兵
秋山好古とかのアレだろう
予算の都合なのか関東大震災の情景が薄い
いくら田舎でも千葉だって被害は甚大だったはず
それがあまり感じられないのが残念
事実と時系列が全く違うのもおかしい
岡田斗司夫氏は自警団側がブサイクで被害者側や庇う地元民が美男美女というのは差別だとそういうニュアンスの発言をYouTubeの自分のチャンネルでしたがそれには共感できなかった
そもそもブサイクとまでは思わなかった
だからと言ってそれだけで岡田斗司夫を全否定するような激情型ではない
ただ若干だが重要人物の長谷川秀吉を演じた水道橋博士の演技力がイマイチだった
兵隊上がりの無骨さというキャラでカバーしているがそれでも出始めの頃は特に酷い
ビジュアル的にも悪くない仕上がりで芝居も努力は認めるがあれこそ本業の演技力高い俳優に任せてほしかった
日本人の良心として女性新聞記者が登場するが作品全体が青臭くなってしまう
メッセージ性が強い重要人物ほど俳優の選択に気を配ってほしい
演出が悪いのか演技力が悪いのかまるで彼女1人ロボットのようだ
そもそもジャニーズの会見など観るにつけマスコミを絶対善に描くのは強い抵抗を感じる
この映画で改めて感じたのはマスコミや社会主義者に対する自分自身のヤバすぎる並々ならぬ憎悪である
酒の席でさんざん煽られたら殴ってしまうだろうがインテリと関わることはないのでその機会はないだろう
井浦新が田中麗奈とのシーンで「朝鮮」と言うべきシーンを「韓国」と言い間違えるシーンがあるがそのまま作品として上映されている
韓国とは戦後誕生した国の略称で当時は韓国とは呼ばなかったはず
監督も気づかなかったのだろうか
こういうところを見てもやはり雑味を感じた
ドキュメンタリー専門監督の初挑戦とはいえ擁護できない
田中麗奈が良かった
田中麗奈といえばCMのなっちゃんと実写版ゲゲゲの鬼太郎で演じた猫娘の印象しかないが
特に舟で誘惑する件は案外良かった
彼女は脱がなかったがそれで充分
見せ場は朝鮮人の若い女が自警団に殺される場面と讃岐の薬売りの人たちが殺される場面である
特に後者の方だろう
しかしせっかくの見せ場だがいまいちだと鑑賞後しばらくすると感じてしまう
確かにショッキングではあるが映画俳優ファーストなら物足りない
被害者の無念さと自警団の狂信的残虐性を表現するにあたって全くもって不十分
なんとか子供にも見てもらうためPG12ギリギリでとどまる必要があったのだろうか
子供向けとは到底いえないのでR15になっても良いからふっきるべきだった
特に河原での妊娠中の女性はうまくいえないが編集が不自然だ
熱演のさいとうなりが可哀想だ
この映画を知ったのはNHKのおはよう日本だった
あの時間帯は左翼っぽい特集が多い
担当ディレクターの趣味だろう
自分もどちらかというと左翼寄りなので共感する回も多い
ただこの回でネットでデマに騙されてはいけないと女子アナが語っていた
コロナワクチン死亡報道関連の件にしかりNHKが自分たちを棚上げにしてネットを名指しで批難できるとは正直驚いた
ネットで少し話題になっているから映画館で鑑賞した
自分にも映画に好みがあって星3がいいところだ
若干悪趣味だし
こういうタイプの映画で星3つならかなりの高い評価と言える
コメント欄は今回はやめようと思ったが逃げるようで癪に障るのでやっぱりそのままにした
右寄りはプロパガンダとか左翼映画だと言うが本編見る限りまあまあありのままでそれは感じなかった
しかしエンドロールに慰安婦がどうのこうのとか直接関係ない団体が目についた
あれがデマなら慰安婦の件も南京の件も全て真実かといえば怪しいものだ
いまさら虐殺に対する怒りを感じるほど自分は若くはない
NHKのポルポトのドキュメントで充分だ
虐殺の評価は立場によって変わってしまう
織田信長は英雄だしアメリカ人からすれば広島長崎の原爆は正しいことだしパスレチナ人からすればアドルフ・ヒトラーは批判する対象ではないはずだ
なぜか虚しいのだ
だから何の抵抗もなくおバカ映画として『バービー』を鑑賞することができた
『新聞記者』は賛否両論だがこっちはあまりにも一方的で不自然だ
右寄りの批判的なレビューは徹底的に削除されたのだろう
それが仕事だから仕方がない
残念だがそれは間違いない
Gメンのレビューが800人近いのにこっちは300人未満とあまりにも少ない
3年以上映画.comにレビューしているが経験上『福田村事件』のレビューなら400人近くでもおかしくない
ヒットはしたのだろうがコナンくんや『ミステリと言う勿れ』に比べたら大したことあるまい
世の中では左翼もそうじゃなくても1番の関心はジャニーズで私はとっくにうんざりしてる
あの東京新聞の名物女性記者も今は福田村事件なんて頭にないだろう
ヤフーニュースを見ても『福田村事件』なんてあまり話題になってない
複雑な思いである
差別はなくならない
不平等も貧困も
社会主義国家がダメだったからではない
差別反対を訴える人たちにもほんの一部だが差別主義者が見られるからだ
ここのレビューやヤフコメやYouTubeのコメント欄にもそれを感じる
悪びれる様子もない
寛容のパラドックスであり左翼には寛容であれば良いという新左翼の父の方針だがそれでは不公平を嫌う大多数の一般民衆には支持されない
日本人も酷いことをしたと訴えたいのだろうがそれらほぼ全てが他人事に感じる
実際に他人事なんだけど
自分は違うと言いたいのだろうが森達也監督のメッセージが全然分かってない
私はこの国が好きだしこの国以外に住むことはできない
この国の民度はまだ良い方だ
なぜなら自分でも生きていけるからだ
5ちゃんねるのVIPとか嫌儲とかああいう人たちは全く理解できない
この映画のおかげで福田村事件を知った人は多い
森達也ならびにこの映画の関係者の功績は非常に大きい
なんらかの映画賞を受賞することなっても意外だとは思わない
森達也監督とも大変親しい宮台氏が襲撃された
政治家だけでなく知識人を逆恨みする人も多い
森達也監督もご自愛ください
配役
朝鮮で教師を務め故郷に帰ったきた澤田智一に井浦新
智一の妻で洋風かぶれの澤田静子に田中麗奈
讃岐からやってきた薬売りの行商団でリーダー格の沼部新助に永山瑛太
日清戦争で兵隊に同行した経験がある村の老人の井草貞次に柄本明
千葉日日の編集長の砂田伸次朗にピエール瀧
ほぼいつも軍服を着ている福田村在郷軍会分会会長の長谷川秀吉に水道橋博士
村で舟渡しの田中倉蔵に東出昌大
シベリア出兵で夫を亡くした村の未亡人で出兵中に田中と不倫関係があった島村咲江にコムアイ
貞次の息子ではじめに讃岐の行商団を朝鮮人と思い込んだ井草茂次に松浦祐也
新聞記者の恩田楓に木竜麻生
茂次の妻の井草マスに向里祐香
プロレタリア演劇の劇作家の平澤計七にカトウシンスケ
福田村村長の田向龍一に豊原功補
行商団の妊婦の坂下イシにさいとうなり
イシの夫の坂下彌市にコガケースケ
行商団の少年で薬売りの仕事を始めたばかりの谷前信義に生駒星汰
讃岐で帰りを待っていた信義のガールフレンドの川島ミヨに葉山さら
新助の妻の沼部ユキノにミズモトカナコ
行商団のメガネ青年で読書好きの藤岡敬一に杉田雷麟
行商団の青年の高畑朝明に浦山佳樹
朝明の妻の高畑サダに金井美樹
村の女たちのリーダー格の矢島ツネに辻しのぶ
秀吉の妻の長谷川稲子に樋尾麻衣子
夫を帰りを待つ村人の下条トミにMIOKO
大震災の難から逃れ東京の出稼ぎから帰ってきたトミの夫に岡崎叶大
咲江の夫の父の島村幸定に大久保鷹
幸定の妻の島村フネに岩崎聡子
在郷軍人会の大橋に佐藤五郎
行商団の青年の西村厚に髙橋雄祐
厚の妻に西村ソデに伊藤歌歩
計七の妻の平澤ヨシに佐藤果穂
朝鮮飴売りの少女に碧木愛莉
日本人の弱さ、卑屈をよく撮ってくれた
”八つ当たり”の正当化
大正12年、関東大震災後のとある小さな村で起きた殺害事件。
なぜ公にされず、口を紡がれた事件なのか。
いつの時代も人間性は変わらない、と言うことぐらいにしか感じられない。
至極当たり前のことが起きる。
国際問題とかじゃない、人間の性質の問題。
映画から学びを得たい人には向かない作品。
日本の隠してきた事件を目の当たりにするという点ではアリ。
ただこの手の映画は映画館じゃないと集中できないから迷っているなら見た方がいい。
スマホ片手のながら見だと全く論点が見えてこないと思う。
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時に人は余裕がない時に、”八つ当たり”と言う行動を正当化する。
最後まで承認をかばった人間は、映画の序盤で一度は村八分同様の扱いを受けた者で
他者の痛みとある意味での”はけ口”を知っていた住民だったのよね。
こういうことに気がつけたのは、2時間半の長尺で一見意味のない人間模様を細部まで描いたからなんだろうな。
あの時代の人が現代にいたら、部落差別の現状を見て落胆するやろな。
今も昔もなんら変わっっちゃいねえ。
東出さんにあの役どころをオファーしたの中々強気だよね…w
黒歴史を知れる作品
人間が一番怖い
田中麗奈ちゃんをイジルな!
全371件中、101~120件目を表示