「ベルばらへの入口」ベルサイユのばら クロネコ。さんの映画レビュー(感想・評価)
ベルばらへの入口
原作は文庫版を持っており、アニメは小さい頃再放送で見ていた気がするくらいのそこまでベルばらオタクというわけではないが人生のうち何回か読み返している作品といった感じ。
予告編から最後まで描くことは分かっていたので大分端折られるんだろうな〜と分かっていたがそれを歌のシーンで補完してくれるのは、つい最近上映前に予習しようと原作を読み返したのにもう一度読みたくなってしまう。
音楽が澤野弘之と聞いていや合うんかベルばらにと思ったがそんな心配は無用だった。華やかな貴族たちの歌から力強い市民たちの歌までなんとも振り幅の広い作曲家だなと思った。
ただやはりボーカルのある曲を使うとキャラクターの台詞とどちらを聞けばいいのかとなってしまうし、そこらへんの音量調整がちょっとなぁとは思った。音響の良い映画館が近くにある方はそちらで鑑賞することをオススメしたい。
オスカルの人生は描かれたが原作でその後続くマリー・アントワネットの人生がエンドロールの文字と絵だけで済まされてしまったのが☆を一つ減らした理由。ダイジェストベルばらじゃなくてダイジェストオスカルの人生なのだ。この映画は。
原作を読んだことのない方にはぜひ読んでもらいたいと思う。オスカルも度々言っていたアントワネットの生まれながらの誇りの高さが良く分かると思う。
私の持っている文庫版には今も様々な業界で活躍する女性たちの解説が寄せられている。
オスカルというこれだけ長い間愛されるキャラクターの人生をこれだけ短い時間にかつ大切なところは取りこぼさずにまとめたこの作品は新しいベルばらへの入口になっていくと思う。
そしていつか彼女たちのように、ベルばらに心動かされた人たちの活躍を目にできるのかもしれないと思うと、なんだかわくわくしてしまう。