劇場公開日 2023年2月23日

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少女は卒業しないのレビュー・感想・評価

全108件中、1~20件目を表示

1.5退屈の極み

2025年5月23日
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鑑賞方法:VOD

見ていて退屈でしたが、河合優実さんの演技が見たくて我慢して最後まで見通しました。

途中ハラハラしたりドキドキしたり感動したり泣いたりのエンタメ性が皆無であり、かと言って終盤での驚くような逆転劇もありません。
河合さんをはじめ役者さんたちは頑張っているのだと思いますが、誰が演じても良作にならない退屈な脚本と言わざるを得ません。

ストーリー性が弱すぎるというか展開が無さすぎです。四人の女子生徒のストーリーが並行して進行するのですが、どれもつまらない。当該四人の関係性が希薄なのもガッカリさせられたポイントです。

どこかで見たような陳腐なカメラワークにもウンザリでした。

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クネーゴ

3.5少女達にとって学校は世界の全てだった

2025年4月29日
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鑑賞方法:VOD

こうしておけば良かった、ああしておけば良かったというのはたくさんある。それでも前に進んでいく。

全体を通して少女たちの親が登場しなかったのが良かった。そこには親でも干渉できない、少女達の世界があったことが分かる。

まなみにとって学校は唯一また再開できる場所。その学校が無くなり、卒業するということはなんとも辛い。
まなみの涙に共感できる。

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ABCD

3.5桜…散りゆくサクラ

2025年4月10日
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幸せ

…卒業式
木々交々の季節
卒業したい人したくない人
卒業生の思いはそれぞれにあるけど
"このままず~といたい"と
思う気持ちはわかる
…人生の通過点
高校の時の成長は大きい
大人になる前の一歩
それぞれのエピソードはよかった
山城まなみ(河合優実)が初々しさが
際立って見える
卒業生答辞
亡くなった彼に読み上げた時…
彼との思い出に涙したところは
感極まる

一番心に残るエピソードは
人と関われない作田(中井友望)と
坂口先生(藤原季節)のエピソード
二人の会話が微笑ましくて
暖かくもありました
この多感な時期を
後に思い出し笑って
微笑むことができたら…幸せ

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しろくろぱんだ

4.0どうだ、思い知ったか

2025年2月24日
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泣ける

知的

卒業という雰囲気だけで、もう泣ける。

これまでの流れが全くわからず、卒業式2日前……。
断片的にそれぞれの卒業式への心情投げつけられても……、と戸惑いながら断片を繋げて行くと全体像が視えてくる。

観てた人は皆、振り返るはずそしていろいろと重ねて、感慨にふけたくなる……。
重厚な三年間が在ったから、2時間の中にもソレを見い出せる。

留まる事は許されないからこそ、卒業したくないという感傷に浸れる。
いつまでも浸って居たくなる……。

ずいぶん昔の事だからイイのかも知れない。
また、冬の終わり頃に観たくなる作品。

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奇妙鳥

5.0あんな先生ずるすぎる、確かに卒業「したくない」

2024年11月18日
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女のコなら誰でも、4人の誰かしらに共感してしまうのではないか。

やっぱり、先生には特別な感情が芽生えるよね。

図書室の優しい雰囲気の先生。存在感がないせいか、皆は気付いていない、だけど、実は結構かっこいい。私だけが気付いている。

役者はかなりのイケメンが演じていたが、多分彼女からそう見えていただけで、現実はそこまでかっこよくないと思う。

でも、それでも、やっぱり彼女の目にはかっこよく映るのだ。
高校生にとって、学校は全てである。そんな場所に居場所がないこと、行く意味を見いだせないことは、きっとものすごく辛いはずだ。そんな彼女を理解し、肯定し、理由になってくれる存在がいたら、どれだけありがたいか。

学生時代の自分を重ね合わさずにはいられない。大人になった今、むしろ先生と学生の恋なんて犯罪としか思えないし、未熟な高校生の恋心なんて、と自然に価値観が変化していったけれど、このくらいなら許してあげたいという気持ちが出てきてしまう。

性愛とか純愛とかそういうのどうでも良くて、やっぱり女子学生にとって、先生が唯一無二の絶対的な存在であることは、有り得るのだ。

あの先生は本当にずるいと思う。彼女は、先生のアドバイスで前に進めたわけだし、多分、先生も学生時代の自分を救うつもりで、彼女を通して自分を見ており、学生時代の自分🟰彼女が最後の最後勇気をだしてクラスメイトと関わったことで、彼の幼き自我は救われた、ということになる。多分、むしろ、あれは、始まりだったんだと思う。お互いに未完の部分が埋まったことで、スタート地点にたてた。なのに、卒業である。始まった途端、終わってしまうのだ。

先生は彼女が持ってきた新品の本を図書室のバーコードが着いた本と交換してくれた。そんなんされたら、一生忘れららないって!!!!!!
多分、あの本も先生がオススメしてくれた意味わかんない本なんでしょ!?残念ながら本の名前は聞いたこと無かったけど、多分海外の古典文学とかで、先生の気持ち悪い自意識とか美学とかなんかがぎっしり詰まってんだろうな。あんまり面白くないやつ。でも、そんなの関係ないんだよね、ずっと、あれだけは、少なくともあと10年くらいは捨てられないと思う。

いやーーーーーー、ズルすぎるね。

【演出とか内容について】
・とにかく、この映画は、配役が物凄くいい。そうそう!!部長ってこんな感じ!!バスケ部って!!実はかっこいいけど、まだ知られていない子って!!後輩って!こうだよねー!となる。配役が凄く合っている。

・その意味で言えば、気になったのはあの先生のメガネがオシャレすぎることだ。地味な先生が、あんなオシャレ君しか付けないような細ぶち丸メガネをかけていてはダメだ。もう少し機能性重視のものが良かったなと思う。

・河合優美最高!!!!、

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桃子

3.0閃光少女

2024年8月31日
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鑑賞方法:VOD

明日のことは知らない、卒業していく彼女たちの刹那を描いた青春群像劇。カランコエと同じく終盤ずっと泣いてました。切なくて苦しくて、ちょっぴり物足りなさもあるけど、でも清々しい素敵な映画。

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大型扇風機

2.5惰性で見ました

2024年8月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

図書室の先生は良いヤツだった

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おのもん

4.0少女たちの卒業を描く。 カーストが違い、同じ高校の同じ学年だけど互...

2024年6月11日
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鑑賞方法:VOD

少女たちの卒業を描く。
カーストが違い、同じ高校の同じ学年だけど互いに接触はない。でもそれぞれ確かに同じ場所で生きている。
それぞれ抱えているものがあるが、それが何かは観ていくうちに分かってくる。
それぞれに苦悩し、悲しみ、あがきながらも戦い、生きている。

ただ、家のテレビでU-NEXTで見たのですが、河合優実さんの声が小さい…!聞き取れない!
いつもボリューム25〜30でテレビ見てるのに、あまりに聞こえなくて90まで上げました。いいシーンほど声小さくて…直後に爆音バンド演奏が流れて飛び上がりそうになった。
河合優実さんの演技はその自然さが魅力で、声を張ってほしいわけではない。なのでこれは音響のバランスの問題。ウィスパーボイスのところを、聞きやすいように少し拡大してほしかった。そしてバンドの時は抑えてほしかった。
これは映画館で観たら音のメリハリが良かったんだろうけど、家で見るのは向いてなかったですね。

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romi

2.5朝井リョウの世界です

2024年4月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

原作未読
原作は『桐島、部活やめるってよ』『何者』『正欲』の朝井リョウ
中川駿監督作品脚本作品初鑑賞

群像劇

舞台はとある地方の高校
取り壊しが決まっている
ロケ地は山梨県上野原市の廃校になった市立中学校

粗筋
卒業式の前日と当日
料理部部長の山城まなみは彼氏が昨年の夏に自殺した
バスケ部部長の後藤由貴は上京をきっかけに地元に残る彼氏と別れる決心をつけていた
神田杏子が部長を務める軽音学部のバンド「Heaven‘s Door」のボーカルは口パクでメンバーは楽器ができなかった
ぼっちの作田詩織は図書室を管理する妻子持ちの教員に恋をしていた

最近の卒業式では『威風堂々』を流すのか
アメリカやイギリスじゃあるまいし西洋かぶれが!

よく知らない監督兼脚本家
よく知らないキャスト陣
平々凡々な学園モノ
原作者だけはよく知ってる
『桐島、部活やめるってよ』とどうしても比較してしまうが明らかに薄味で見劣りする
『何者』のようにお気に入りの有名俳優の演技力を堪能することもできない
別監督のオリジナルだが『17歳は止まらない』と比較しても面白味にかける
娯楽性は低いし朝日新聞やNHKがゴリ押しするような社会派とも違う
瑞々しいという表現しか思いつかないが全く刺さらなかった
観る側がたとえオジサンでも若い女の子がたくさん出ていれば楽しめるかといえばそうでもないのだ

卒業ライブの歌はまあまあ良かった

レビューのどさくさに紛れて卒業をテーマに自分語りをするつもりはないが自分には卒業の思い出が全くない
卒業式にはいずれも参加したはずだが全く思い出せない
だからこの映画を観て全く感動しないんだろう
残念すぎる人生だ
まあ眠くはならなかったけど

配役
答辞を任される料理部部長の山城まなみに河合優実
上京し心理学を学びたいバスケ部部長の後藤由貴に小野莉奈
軽音学部部長の神田杏子に小宮山莉渚
図書館好きの作田詩織に中井友望
まなみの彼氏の佐藤駿に窪塚愛流
軽音楽部の部員で「Heaven‘s Door」のボーカルの刹那四世こと森崎剛士に佐藤緋美
バスケ部で由貴の彼氏の寺田賢介に宇佐卓真
現代文の教員で図書館を管理している坂口優斗に藤原季節
まなみの親友の宮下遥に丸本凛
作田のクラスメイトの木村沙知に花坂椎南
杏子の後輩の小西真由美に田畑志真
送辞する在校生代表の岡田亜弓に瀧七海
「Heaven‘s Door」のベースの心音こと石川春樹に市来流星
「Heaven‘s Door」のドラムのカムイこと高田伸夫に山﨑竜太郎
「Heaven‘s Door」のリードギターの「世界が消えてなくなるまえに」こと菅野知樹に高橋伶
軽音楽部の部員で「PUZZLE」のボーカルの桜川智に林裕太
軽音楽部の部員で「ぜりぃふぃしゅ」のボーカルにema
軽音楽部の部員で「ぜりぃふぃしゅ」のボーカルにmariko

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野川新栄

2.5花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに

2024年3月22日
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マサシ

3.5会心、名残、和解、そして偲び

2024年3月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

 翌日卒業式でその後校舎がなくなる、山梨の高校。式後のバンド演奏に悩む軽音部部長の神田。クラスになじめず図書室の先生と話をしていた作田。しばらく彼氏と気まずい後藤。彼氏と上手くやっていた山城が答辞を読むことに。
 何となくこういう作品は、女子が主人公の場合が多くて、面白い。今作は四人で、それぞれの会心、名残、和解、そして偲びが描かれています。コミックバンド?の森﨑は笑えたけど、結末が良いです。山城のエピソードが切ない。
 うちの娘たちも、今春卒業。たぶん、その他大勢だったかな。

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sironabe

3.0トコロテンのように押し出されるのさ。

2024年3月1日
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りか

4.0こういうのが観たかった

2024年1月25日
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CB

4.0何もかもが眩しく儚い世界

2024年1月2日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

原作未読。
卒業式前日と当日の2日間の高校生たちの心の揺らぎを描く恋愛群像劇。
高校受験に失敗し男子校に通わざるを得なかった自分にとっては、何もかもが眩しくも切ない世界だった。
ちょっとした叙述トリックもあるが、淡々と展開される物語が逆に心に染み入った。

いやマジで自分の高校の卒業式の日の思い出が一切ないんだが。
おそらく速攻で帰宅したんだと思うが、それすら記憶にない。
一体なんだったんだ、自分の高校時代は。

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イサヤ

4.0岩井俊二よりさらに深度が深い

2023年11月29日
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鑑賞方法:VOD

個人評価:4.0
朝井リョウはどんな青春時代を送ったのだろう。桐島部活といい、本作といい、この思春期の切り取り方はなんなのだろう。
どの登場人物目線で描いたのだろうと、うがった見方もしてしまう。
サナギから羽化し成虫になる時代。サナギの季節をよりリアルで美化せず描いていると感じる。
青春の切り取り方は、岩井俊二の右に出る者はいないと思ってたが、朝井リョウはさらに深度が深いと感じた。

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カメ

3.5彼女の演技が大好き

2023年9月19日
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madu

3.0私には苦過ぎました

2023年8月8日
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全体にトーンが暗いというか、この作品からは青春の苦さばかりが伝わってきました。なので、卒業が旅立ちというよりは旅の終わりのように感じられてしまい、見終わったあとも暗い気持ちになりました。もう少し、ほろ苦い部分ばかりでなく、甘酸っぱい部分や希望がほしかったです。ただ、学生の皆さんはとても演技が上手かったと思います。

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alias

4.0その迷いの軌跡を青春と呼ぶ

2023年6月16日
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卒業式は高校生活のピリオドであっても世界の終わりではない。そんなことは百も承知だし、明日からも私たちの人生は続いていく。「さよなら」と手を振ったあの子やあの子のInstagramを私はちゃんと知っている。それでも卒業式というものに特別な意味を、ただならぬ寂寞を見出してしまう。

卒業式だけではない、少女も、高校生も、恋愛の終わりも、それ自体には何の特別さもないことを我々は知っている。知っていながら特別なことだと思っている。甘い夢想と苦い現実のせめぎあいの中を彼女たちは生きている。その迷いの軌跡を青春と呼ぶんだと思う。

俺はいまだに高校生という区分が何なのかよくわからない。ガキと呼ぶには成熟しすぎているし、大人と呼ぶには冷酷さが足りない。幽明のあわいを漂うような、実体の定まらない存在。しかしその不明瞭さを過度な神話化やフェチズム化によって無理やり固定せず、流れるがままに流しているのが本作だった。「卒業式」のために人々が存在しているのではなく、人々の存在がまずあって、そこに時間経過の必然として卒業式が立ち現れている。

少女たちが紆余曲折を経て卒業式の後の世界へと踏み出していくラストシーンはやや達観が過ぎるのではないかと思うものの、微かな爽やかさがある。そして映画の終幕をもって彼女たちの青春時代は終わりを迎える。

今や過ぎ去った日々を名残惜しげに振り返るように、「Danny Boy」の旋律がいつまでも響き続ける。

The summer's gone
and all the roses falling
'Tis you, 'tis you
must go and I must bide.

夏は終わり
バラも散り果て
あなたは去って
私は待ちぼうける

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因果

3.5二度と還らない瞬間(とき)

2023年6月15日
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鑑賞方法:VOD

廃坑となって取り壊される卒業式の前日と当日の2日間。
4人の女子高生にフォーカスして、巣立つ彼女たちの瑞々しい感性と素顔が
等身大に描かれる。

辛い経験を乗り越えながら、彼のお弁当を作り続ける
山城(河合優実)
落ちこぼれ気味の彼、の美しい歌声をある手段でみんなに届ける
軽音楽部の神田(小宮山莉渚)
みんなに溶け込めず、図書室を避難場所にしてて、
本を延滞し続けた作田(中村友望)
地元に残る彼と気の持ちよく別れたい後藤(小野莉奈)
4人は平行で一度も交わることの無い群像劇。

それぞれの時に別れを告げて巣立って行く。
そんな最後の2日間を丁寧に描いていく。

これまでは学校生活が世界のすべてだったけれど、
これからは新しい大きな世界が広がっている。

あの教室の片隅に確かにあの頃の自分が、
あなたがいます。
誰しもの姿が重なる甘酸っぱい青春の1ページ。

そして4人の少女に起こった
小さな奇蹟
それは目を凝らさなければ見逃すほど
小さくてささやか

2度と帰らない日々だけれど瞳を閉じると同級生の顔が
浮かんでくる。

私もそうだったように多くの別れと出会と決断を繰り返して、
人は大人になる。
廃校のあの時間
少女たちの「あの瞬間(とき)」は、永遠。

還リたくても還れない
閉じ込められた
「瞬間」と「永遠」

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琥珀糖

3.5等身大

2023年6月12日
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答辞を結びにしているが、それぞれの卒業模様を等価に描いていく。
いずれも過不足のない共感しやすい話で、JKに必要以上の価値を与えていないのはよかった。
(日本映画ではJKに必要以上の価値を与えてシンボライズしようとすることがよくある。少女や卒業や女子高生のキーワードからそのテの岩井俊二亜種を想像したが、そうでなくてよかった。)

主要アンサンブルは四つ。あえて仮題するなら、
①卒業演奏のいざこざ
②図書館が居場所
③上京する者と地元に残る者
④つらい答辞

①は楽しかったが森崎(佐藤緋美)のさいごの独唱が英語の歌だったことで思いっきりはずした。あれが森山直太朗のさくらだったらこの映画はサンダンスへ行って観客賞をとれた。笑

②の中井友望はおとなしい小心者の雰囲気でつかむものがあった。
(原作の)朝井リョウには節度があり、恋愛へ進展しないのがよかった。これで先生か生徒が踏みこんでしまったら、凡百な日本映画になりさがるところだった。

③はあるある話。
田舎と都会の遠距離(恋愛)はたいてい自然消滅する。
とくに若年期にどちらかが上京したばあい、1年ほどで彼/彼女はキラキラした届かない高みへ登ってしまうものだ。若者とって上京は“デビュー”と同じ。ただ15年も経つと都鄙はどうでもよくなるけどね。

おそらく④がクライマックスだったがいちばん目立たなかった。彼氏の不慮のシの描き方がわかりにくいことで、まなみ(河合優美)の悲しさへの共感が薄れた。

原作を読んでいないがさすが朝井リョウだと思った。普遍性があって背伸びせずムダがない。それでいて、しっかり琴線をとらえていた。

個人的に桐島~が言いたかったのは「高校時代のなんにもなさ」だと思っている。実在するのかしないのかわからない桐島は、なんにもなさすぎてシンボライズできない高校時代をシンボライズしていたと思う。

それに比べるとこの群像劇はずっと青春的なことをやっていた。
じぶんは50過ぎなので、こんな青春ドラマ見ていいのかな──と思わせるほど同世代向けに甘酸っぱくつくられていたと思う。

本作の長所は、話を現代の青春から導き出される病弊に落とし込んでいないこと。
並みの日本映画だったら、この手の青春映画を「じさつ」や「いじめ」を中心に据えて深刻ぶったポーズをつくって見せるにちがいない。
そうではないことが桐島や本作の価値を青天井にしている。

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津次郎
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