「孤独を愛する」ちひろさん ひよさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独を愛する
完成披露試写会にて鑑賞🎞️
今泉力哉監督の新境地を見ることができた、衝撃の作品でした。
そして、今泉監督が今この時代に伝えたかったメッセージが、存分に詰まった作品だと感じました。
まず、キャストの方々について。
マコト役の嶋田鉄太くん。
こんなにも自然に「クソガキ」を演じることができる子役さんがいたのか、と感心してしまいました。舞台挨拶で「彼は良い意味で自由で、それが劇中にも良さとして出ている。」と皆さん仰っていた理由がよくわかりました。
幼いながら愛すべきキャラクターとして、ストーリーの大きな役割を担っていました。
そして、バジル役のvanさん。
"女" の強かさも、弱さも、不器用さも、妖艶さも、演技初挑戦とは到底思えないほど、本当に上手く表現されておりました。
原作のバジル姐さんが、そのまま現実世界に飛び出してきたような錯覚を覚えました。
そのほか、超実力派キャストの皆様が、純粋な世界とは距離を置く登場人物たちの人間模様を、非常に繊細に表現されておりました。
劇中ではひとつひとつの台詞が、愛を持って丁寧に産み出されたことが伝わってきて、『愛がなんだ』鑑賞後の心が満たされた感覚とよく似ていると感じました。
鑑賞後、遅ればせながら今作の共同脚本が澤井香織さんであると知り、私の中で勝手に納得してしまいました。
私がいくら文字を書いても表現しきれない、孤独を愛する"ちひろさん"のふしぎな魅力。きっと誰もが虜になってしまうのだと思います。
これを読んでくださっている皆さまにも、"ちひろさん"という女性を、是非劇場で体感していただきたいです。
同じ女性として、本作に出会えて本当に良かった。公開後、劇場ないしはNetflixで、もう一度この世界に浸ろうと思います。