「今の自分でもいいんだぞ的な自己肯定映画。」ちひろさん ねじまき鳥さんの映画レビュー(感想・評価)
今の自分でもいいんだぞ的な自己肯定映画。
「孤独を手放さずに生きていける」。
主人公ちひろは今までは孤独を外に置いていたけど、まちの人々との関係性を築いていく中で、孤独を内に置けるようになっていく。その変容が今回のストーリーの肝であるような印象を持ちました。孤独を内に置くということは、自分の心をしっかり持つという事。今の自分を自己肯定してあげること。病気で目が見えなくなった女性がちひろを上記のような言葉をかけて前を向かせていきます。孤独=悪い事ではなく、それを内包することで強く生きていく、っていう前向きな言葉だと私は捉えました。
ちひろの過去を想像させるアイテムはところどころ出てきて、伏線回収もある程度してくれます。バイト面接のエピソードの下りはちょっと安易でいただけませんでした。バイト面接場面であんなのリアリティーなさすぎでしょう笑
捉えどころがない主人公を有村架純が演じていますが、なかなか共感しにくいキャラクターでしょう。そこがこの映画を楽しめるかどうかのポイントだと思いました。
そっと今の自分でもいいんだぞ、って自己肯定してくれるような優しい映画でした。
コメントする