湯道のレビュー・感想・評価
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鑑賞後は風呂に入りたくなった。
まるきん温泉を中心に様々な人の人生が描かれつつも、浮世離れしたような「湯道」なる家元があったり、それぞれのキャラクターにちゃんと落とし所もあって、群像劇が好きな自分は好みだった。
深く考えずにのんびり見られて、ほっこり心が温まるような内容。ストーリー自体は寂れた銭湯をこの先どうするのかというだけで、至ってシンプル。最後に明言されてないけど、結局続けていくということかな。
風呂仙人の正体は途中で察しがついたが、橋本環奈演じるいづみが茶屋の孫だったことには「そうきたか」と思った。
ところどころ出てくる男湯と女湯の境目をうまく使ったカメラアングルが面白く、戸田恵子、寺島進演じる料理屋夫婦のやり取り、天童よしみとクリス・ハート演じる親子の歌唱シーンなどは良かった。
小日向文世演じる横山の定年退職のシーンでは、退職金の使い道で嫁娘達があれこれ話していたのもあってとても寂しいものがあったが、最後に湯道の器とヒノキ風呂のプレゼントはウルっときた。
「わ」と「ぬ」の件はなるほどと思ったし、新たな湯道家元が響き桶なる新たな作法を加えていたり、細かなところも面白い。温泉評論家も最後「湯道」に目覚めてたし。
あとは銭湯のセットや街並みも素晴らしく、本当に実在したら入りに行きたいと思えるような古き良き場所でした。
最後にエンドロールの演出も楽しくて好きだった。やっぱり楽しくハッピーで終わる方が鑑賞後としては余韻が良くて好きですね。
あー、風呂入りたくなったなぁ。
フジTVの
常連キャストの中、小日向さんだけは良かった。 生田斗真くんには新味を感じたけれど、お兄さん。未遂だったものの、店のハンコや権利書を持ち出すのは「エンドロールのつづき」のサマイ君以上の犯罪だと思う。
日本の風呂文化を斬新に描く
本作は、日本の風呂文化の底辺と頂点を担う人達を描いている。底辺である銭湯に通う個性豊かな人達。一方、風呂文化を茶道等と同様の求道文化と考え、風呂文化の頂点である湯道を極める人達。従来、邦画では、風呂文化は大衆文化であり銭湯を中心にして扱ってきた。しかし、本作は、風呂文化を、従来を底辺、湯道を頂点として捉えた斬新なコメディである。観終わって風呂上りの様な心穏やかな気分になれる作品である。 本作の舞台は田舎の銭湯・まるきん温泉。父親が他界し、この銭湯を継いだ二人兄弟の弟・悟朗(濱田岳)に、東京から戻って来た建築家の兄・史郎(生田斗真)は、銭湯をマンションに建て替えることを提案するが、弟に反対される。一方、郵便局員の横山(小日向文世)は湯道会館に通い湯道を究めようとしていた。そんな矢先、まるきん温泉で火災が発生し悟朗が負傷したため、史郎が代役を務めることになる・・・。 昭和レトロ感漂う、まるきん温泉には、様々な人達が通ってくる。ちょっとした台詞のやり取りから彼らが紡ぎ出す、それぞれのサイドストーリーに味があり、彼らの人生が垣間見える。銭湯は人生の縮図であり交差点であることが実感できる。錚々たるベテラン俳優達の役柄に成りきった熟練の演技の賜物である。 湯道会館でのシーンも、師範役の窪田正孝、家元役の角野卓造が役柄に成りきっている。シリアスな雰囲気になりそうだが、そこは百戦錬磨の演者達の配役と、喜劇の原点である演者達の有り触れた事への大真面目な演技がコミカル風味を醸し出している。銭湯シーンとの乖離はない。 至高の風呂も登場するが、絢爛豪華で贅を尽くしたものとは真逆の素朴な原点である。風呂文化を極めれば極める程、無駄は無くなりシンプルになっていく。シンプルイズベストという頂点に近付いていくのだろう。 本作は、湯道という斬新な着眼点を加えたことで、風呂文化が日本人にとって掛け替えのないものであることが得心できる身も心も温まる作品である。
最高に心温まるお風呂映画!
あまり期待しないで観たのですが最高でした。温泉、サウナ大好きな自分からすると銭湯メインのお話は吉田鋼太郎演ずる評論家ではないが不安だらけで、宮沢りえ主演の傑作「湯を沸かすほどの熱い愛」とは違うだろうなあと思いながらも拝見しましたが、本作品も良いです。最初から素晴らしい!天童よしみとクリスハートの上を向いて歩こうの歌や小日向文世の檜風呂のシーンは思わず号泣です。全編お風呂の素晴らしさと涙と笑いの良い作品でした。ただ柄本明は良い役なだけにオープンハウスのCMみたいな変なコスチュームとか不要でした。
たかが銭湯、されど銭湯
お風呂好きの私には心温まるストーリーでした。お風呂に浸かった瞬間の、うーーんの一声は、 日本人に生まれてよかったって思える瞬間ですよね。 小山薫堂さんの脚本はさすがの一言です。 笑いあり涙ありでとてもよかったです。
天童よしみにやられた
笑って泣いて心がポカポカ温まる良い作品です。 大爆笑とまではいかないですが、クスッと笑えるシーンはたくさんありました。 お風呂のシーンでは大人数いて動きもあるのに、おしりは丸見えでも前は一切見えないようにカメラアングルなど工夫されていて面白かったです。 最初は分からなかった銭湯のアレコレも後から分かるようになっていて、ちゃんと伏線も回収されるところはスッキリできて良かったです。 いろいろな人たちのエピソードも盛りだくさん。 なかでも天童さんにはやられたという感じ よかった。
作り物感
お湯は気持ちいいという単純明快さが伝わる点は、たしかにストレート。 短編ハートフル系の群像人情話の連作で、一本の映画にしてはいたが、取り留がはない。 形にはなっていたけども、情感に訴えかけるだけ。 燃料費や水道代、父親の死後の相続税、固定資産税など、銭湯の経営とかについての言及が表面的なものしかないので、存続に関してはリアリティのない寝言だなぁと。 舞台の銭湯は井戸水、廃材の薪がいくらでもただで手に入るって設定はご都合すぎだし。 外観は「マスカレード」シリーズでお馴染みの手法、CGとセット。 中も既存の銭湯の流用に、セットにCG加工ってとこで、「作り物感」バリバリ。 豪華ゲストに、フジテレビのバラエティ感が盛られていたように感じました。
窪田さんの佇まいがいいね。
窪田さんの佇まいが良いんです。 若くして、道を極めつつある者って雰囲気が漂ってるの。 だから、湯道に妙な説得力が出てくるんです。 でね、そうなると窪田さん以外の台詞もなんか名言に聞こえてくるんですよね。 なので、見終わった時には、良い映画を観た気分になれました。 お風呂に入った時の様な、温かい気分で映画館をあとにできる映画かな。
幸せとは。
正直に余り期待せずに観たのですが… とても良かったです。 日々の些細な幸せに、気が付けるかどうか 再度考えるキッカケになりました。 人生色々不満はあるけれども、こうして気まぐれに映画を観に来れる。 そんな今は、きっと幸せなんだなと 今の当たり前は、もしかしたら… とても贅沢なのかも知れないなと。
テルマー湯帰りに「湯道」を見る。
お風呂は幸せ。サウナは幸福を得るためのスパイス。岩盤浴があればなお良し。そんな日本に生まれて良かった。入場前に大粒バブ、帰りにはion waterを頂いた。またお風呂に入りたくなった。
主役級のキャストが
とてもほっこりさせられた映画。生田さんのちょっとイラっとさせられるキャラから始まりでした…このまま進んでいったら嫌かなと思って観てるうち、劇中の親子の歌声(映画の内容もありましたが、上を向いて歩こう…の二人の歌声にやられた感じです)に涙が溢れてました。観て感じて欲しいので詳しくは書きませんが、主役クラスの役者さん達がまわりを固め、その辺りから其々の思いを色々知って、映画の中で体験していったかのような感じでした。親子に兄弟、同級生や同僚と友人に色々な場所で知り合った人達、そんな人と人の繋がりはこれまでの自分の人生には無かったことばかりだったので、羨ましかったり、落ち込む程反省することが多かったです。
角野卓造の顔力
温泉でなくても温泉を名乗る銭湯があるという事をはじめて知った。 テーマはみんなで大きな風呂に入ると日常の嫌な事を忘れ、癒しの効果があるのでみんな銭湯に行きましょう・・・と言ったところか。 自宅が檜風呂に改装されても小日向文世さんは引き続き銭湯には通うのだろうか?とか、そもそも常連客達の自宅にはお風呂があっても毎日450円を払って銭湯に通っているのだろうか?などと無粋なことを考えてはダメで、あくまでも現実とは少し違う設定のファンタジー映画として鑑賞するスキルが求められる。 唯一現実的な立ち位置で現在の銭湯事情を真っ向から指摘した吉田鋼太郎さんはこの世界では悪役のように描かれているが、採算が取れていない事について憂慮する発言もあり、ある意味脚本家のこの無責任な世界観に対する小さな言い訳のようにも取れる。 柄本明さんの怪演は安定の面白さだったが、角野卓造さんが湯船から出てくるシーンは板尾係長以来の爆笑シーンで顔面アップの破壊力は強烈だった。 人間は歳をとると赤ん坊に戻るというというが、角野さんのツルッとした顔が赤ちゃんのようで、取り上げた赤ん坊を産湯に浸け、自分も最期はお湯を掛けられるという輪廻の様な設定についてはよく考えられているなあと思った。
鑑賞後の湯をリザーブしておくべき
銭湯LOVEなこの映画を観てお約束だが風呂に入りたくなった訳だが、よく考えれば銭湯って入ったこと無いな。アラフィフの私が幼少の頃は当時では珍しくなってただろうけど家は五右衛門風呂だった。また家から1分もかからない処に銭湯があったが(子供の頃に廃業された)大人がいっぱいいる印象でいい覚えがない。 最近サイコロきっぷで温泉に行って旅館の露天はもちろん良かったが、旅館前の総湯が地元の人が集まっていて皆さん顔馴染みなんだろう挨拶を交わされていて活気があり(なぜか入れ墨の人が多かった)、寺島進や柄本明のような貫禄を持った方が多く、ややビビりながら湯に浸かった。湯の温度も熱めが好きな私でもかなり熱く感じる湯温で、この映画の銭湯の雰囲気に近く羨ましく感じたのを思い出した。 生田斗真はNHKドラマの『大河ドラマが生まれた日』でも感じたが、ノスタルジーを感じさせる、ちょっと抜けたところがある明るい主人公を演じさせれば、今は右に出る者はいないのではと思わせるハマりっぷりだ。
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