ボーンズ アンド オールのレビュー・感想・評価
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人を喰って愛を貫く二人
人喰い族というホラー映画然とした要素が売りの作品であるが、本作はただそれだけの作品ではないように思う。そこにはマイノリティの苦悩が隠されているような気がした。
マレンやリーのカニバリズムの衝動がどこから来るものなのか。それは映画を観終わっても良く分からなかった。ただ、遺伝が関係していることは明確に示唆されており、そこには抑圧されながら生きる被差別民の姿が投影されているような気がする。
また、食人の衝動はここでは恋愛の衝動に似た意味で語られているような気がした。
例えば、それは同族を匂いで感知するという彼らに特有の本能からもよく分かる。これはオスとメスが放つ”フェロモン”に近い生理的現象なのかもしれない。
また、彼らは生きていくために我々と同じように普通に食事をするが、人肉を喰うと特別な興奮と快感が得られるということだ。これはセックスの快感に割と近いものなのかもしれない。
こうしたことを併せ考えると、マレンとリーが惹かれあっていく今回の物語には”性的少数者”の苦悩が何となく透けて見えてくる。
人種差別やLGBTQ等、本作は深読みしようとすればいくらでもできる作品であり、単にホラー映画という外見だけで捉えてしまうには惜しい作品のように思う。物語の根底に忍ばされたメッセージを汲み取りながら観ていくと大変歯ごたえが感じられる作品である。
ただ、寓話としては面白く読み解ける作品なのだが、このカニバリズムという設定はやはり余りにもインパクトが大きい。それゆえ、どうしてもその意味については解明を試みたくなる。
しかして、本作はその本質に迫れているか?と言えば、自分はそこまでの深淵さが感じられなかった。どうしてカニバリズムなのか?その真意が読み解けなかった。
本作にはヤングアダルト小説の原作があるようだが(未読)、そちらにはマレンたちが食人になった経緯などは書かれているのだろうか?
監督はルカ・グァダニーノ。展開で首を傾げたくなる個所が幾つかあったのと、マレンの父親が残したカセットテープが余り上手く活用されていないことに不満を持ったが、演出は概ね安定しているように思った。リメイク版「サスペリア」に続き奇しくもホラー付いているが、見せ場となるようなビジュアル・シーンは前作ほどの刺激性はないものの、作品のテーマとしては十分に野心的で先鋭的で、改めてこの監督の独特な作家性には魅力されてしまう。
キャスト陣では、どうしてもリーを演じたティモシー・シャラメに目が行ってしまうが、サブキャラにも魅力的な俳優が揃っている。
特に、マレンが最初に遭遇する同族のサリーを演じたマーク・ライランスは印象に残った。自己の中に人喰いの自分とそうでない自分を抱えた精神分裂症気味な怪演がインパクト大である。
また、マレンたちに骨まで喰う恍惚感を嬉々として語るマイケル・スタールバーグ、マレンの母親を演じたクロエ・セヴィニーも少ない登場ながら印象に残る演技を見せている。
hungry like the wolf
これは好きだった
凄い役者揃い
骨の全てまで
結構好きだった。
この監督が映し出す"人"は本当に綺麗。
アメリカの田舎町に映る、社会からはみ出た2人の逃避行。その随所で切り取られる2人の表情が凄く印象に残ってる。
テイラーラッセルの現実を知った哀しみやときたま見せる本能的な表情。ティモシーのどこか幼さを感じさせつつも、重たいものを経験した上でのやるせなさ。
そんな負の感情の中で、2人が惹かれ合うなかで見せるあどけなく光を感じるような瞬間。
そのときどきで見せる表情が、背景と音楽と(あとだいたい車と)合わさってグッと心に何か訴えかける。
社会の中で孤独感を感じ、それでも生きていく。
背負ったもの・経験したものの重さはけっして1人ではかかえきれない。サリーや母親のように。
お互いを補完するかのように惹かれあって、
骨まで全て愛してる。
人肉食というかなりハードなテーマだけれど、
移り行く心情変化と、純愛の中で、ホラーにはし得ないどこか爽快感をも感じる、そんな後味がした。
ティモシーシャラメ
本能から
普通ってなんだろう?
ヴァンパイヤや人狼のアレンジかな
ティモシー・シャラメを観に行っただけなので、内容への賛否両論云々はどうでもよくて、「もうちょっとシャラメのカッコいいシーンを増やして欲しかった」という感想がまず真っ先にw
基本、世の中に受け入れられないマイノリティとして「人喰い一族」の設定を出しているのかなと。
ヴァンパイヤや人狼と変わらない、人間の命を糧に生きる魔物みたいな扱いですが、それらは現代ではもはやファンタジーとして定着してしまい陳腐さすらあり、ホラーになりにくいので、こういう風にアレンジしたのかと理解しました。
そして、この設定だと、「死んだ相方を食べること」がセックス以上の「一つになる恍惚感」をもたらせるわけで。
いろいろあざとさも感じてしまいました。
グロいシーン以外はいいよ、良いのよ。。
すみません、ホラー系が苦手なもので...
ティモシーシャラメの美しさだけが救いでした💦
(中性的なファッションも大好物でした)
途中から『人喰い』という設定は見ないようにしてました。
同族であると気付き、好意を持つ。
これって普通に、
特殊なカルチャーが好きだったり
特殊じゃなくても、同じアーティストが好きだったりしたら、お互い心開きますよね。
だからこの作品も『恋愛ドラマ』として見ていたんですが...
サリーちゃんてば😭
ストーカー親父だったのかよ!!
現実世界にも居ますよね、
自分の事わかって貰えると思ってる痛いヤツ。
相手の気持ちも考えず、独りよがりもいいとこです。
あのお母さんも、娘からは狂ってる!と独りよがりな考えだと思われたけど、
でも親からしたら、
こんな血は断つべきだ!と思うのも分かる。
だって、その後の彼女はどう生きるの?
辛すぎて、考えたくも無いわ。
タイトルの意味は、、
骨まで愛して...ってのと、
愛する人とひとつになる...っていう事なのかな?
百歩譲って、
同じお墓に入るのと一緒って事??
各々好きに楽しめる映画のような気がする
映画好きの友人がシャラメがヴァンパイアものに出るらしいよ(そんな事言ってないかも)程度の前情報で観に行ったら、いきなり主人公が学校の友達の指を齧り出したのでもしや幻覚ドラッグものかと一瞬だけ勘違いしながらえーーってなりました。血を吸うだけじゃないんかいと。
グロ耐性ない人向けの注意喚起で敢えて書きましたが、特にネタバレでもないと思うのでどうか寛容に。
本当に前情報を入れずに行ったので、最後のシーンが出てくる前に主人公ってWAVESの妹にめっちゃ似てないかと気付く位に間抜けな私ですが、本作もテイラー・ラッセルの演技が光ってました。
WAVESでの彼女が好きだった方には気に入ってもらえるんはず。キャラも若干近い気もしますし。
サリー役の大御所マーク・ライランスが非常に不気味で不快なキャラを演じてくれるんですが、こいつがいないとストーリーが進まないので重要ではあるものの、他にも様々なコンテクストやエッセンスが散りばめられてるので各々が気になるものに反応して色々考えたら良いかなと思いました。
キャストも非常に豪華なのでそれだけでも十分に楽しめますしね。
ティラーは、
悲しいね
映画をアートにしてくれる監督が好き
なかなか
血だらけ、血まみれのロードムービー
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