「ドゥームすいません」ファンタスティック4 ファースト・ステップ がばちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 ドゥームすいません

2025年8月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

例えばですよ。

日本の往年の時代劇でアベンジャーズを作るとするじゃないですか。

七人の侍、大岡越前、遠山の金さん、必殺シリーズ、暴れん坊将軍、大江戸捜査網、魔界転生などなど、それぞれ現代的な解釈で、よりスタイリッシュに、よりド派手に、意識高い系の自称新進気鋭のアーティスト達の承認欲求の踏み台にされて、賛否両論巻き起こすわけですよ。

ただね、水戸黄門だけはそうは行かないんです。変な味付けは許されず、我々日本人の体に染み付いたフォーマットを忠実になぞるしかないんです。印籠に新解釈なんていらないんです。

例えば『スラムダンク』が、『北斗の拳』が、『らんま1/2』が、『ダイの大冒険』が、『ゲゲゲの鬼太郎』が、『ジョジョの奇妙な冒険』が、それぞれ現代の仕様と解釈で劇的リブートされたとしましょう。

ところが『サザエさん』だけは『サザエさん』のままでこその『サザエさん』なのです。足しても引いてもだめなんです。

つまり、この『ファンタスティック4』もそういう事なんじゃないかなあ。

元祖であるからこそ、何も足さない、何も引かない。

原作へのリスペクトが最大限に詰まっていたであろう事は、作品の端々から伝わって来ました。いわゆる「わかる」側のアメリカ本国の皆様たちからは大喝采なのではなかろうか。(ただの想像)

『ドラゴンボール』にハマり、『鬼滅の刃』に人生を狂わされた外国人オタクが、その興奮のまま流れで『サザエさん』を見た時の感情が、今回『ファンタスティック4』を見た後の私のそれに近いのだと思います。

残念ながら私は「わかる」側の人間ではないので、その辺りを加味する事ができず、ええと、ぶっちゃけつまらなかったです。本当につまらなかったです。

せめてもの抵抗に、サーフィンのキャラクターの登場時のBGMに、あの伝説のゲームソフト『シルバーサーファー』の曲を脳内再生して、ひとりニヤニヤ自己満足を気取るのでした。

がばちょう