「スベってました」ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り Jongoさんの映画レビュー(感想・評価)
スベってました
劇中何度もファンタジーあるあるギャグが繰り出されます。
こういう映画って、ギャグとして軽く流したセリフが後になって伏線として機能するみたいなのが良作になる条件だと思うんですが、ずっとギャグは使い捨てでした。
じゃあ、そのギャグ自体面白いかと言うと、ひとつも面白くない。死体のところとか、面白くない+くどいくらい長い。「それ最初に兜の行方知ってる死体を引き当てても、お話変わらないよね?」とずっとイライラ。
おそらく多くの人が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を想起すると思いますが、まるで質が違うと思います。
あっちは本当にヤバい状況でもギャグを言っているため、ギャグ自体が面白いだけでなく、これ以上絶望に飲み込まれないための彼らなりの必死の抵抗にも見えるから余計に面白く、味わい深いんです。
今作ではギャグを言っている時は作戦会議中とか安全な状況ばかりで、ヤバい状況では普通に焦っている。だから、終始ふざけてるだけにしか見えません。ほんとに娘助けたいと思ってる?
そして、1番ダメだと思ったのは主人公の成長の描き方。
「娘の母親でなく、自分の妻を取り戻したかった」という身勝手さを認めて、娘に詫びるシーンは不可欠だと思うのですが、結局娘には言ってませんよね?(言った相手は沢城みゆきだったし)
だから、娘がフォージでなく主人公を選ぶ理由も
「フォージおじさんは私を騙してた。ということはパパは本当のことを言ってた。だから、パパの元に戻ろう」
というふうに見えました。つまり、父親としての信頼を絶対的に取り戻したのではなく、相対的に良い人だから選ばれたのです。
ギャグもつまらない、カタルシスもない
役者は良いのに、もったいなかったです