ミセス・ハリス、パリへ行くのレビュー・感想・評価
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まるでシンデレラストーリーのように素敵!
ミセスハリスがとてもキュート!第二次世界大戦後のロンドンで力強く、明るく日々を生きている姿や、Diorのドレスに魅せられ、Diorのドレスを買うという夢に向かって突き進むところも素敵!それだけで毎日が生き生きとしてくる!
またそれに加えて当時のロンドンでの庶民の生活や、美しいだけではないパリの側面、そしてあのDiorがその当時までオートクチュールのみであり、厳しい時期を経て既製品のプレタポルテの時代になっていくことなども織り交ぜられていて興味深く観ることが出来た。
いくつになっても夢を諦めず突き進む勇気をもらえますね!年明け一本目に相応しい、前向きになれる素敵な作品でした!
気高く生きる勇気をもらえる清々しい作品
なぜ映画を観るのか。
いろいろな理由はあるけれど、観た後の幸福感、爽快感というのは、多くの人にとってその理由のかなり上位に位置づけられるのではないかと思う。
出来すぎたストーリーではあるものの、本作は前評判に違わず、エンターテイメントとして良質な、実に清々しい気持ちにさせてくれました。
戦争で夫を亡くし、家政婦として慎ましく生活する中年女性が、勤め先の裕福な家でクリスチャン・ディオールの500ポンド(今の日本円で250万円〜400万円!)するドレスに一目惚れし、努力に幸運も加わり、ついにパリのディオール本店へ。
訝しがられつつも、次々にディオールの客やスタッフが彼女の魅力に引き寄せられ、影響を与えていく様が、気持ちいい。
高い教養があるわけでも、育ちが良いわけでもない(たぶん)彼女に、なぜ、皆、引き寄せられるのか。
家政婦として真摯に仕事をしながら、ディオールの完璧な仕事を賞賛し(そもそも彼女はドレスを誰かに見せびらかしたいわけでなく、どうやらその「完璧な仕事」に惚れ込んでいる様子)、おかしいことを「おかしい」と言う。
そんな彼女に(苦難がありながらも)幸運が訪れるのは、観ている私たち庶民にとって、実に清々しく、スクリーンの前で拍手で讃えたくなる。
そう、私たちは他人と比べて嘆いたり荒んだりすることなく、目の前の仕事に真摯に向き合い、周りにいる人たちを尊び、助け、自分自身も蔑むことなく愛し、気高く生きる。そうしているだけで自然と幸運は舞い込むもの。
そんなことを信じさせてくれる作品でした。
ハリスさんのように、目をキラキラさせながら歳を重ねていきたい。そのためには、今の仕事に全力を注ぎ、まわりの人たちを大切にしようと思う。
私は金で夢を買いました。それで何か問題でも⁉️
のっけから、身も蓋もないことを言います。
夢は金で買える‼️
もちろん、金で買えない夢はたくさんあります。
金メダルを取る、W杯でベスト8に入る、メジャーリーグで活躍する…
才能、環境、努力、運。
これらは金ですべて揃えることはできません。
(上場企業の社長になる、とか大臣になる、というのは今どきの若者にとっては、〝夢〟の定義からは外れてしまうのかな?)
自分には夢がない、とか、夢が見つからない、と心を傷める若者がどのくらいいるのか分かりませんが、金で買える夢だってあるし、そのためにどんな仕事(ただし、不法なものや倫理的に問題のあるものはやめましょう)だっていいんだよ。仕事自体に夢を求める必要はないし、買えるかもしれない夢のために稼ぐというのも立派なひとつの生き方なんだ❗️と私なんかは思います。
大事なことは、夢を叶えるために頑張る(稼ぐ)ことは、自分の在り方や考え方に大きな変化をもたらすし、その過程を見てる周りの人にもかなりの影響を与えるということです。家族、友人、恋人、同僚…どんな関係であっても応援したくなるし、応援することを通じてその人にも新たな人間関係や考え方の変化が生じる。
だから、みんながみんな個々に夢を持つ必要なんかなくて、誰か身近な人の夢の応援団になるだけでも、豊かで充実した時間と体験を得ることができます。
だから、
あなたの夢はなんですか?
という問いかけや作文を書かせるのは、もういい加減にやめませんか?
金で買えることは買えるけど、桁違いに困難なこと(夢)もたくさんあるわけで、それを得るまでの努力とか維持継続していく責任感は並大抵のものではなく、実現しようが出来なかろうが、そういう方を私なら素直に尊敬します。
例えば、どこかの社長さんのように民間人として宇宙旅行に行くこともそうだし、JRAの馬主になることもそうです(正確ではないけれど、7〜9千万円以上の資産があり、2年以上連続して2千万円近い所得があること、というレベルの資格要件があったと思います。10億円の宝くじが当たっても、所得の要件は満たせないわけです😫)。
ゆるふわ女子は永久不滅ポイント
主人公のマダムは、まあマダムなんだが、それを上回るちょっと天然風味のゆるふわ女子っぷり。これがまぁモテるわけで。「はわわー、ほよよー」は世界共通なんだなぁ、と思った次第。んまぁ「はわわ、ほよよ」までは行ってないけど。
一方で、そこに食いつく男子勢の方もなかなかの枯れっぷりのいい男達。個人的にはそちらが眼福でしたね。上唇に沿わせるエロ細髭は大好物です。
物語的には「ちょっと天然だけどバイタリティに溢れる主人公が、みんなの悩みをずばっと解決」的な。少し日本のテレビドラマ的と言うか。職業的なアレもあり、某ミタ的ではありましたね。
大落ちから逆算したんであろう、ラストに向けた脚本のバタバタ感はご愛嬌。良質なベタ物語です。いい意味で普通に面白いです。
実は無神論的実存主義に貫かれた物語なのにシニアの恋物語としても完璧な愛すべきドラマ
1957年のロンドン。エイダは未だ戦地から帰ってこない夫を待ちながら半地下のアパートで待ちながら家政婦として黙々と働いていた。ある日ある家の清掃中にご婦人が夫に内緒で買ったというディオールのオートクチュールのドレス“魅惑”を見つけた彼女はその美しさにたちまち心を奪われてしまう。自分もディオールのドレスが欲しい、その思いに駆られた彼女はせっせと貯金を始めるが・・・。
タイトルが示す通り、ロンドンとパリを舞台にした物語なので半分フランス映画の雰囲気。しかしながら本作で描かれる1957年のパリはエイダが駅で出会った浮浪者が“労働者達がこの街の王だ”と嘯くほど労働者のデモが街の至る所で起こっていて道路には堆くゴミが溜まって腐臭を放っている。そんな荒廃を傍に見ながらエイダが辿り着いたディオールの本店は貴族をはじめ裕福な人々しか集まらない世界。労働階級のエイダは早々に屈辱を味わうが、無二の親友バイ、馬券売りのアーチー、会計士のフォーベル、モデルのナターシャ、女優志望のパメラ、シャサーヌ侯爵、そしてハウス・オブ・ディオールを支えるスタッフ達との交流を経てドレスが出来上がるまでの短い休暇で人生観をごっそりひっくり返すような経験をする様がとにかく微笑ましくて美しいです。
本作が非常に特徴的なのは物語の根幹をサルトルの無神論的実存主義が支えていること。1957年のフランスはアルジェリアの独立運動が盛んとなっていた時期とも重なり、サルトルらがそれを熱烈に支持していた時代。エイダがフォーベルに窮地を救われるのも彼女が持参した現金目当てだし、劇中でもフォーベルとナターシャがサルトルの『存在と無』について語り、即自や対自という言葉も出てくるわけですが、確かにエイダはどんなに過酷な状況であっても神に祈ったりしないし、運命を神に委ねたりせず自分の意思で困難を乗り越えていく。エイダは劇中で何度も何度も“透明人間”扱いを受け彼女もそれに甘んじますが、これはまさしくエイダが“無”として生きてきたことを示していて、即自を象徴するものがディオールのドレスであり、対自はエイダを始めとするあるべき自分の姿を見つけることの出来た全ての登場人物そのもの。清貧に徹し黙々と働いてきたエイダが人生で培った経験と知恵で小さな革命を起こしていく様が当時のパリの空気とシンクロしていく清々しさに魂が震えます。
そんな背景に気付かなかったとしても本作は十二分に魅力的で、何者でもない主人公が階級を超えて人々を覚醒させていく物語は『アニー』のそれとなんとなく似ていて、満を辞して用意されるクライマックスには"I Don't Need Anything But You"を被せたい欲求に駆られました。そして何よりシニアの恋物語としても完璧で、『輝ける人生』にあったのとよく似た切なさと清々しさが印象的です。
主演で製作総指揮も手がけるレスリー・マンビルのキュートさがとにかく輝いていますが、イザベル・ユペール、ランベール・ウィルソンといったフランス映画界の重鎮の演技も見事。登場人物は皆素晴らしいですが、ディオールの看板女優でありながら自分の生き様に疑問を持ちエイダと心を通わせるナターシャを演じたアルバ・バプティスタの儚くも健気な美しさに心を奪われました。
意地悪な人が見れば116分丸々ディオールのプロパガンダということになってしまうかも知れませんが全然そんなことはなく、様々な感情が揺さぶられた後にがっつり涙を搾り取られる物凄く分厚いドラマです。
刺さる人には刺さる映画。
明るい映画
楽しかった
ドレスは未亡人を少女に変える
一緒にディオールを夢みて過ごしたような時間
ハリスの旋風
ポール・ギャリコの大ファンだけど、このシリーズは未読。早く見ないと終わってしまいそうなので、不本意ながらひとまず先に映画化作品を鑑賞することに。
ひとことで言えば夢物語だけど、ギャリコならではのストーリーテリングで、文句なしに暖かい気持ちにさせてくれる作品。主人公が出会う人々が皆善人すぎるとは思うけど。雇用問題とかストライキでごみだらけのパリとか、ところどころ苦味が効いているのも相変わらず。
ハリスおばさんを演じた女優は、タレントの千秋が20年ぐらい年とった感じだ。
原作では、このあとハリスおばさんはニューヨークに行ったりモスクワに行ったり国会に行ったりするみたいだけど、映画も続編があるのかな?
幸せな気持ちになれる映画
ドレス素敵
基本ディズニー映画的
CMなの⁉️原点回帰への意思表示なの⁉️
映画comイチオシセレクション。
ハイクオリティヒューマンドラマを期待してました。
その期待には全く合わなかったのですが、
ブランディング戦略としての映画の価値に気付かされ、
大きな学びを得る作品となりました。
制作意図はこれ以上なくハッキリ。
パパ活ブランド化して本来の顧客層が離れたディオール。
コロナ後不況で不振です。
自分で稼ぐチカラを持つアッパーミドルクラス女性客を取り戻したかったんですね。
それで、ほんわかしたドラマでイメージアップ⤴️
若い子が金持ちおじさんに買ってもらうブランドじゃないんですよーと。
ドロドロ劇のグッチとは全然違うハイクラスメゾンなんだ❗️ってメッセージ発信📩
ブランドの再定義がしたかったディオールと映画産業がコラボ‼️
ハッピー展開一辺倒で甘過ぎた為、
視聴直後は拒否反応がでましたが、一晩寝てみると面白い新しいカタチだなって😁
リブランディングほど難しい仕事はありません。
この5年間の暴走の後ならなおさら。
映画でささっと取り返せるという甘い考えをお持ちなら、ディオールは廃れるでしょう。
シナリオにあったように、現場とお客様が着るシーンを大切に出来る原点回帰がキモ。
CM映画でしれっと元のお客様にアピってるだけなの⁉️
本当に原点会議する宣言なの⁉️
これからのディオール次第でコマーシャル映画という新しいジャンルの価値が変わりそうな作品でした。
ファッション&映画好きとしては、映像作品を介してのソーシャルコミュニケーションは大歓迎。
映画の新しい可能性にカンパイ‼️
イギリスのおばさん
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