ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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原作未読だから楽しめた?
ミステリーというと、犯行手口や、真犯人が誰かというあたりが焦点になることが多いのですが、本作は「殺人が事故か」が争われるポイント。
裁判を追いながら、いかに容疑者である主人公・カイアの生い立ちが悲惨で、カイアの父親と変死体となった男とが似ているか、長年にわたる町の連中から受けたカイアへの差別と偏見がひどかったかが描写の中心で、なかなかにクるものがありました。
そして……
モヤモヤモヤモヤのラスト。
そこがいい。
見応えあり、良作の一つでした。
ただ、原作未読での鑑賞だったので私は面白かったんですけど、小説から入った人には不満が出るかも。
ネットで知る範囲だけれど、原作にあった幼少時のカイアが凄まじい飢えやそこからくる凶暴性、不潔さ・臭さなど「差別されるだけの外見的な理由」が映画では描写されていないと。
こぎれいなまま成人し、恋愛模様に突入していくのが、原作改変が大きく、ご都合かつ、淡泊に見えるという問題点もあるらしいです。
映画は映画であり独立していて、原作通りでなくともよいと思うのですが、原作派からすると物足りないのかもしれません。
私もこれから原作を読んでみようかと思います。
2022年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
鑑賞後、原作本をぜひ読みたくなりましたね。
正直、ミステリーとしての面白さは50点ぐらいなんですが、そんな事がどうでも良くなるくらい舞台となるノースカロライナ州の湿地帯の自然描写の素晴らしさや、主人公カイヤや、彼女を取り巻く人々の人物像、時代の空気感などの描かれ方が優れていて、ホント沼地に足を取られたかのように作品世界にアッという間にはまって行きました。
本国アメリカの映画批評サイトでは、一般オーディエンスの評価が非常に高いのに比して、評論家の評価は軒並低いようです。
が、この秋、この作品を見逃すのはあまりにも勿体ないかな…と思います。
*ネタバレですが…
一体彼女はどうやって"1時間"の間に犯行をやり遂げたのか?そんな種明かしでもあれば、ミステリー・ファンも納得の作品になったかも知れません。
でも、その部分は重要ではないんですよね…。
死に際に母親の幻を見た場面は、この作品の最も人間くさい場面でした。
「感情などないのかもしれません、むしろ懸命なのです」
この映画、期待して望みました。
正直なところ期待し過ぎたかもしれません。
終始どうしてもヒロインに近づいてくる人間に下心、損得勘定?何が目的なのかを勘くぐる自分がいました。
ラブシーンが多くしつこく感じてしまいましたが、それを吹き飛ばすかのような湿地の自然の美しいシーンは圧巻です!
「人間は去るもの」
ラストの衝撃的な事実もですがこのセリフも切なかったです。
最後に残った最たる謎。
正直公開前に衝撃の結末とか余りにも煽り過ぎです。もうどんな結末がご用意されてるのかと期待値MAXでドキドキしながらの鑑賞でしたが、さすがに終盤に差し掛かるとこれはもしや?!って空気になって結局そらそうだろうなってオチでした。
ただ構成や演出は面白かったし、ちゃんと真相が明らかになるラストもモヤモヤせず良かった。湿地の娘とレッテルを貼られ禍々しくも美しい負のオーラを纏ったカイアとそんな彼女に惹かれる男たち。町の有名人チェイスの不可解な死。彼の命を奪ったのは一体誰なのか。恋愛要素と法廷を舞台にしたミステリー、そしてそれに説得力を与える沼地の静かな自然美。
テイラースウィフトが歌うエンディングも心地良い。ところでザリガニって鳴くのだろうか。それが残された最大の謎かもしれない。
やたらとチューシーンが多いわ
まず、なんで家族は幼い娘を1人残して居なくなるのか? 疑問。
あとは、その幼い少女の切ない話を延々と見せられる。それはそれで、決して悪くは無いし前のめりになり、ラブストーリーを見せられる。
法廷のシーンは、それなりに良いし、決着もそうではあるが、いかんせん事件の真相の説明は無い。ラストのラストで想像を掻き立てる描写にはなるが、結局そこは、視聴者のイマジネーションに任せるということなわけだわ。
ラストのオチもそうだし獲物を捕獲するだとかは、なんか今まで見たことあるような気がするし……。悪くはないが。捻くれ者のオイラには、期待していた分、正直今ひとつだった。
生育環境のせいにしない力強さ
幼少期から壮絶な家庭環境、女の子1人で生きていく学校への登校わずか1日ながら賢く学び取っていく。
私が世界名作劇場で1番好きな「ペリーヌ物語」と似た感じ。法廷のシーンなどで活躍する弁護士さんもいい。日本で弁護士、裁判官を描くととびきり変わった人が登場するがこちらは真っ当。エンディングは賛否が分かれるだろうがはっきりそうとは思えない。それよりも老齢まで長い物語にしたことこそこの映画の奥行きの拡がりにつながっているのではないかと思う。
法廷と人間ドラマ全く半々の映画でした
面白く鑑賞しましたが、半々なのでどちらももう一歩欲しいところです。
役者はみんな良かったと思います。特にジャンピン夫妻、弁護士はよかった。演出は悪くは無いのですがもう一歩かなあと。原作未読です。ザリガニのことはもっと詳しく書いてあるのかな?法廷でのやり取りももう少し描写があるのかも。私は犯人テイトかと思ってました。でも塔に初めて行った時伏線ありましたもんね。
それともう少し短く出来たのでは?しかし実際あんなポツンと一軒家に少女が1人で暮らせるものだろうか?周りは意外といい人が多かったのかも。他人に興味がないだけで。
美しく強靭な物語
自然豊かな湿地帯で起こる静寂な事件
アメリカで1500万冊を売り上げた小説を映画化。
舞台は1969年のノースカロライナ。湿地帯に住む主人公カイアがある殺人事件の犯人に疑われ、現在進行形での法廷のシーンと回想シーンが交互に描かれてゆく。
カイアの惨めな幼少期から、プラトニックな恋愛模様、また湿地帯の美しい情景が切り取られ、それだけでも必見の価値がある。
シンプルな相関図で、誰が犯人かは大体予想がつくため、サスペンスを求めすぎると肩透かしを喰らうが、全体としては上質なミステリーとしての輝きを放っている。
メスのホタルやカマキリの話から、自然には善悪がないというカイアの発言は、この話のキーポイントになっている。一般社会から切り離され、偏見の目でみられていた彼女が、自然の中においては力強く生きるコントラストの描写も丁寧である。
タイトルにある「ザリガニ」は当然歌う(鳴く)ことはできないが、男性優位の社会であった当時の女性の立場や、社会から隔絶されたマイノリティを「ザリガニ」と表現しているのではないかと推測する。
アメリカの良心の‼️❓心の叫びを聴いたのだ❓‼️
自然の摂理
正統派映画久々に2時間短く感じました
ザリガニは1匹も見当たらなかったけれど
湿地の娘は独り暮らしにはなったが、決して孤独ではなかった。町民に蔑まれたが、無罪を勝ち取ることで復讐を果たした。ミステリーとして見たら少々がっかりするが、女の半生記としてだとかなり見応えがある。原作本を買って帰ろう
ラストの満足度が高い
この頃はめっきり映画のCMが減ったのに、この映画はものすごくTVで CMが流れていて、配信元の本気を感じる。
そこまでCMをやるなら、絶対に面白いんだろう。よし、見てやろう!!と映画館に行き、
はい、面白かったです🙆♀️
ただ思ってたのとは、全然違った。
ドラゴンタトゥーの女みたいなミステリーかと思いきや、純愛ものを見たような。
ヒロインも舞台となる湿地の景色も美しい✨
湿地に取り残された少女。
彼女にとって湿地は、ホームそのもの。
自然から学び、共存する。福祉を頼ればいいとつい思ってしまうのは、生きてきた場所が違うからだ。
踏みにじられれば、彼女はひれ伏さずに戦う。戦わなければ、人生を奪われてしまうから。
衝撃の結末。
世の正義とは違うかもしれないが、
映画を観た人は、きっと満足するはず。
湿地で生きる少女を通して見せるさまざまな物語
不穏な雰囲気が漂う予告で、公開を楽しみにしていた本作。淡々とした展開の中にも惹きつけられるものがあり、最後まで楽しく鑑賞できました。
ストーリーは、湿地で変死体が発見され、殺人の容疑をかけられた、湿地で一人暮らしをする若い女性のカイアが法廷で裁かれる中で、彼女の生い立ちから現在に至るまでの壮絶な人生が明らかになっていくというもの。変死体となったチェイスの死の真相をめぐるミステリーの体を装いながら、カイアと彼女のよき理解者であるテイトとのラブストーリーでもあり、湿地の自然を堪能する記録映画のようでもあり、当時のアメリカの差別社会への戒めのようでもあり、さまざまな楽しみかたができるのが本作の魅力です。
冒頭で発見された変死体の死の真相をめぐるストーリーではありますが、前半は事件よりもカイアの人生そのものに興味を惹かれます。年端も行かない少女が両親に捨てられ、湿地で一人で生き抜くなんて、とても現実的とは思えません。しかし、これまでの記憶や経験を頼りに、湿地で暮らすことを決めたカイアの覚悟がすさまじいです。そこで母を待つために離れられなかったのか、湿地をこよなく愛していたのか、自分を蔑む人々の中に入っていくことを拒んだのか、カイアの心中には複雑な思いがあったことと思います。そして、これらが全て伏線となり、後半に収束していく流れが秀逸です。
そんな彼女をさりげなく支える店の黒人夫婦、彼女に読み書きを教えたテイトは、カイアにとって実の家族以上に心のよりどころとなっていたと思います。だからこそ、テイトの裏切りは許せなかったでしょうし、心に空いた穴をチェイスで埋めたかったのかもしれません。しかし、その穴をチェイスでは埋めることができないことは、カイアは初めからわかっていたようにも思います。彼女は、湿地とそこで生きる自分をありのままに受け入れてほしかっただけなのかもしれません。
主演はデイジー・エドガー=ジョーンズで、彼女の美しさにずっと見とれていました。テイトとチェイスに見せる表情や雰囲気の違いがとてもよかったです。何気にデビッド・ストラザーン演じる弁護士も有能でよき。ただ、後半はその冴えわたる弁護が仇となり、ラストが予想できてしまったのはもったいないところです。それでもオチの見せ方としては、余韻の残るいいラストでした。
ミステリとしては
原作未読。
アメリカですごく売れた「ミステリ」だという触れ込みに食いついて劇場へ向かった。
主人公の女性はすごく綺麗だし演技も上手。若い頃のアン・ハサウェイを思い出した。
その彼女が、恵まれない境遇から周りの人々との関わりの中で自分の人生を切り開いていくという1人の女性の成長譚としては良い。
自然の映像は美しいし、「湿地」というあまり馴染みのない地域で暮らす人達の生活というのも興味深い。
ただ。
これを「ミステリ」だと思って観てしまうと、かなりの肩透かしを感じてしまう。
少なくとも、あのラストは「衝撃」でも「驚愕」でもない。
「物語の最後に、ちょっとした仕掛けがある。」
そのくらいの気持ちで観るのがちょうど良いのでは。
ラストシーンは衝撃でもなく、ミステリー色も強くなかったですね。
アメリカの美しい法廷ものと言う劇レア作品
アメリカ文学って日本じゃ誤解されてると思うんです。文章の美しさって言う点では、今の日本文学じゃ歯が立たない、的な感覚を個人的には持ってますが、それを映画で証明されちゃったよ、的な。
洋画の年一候補でした。
ラスト5分の多幸感からの、ダーーークな締めの心地良い緩衝撃。コイツはたまらーんw
暗い沼。美しい浜辺。
求愛の光。捕食のための発光。
分かりやすい対比と、意味的な二面性を、脚本と映像でしっかり描写して行きます。一本の劇場用映画としてのクオリティの高さが際立ってますし、要するにオチの示唆は、そこら中に振り撒かれてると言う。
そーなんですよ。
不憫な少女の物語りに始まり、美しい愛の物語りに騙されて、基本は法廷サスペンスだってことを忘れてしまうと言う。
この、狙い澄ましたフェイクが最高に好き。
良かった。
とっても。
コレは悩む事なく⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎だす。
と、年一候補だす。
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(11/21 追記)
グリーンビルのホテルで出版社の人達との会食で、カイアはこう話します。
「おそらく、そこには善悪は無い。ただ生きるために必要な事をするだけ」
その直後、彼女は、自らの口で語った、湿地帯の昆虫たちと同じ行動を取ったことになります。
本当に危なくなったら「ザリガニの鳴くところ」に逃げろ。
カイアを置いて出奔する兄が彼女に残した言葉。真意は、湿地帯の奥深く、誰にも気づかれることの無い暗い沼に隠れろ、だったかも知れませんが、これは所謂 Double Meaning . 別の解釈は
「自然に学び、自分の身を守れ」
でですよ。最初にポスターのデザインを見て思っったことは「羊たちの沈黙に似てる」だったんです。羊たちの沈黙の意味は「羊たちの悲鳴が止み沈黙が訪れる」=「羊たちに死が訪れた」。クラリスにとっては「トラウマからの脱出」と言うダブル・ミーニングが準備されていました。
カイアは羊たちの様に座して暴力に曝されるのを待たず、行動を起こして自分自身の身を守った。羊たちと逆なんですよ。原作出版は2018年とのこと。羊たちの沈黙の逆張りってのは、意識してるよねぇ、って勝手に思ってます。
ザリガニが鳴く描写がみたかったんですぅ😡
いつものように原作未読でございます
胡散クセェ金持ちの息子が死んで辛気臭ぇ湿地女が容疑者にされてるって話
私はねザリガニがキシャー!キシャー!って鳴くところが見たかったんですけど…ないじゃん!!そんなシーン😡(残念ポイント)
結局裁判で無罪は勝ち取るけど真相は闇の中にみせかけて…それが納得いかない
ようするに痴情の絡れってやつですよ
人間関係に恵まれないカイアには同情しますけど
要するにテイトにいろいろ変えるチャンスをもらっていたのにそれを拒んだ結果、口の上手いバカ男に騙された結果やっちまったわけでしょう
途中まで応援していたし信じていたんだけどラストで全部吹き飛んだ!!あれはどう解釈すればいいの?
最後にあんなもの見せられたテイトが哀れでならない
証拠隠滅して尚且つ似顔絵と一緒にもってるなんてテイトからするとNTRとほぼ一緒。荒々しいバカ男のカラダが忘れられなかったととれなくもない。
途中までテイトが犯人だろうと思っていた罪悪感もあってテイトにすっごく同情してしまいました
ちょっと考えすぎでしょうか
追記
観てる側からすればチェイスのバカなんて見えてる地雷。遊びのくせに逃げられたら暴力で服従させようとするようなヤバいヤツだから生かしておけんと思ったのかもしれんがなんとも後味の悪いお話でした
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