その声のあなたへのレビュー・感想・評価
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幅広い年代の声優が語る貴重な談話、アニメ・声優ファンに広く見ていただきたい1本
「北斗の拳」のラオウ、「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻千兵衛、「ドラゴンボール」の神龍など、多くの作品で活躍された声優・内海賢二さんのドキュメンタリー(一部、劇映画ふくむ)。大ベテラン、中堅、新人まで、幅広いキャリア・年代の声優の方々が語る内海さんの思い出やエピソードはどれも貴重なものばかり。内海さんご本人の映像も盛りこまれていて、見ているうちに内海さんのことがきっと好きになると思います。関係者の談話では、ややセンシティブなところにも触れられていて、残す覚悟が感じられました。
個人的には劇映画の部分はなくてもいい気がしましたが、内海さんを知らない世代に届けたいという意図はよく分かります。少しでもアニメや声優に興味がある方にはぜひ見てもらいたい1作です。
声優さんの偉業
アニメファンばかりでなく、映画ファンも見るべき。
ドキュメンタリーではあるけれど、
内海さんの人となりに迫っていく構成には引き込まれました。
アニメ映画に人寄せのタレントを使うのは本当に止めて頂きたい。
どんなに作り込まれても、その声のせいで一瞬に現実に引き戻される。
そしてイベントでは無く声優さんに相応の対価を
アニメ制作会社に相応の制作費を出せ。
儲かるのはテレビ局と電通ばかり。
ドキュメンタリーの体裁ではあるが、インタビュアーサイドが役者による...
ドキュメンタリーの体裁ではあるが、インタビュアーサイドが役者によるフィクション。
故人の業績を讃える話で、実際感動的で良い話を現役陣から聞けるのだが、インタビュアーの余計な設定があるため、嘘臭さが抜けない、残念な作り。
戸田恵子さんのニットの文字が「THE」だけなのが気になりすぎる。
声優の権利をもぎ取ったかつてと今のインボイス
アニメも好きだけど、学校が早く終わった日はテレ東の映画を見ていた。
私が子供のときはTVで映画が週5本くらい流れ、それを見て育った私は字幕派、吹き替え派の概念が生まれる前に映画は吹き替えドップリで今も両方上映されるなら吹き替えを選ぶ。
内海賢二さんと言ったら代表作は数しれないけど、私の中でブッチギリは『ブルース・ブラザーズ』のジェームズ牧師。
実際のJBは少し高めで高木渉さんが近い気がするけど、重低音なのにファンクに「君は光を見たかー!」と説教するのはただカッコよくてラオウ以上に私の中に刷り込まれた『内海賢二』だ。
映画は『内海賢二とは?』を軸に当時のアニメや声優の環境、今のブームに至る過程、現在進行系で活躍する声優や音響監督のインタビューで進む。
今でこそだけど、声優という職業が軽んじられ、当の声優もそう呼ばれることに顰めていた時代があった。
ルパン三世の山田康雄さんが「声優の」と紹介されるのを嫌っていたのは有名な話し。
今では進んでその肩書を目指してる人が何万といる。
そんな声優業界の話しから『夫・内海賢二、父・内海賢二、人間・内海賢二』に焦点が絞られる。
どの口からも語られるのは「太陽のように明るく良い人」「下の人にも分け隔てなく優しい人」という聖人君子。
人から愛され、才能に恵まれ、更に努力をし、上下の差なしに人を敬う。
だけどある人は言う。
「アイツは内海賢二を演じていた」
その真意は今となっては解らない。
内海賢二さんを通し、ここに至る声優業界を映像化したドキュメンタリーが上映された令和に声優業界だけでなくアニメも含めてクリエイターがインボイス制度に戸惑っている。
それに多くの声優達は自分の権利を守ったように抵抗している。
この映画が上映されたタイミングはたまたまかもしれないけど、私達が今まで楽しんできたアニメと携わる人達を守るために何が出来るのか?
もし内海さんがなんてタラレバは言ってもしょうがないけど、無駄になるようなことはしたくない。
声優の歴史そのもの
内海賢二さんと言う一人の声優を描くインタヴュードキュメンタリーの形式で声優の歴史そのものを描こうとしていた。序盤に出てくる声優という文化に対して、アニメ業界誌が何をできるかがテーマなんだろうが、それを描くのに最適な人材だった。正直年季の入った声優オタクなのであまり目新しい情報が出たわけではないが、それでも当事者の口から聞くと歴史と本当に魅力のある職業であることが伝わってくる。今は人気のある職業だがそれゆえにもっとお金に繋がる道を繋げてほしい。文化を繋げていくには心意気だけでは続かない。日本で生まれたブームなのに日本以外の方がお金になる現実に少しでも変化が起きれば良いと思う。
率直に言って映画とは言い難いドキュメンタリー形式だがそれ故にわざとらしい演技、演出に白ける。なく必要とラスト必要か?
我が生涯に一片の悔い無し! 何度聞いても震えます。 声優さんたちに...
我が生涯に一片の悔い無し!
何度聞いても震えます。
声優さんたちにインタビューしていくという形でドラマが進み、
内海賢二とはどういう人間だったのかを辿っていく。
声優さんたちの愛ある言葉、悩み、葛藤も。
最後は涙がこぼれました。
上映館が少ないのが残念。
声優という職業の歴史と奥深さを知れた
北斗の拳のラオウやドラゴンボールの神龍など多くの役を演じた声優・内海賢二の人となりをインタビューなどで探るドキュメンタリー。
舞台俳優から1963年に声優としてデビューしてから、個性と演技力で声優業界を牽引し2013年に亡くなった内海賢二について、新人ライター結花(葵あずさ)が内海と交流のあった声優たちへのインタビューを通して、声優業界の生い立ちと変遷、その中での彼の素晴らしさを描いた作品。
アニメをあまり見てこなかったので、内海賢二と言われても、名前も知らなかったが、声を聞けば、なるほど、というくらい有名な人だったようだ。
声優という仕事が現在のような人気職業になるまでの歴史をインタビューを通じて知ることができる貴重な作品。
しずかちゃんの野村道子さんの夫とも知らなかったから、本当に声優について勉強になった。
野沢雅子、神谷明、山寺宏一、水樹奈々ら、も出るし、アニメ好きなら必見かな。
若手ライター結花役の葵あずさがインタビューを続けていくうちにどんどん魅力的になっていった。
懐かしく
年代から言うと、インタビューを受けていた大御所さん達の若手の頃からの作品に接しているので、とても懐かしく、また、皆さんのご苦労が凄くわかります。皆さんとてもお若いですね。今でも現役なんて凄いですね。
【”我が生涯に一片の悔い無し!”今や世界を席巻するジャパニメーションの創成期から、声優業界を牽引して来た内海賢二さんの半生を、多数の声優のインタビューを絡ませて描いた作品。】
ー 1960年代から、アニメの声優や俳優として活躍してきた、故内海賢二氏の半生を、現代でもジャパニメーションを牽引する、羽佐間道夫(80歳オーバーにして、矍鑠としている。)、野沢雅子、山寺宏一、戸田恵子、水樹奈々という、滔滔たる声優陣へのインタビュー、及び妻野村道子さん、長男で内海氏の会社を継いだ内海健太郎さんへのインタビューを通して、その人柄、偉業を表したドキュメンタリー作品。ー
◆感想
・インタビューの際に、多くの方が口にするのが
”内海さんが、スタジオに居ると周囲が明るくなった。”
”太陽のようだった。”
”緊張している私の声を掛け、リラックスさせてくれた。”
”誰にでも、気さくに声を掛けてくれた。”
という、賛辞の言葉である。
そして、実際に映像を見ると、正にその通りで、上背はないが、アルトからテノールの音域の美声を明るく、大きく響く声で披露している。
・知らなかったのは、創成期の声優さん達の殆んどが、舞台俳優を主な生業としていて、声優は副業であった事である。
それが、声優業界の低賃金に繋がっていく箇所は、”そういう事か・・。”と思いながら観ていた。
ー 今は、創成期の声優さん達が、当時、決死のデモ行進をしたりして、だいぶ改善されているようではあるが・・。業界全体としては、マダマダ不安定なのだろうな・・。-
・洋画の吹き替えが本格化して、声優たちの仕事も増えていく様。
有名海外俳優の吹き替えが、固定して行ったのも、この頃か・・。
内海さんも多数のCMに主演されている。
<だが、内海さんは癌に斃れる。
そのことに触れると涙ぐむ多くの声優さん達。
そして、彼の告別式には1000名を越える方が出席する。
何よりも、死の間際に妻である野村道子さんにはっきりとした声で”愛している”と言ったという話は沁みた。
男として、内海さんは、立派な人生を生き切ったのではないかと思ったドキュメンタリー作品である。>
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