劇場公開日 2022年8月19日

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「ディレクターズカット版の概念を変えた一本?」ロッキーVSドラゴ ROCKY IV regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ディレクターズカット版の概念を変えた一本?

2022年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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もう冒頭の『ロッキー3』のダイジェスト(回想)シーンからしてオリジナル版と違う。オリジナル版ではクラバーとのリベンジマッチのシーンのみだったのに対し、今回はアポロとの友情にフィーチャーした構成になっている。
アポロがドラゴと闘いたがる理由や、タオルを投入しようとするロッキーの描写の変更、さらに冷酷非道と思われていたドラゴの内面をより強調するなど、人物描写に深みが加わっていたのが印象深いし、出番こそかなり削られたものの、ポーリーのコメディリリーフぶりも見逃せない。もっとも削られたといえば、ブリジット・ニールセン扮するドラゴ妻の登場シーンの大幅カットに笑ってしまった。やっぱりスタローンの元妻だったからか?
もう何度も観ているのに、クライマックスのドラゴ戦は新映像の確認を度外視しても興奮。ラストシーンも、『クリード 炎の宿敵』を観ている人ならより感慨深くなれるだろう。
スタローンは、『エクスペンダブルズ』もDVD化の際に自ら再編集したディレクターズカット版を発表したように、作品づくりにこだわりを持つ人物。ディレクターズカット版を作ったからといってオリジナル版を「なかった事」にしないのがいい。ジョージ・ルーカスには彼の爪の垢を煎じて飲んでもらいたいもの。
大げさじゃなく、ディレクターズカット版という概念を変える一本となったと言っても過言でないかも。ていうか、どんだけ未使用フッテージ持ってたんだよ!とツッコみたくもなったけど。
シリーズの中ではイマイチだった『ロッキー5』も、いつの日か再編集版を作ってほしい。あ、でもそれが『ロッキー・ザ・ファイナル』になるのか…

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