エゴイストのレビュー・感想・評価
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これが映画の醍醐味
なんとも濃密な作品である。
ゲイについて、生々しい描写含め、新しい世界を知ることができた。あまりマイノリティの抑圧の描写はないので、社会的な面は薄めなものの、テレビではとても放映できないところである。
そして、これをかなりなの売れている2人が演じることに意味があるし、男性でも惹かれる2人の演技である。
後半は「大事な人」と「エゴ」というキーワードをベースに、大事な人に尽くすことはエゴなのか、話が急展開すぎるきらいはあるが、大小あれ共感できるテーマである。
新しい世界を知る、そして、考えさせられる。
これが映画の醍醐味である。
2023年劇場鑑賞33本目
経済的強者だからこそできること
前半の内容こそ「BL漫画でよくある展開」ではあるのだが、後半からの展開が完全に予想外だった。てっきり「わたしはロランス」のようにカップルが揉めた末に別れる話だと思っていた。性的描写が多いので子供には見せられないが、全体を通したテーマは恋愛映画としてわりと普遍的なもので、映画館では思ったより幅広い年齢層が観に来ていた。
面倒を見たいという親の元に生まれること、また相手の親の面倒を積極的にみたいと思えるパートナーと出会えることということは、それだけで恵まれているということなのかもしれない。
その一方で、浩輔の行いは立派に見えるが、これは彼が経済的強者だからこそできる愛情表現であり、例えばレズビアンカップルにそれが可能なのかといえば、まだまだ男女の賃金格差も大きい世の中では、よほど成功しているバリキャリの女性でない限りは難しいだろう。個人差はあるが、一般的にはゲイカップル>ヘテロカップル>レズビアンカップル、の順で経済格差は開いてくる。保守層であるトランプ大統領がLGBTに歩み寄りを示したのも、主な支持基盤である富裕層におけるゲイカップルの影響力に配慮したからである。
結婚した女性が義理の親の介護をするのは当たり前、と押し付けられる一方で、結婚できないゲイカップルが相手の親の面倒を見ることは美談として描かれる。
女性が相手の親の面倒をみるは、果たしてここまで感謝されてきただろうか?
もしゲイカップルが普通に結婚できるようになった場合、相手の親の面倒をみるかみないかで揉めたり、自分の親の面倒の面倒をみたいのに義実家の親を優先させなければならなくなったり、あるいは相手の親の介護のためにキャリアが閉ざされたりして苦しむ男性の問題がクローズアップされてくるのかもしれない。今まで女性だけに押し付けられてきた介護問題が、高齢化や少子化で女性だけでなく独身男性が高齢の親の面倒を見るようになってようやく「社会問題」とされたように。
浩輔と龍太は経済格差のあるカップルだが、もし浩輔の父親が倒れた場合、龍太は経済援助はできない。ではトレーナーの夢をあきらめて介護できるのか?経済的に浩輔の世話になっていたのだから、自分の母親の世話より浩輔の父親の世話を優先しろと言われたりしないのか?多くの女性は経済的に男性に依存してるゆえに義実家の介護を強いられてきた。
そもそもなぜ龍太と母親は貧困家庭なのに公的支援を受けられないのか、日本のシングルマザーの6割が貧困世帯だといわれるが、本来は売春したりパートナーに経済的に依存したりして解決すべき問題ではないはずだがそこが見えなくなってしまっている。
日本で世に出ている「LGBT作品」といわれるもののほとんどがGとTを扱ったものであることに対しては警鐘を鳴らしたい。LGBTだから必ずしも被差別属性であると考えてしまうと、男女差別の構造を見えなくするからだ。フェミニズム関連の書籍が最近ではLGBTばかりを扱っている風潮にも疑問を抱く。Gは関係ないし、BとTの半分は身体男性なのでフェミニズムの範疇ではないからだ。
ただただ「普通」の映画だった。
普通の人同士が、普通の恋愛をする、ただただ「普通」の映画だった。
パーソナルトレーナーとその利用者が仕事を通じて出会い、互いに魅力的だなと思ったからそれが恋愛になり、相手の仕事のことで問題があったり別れの危機もあったが乗り越えて愛になる。なんてこともない、普通の恋愛の話だと思う。
そうやって親密になったあとで、もし結婚していれば、稼いでいるほうが多く出して生活費を支援(折半)することも普通だし、お金を出し合って車を買うことも、きっと普通だ。
強いて言えばその相手を早くに突然亡くしたことは普通ではないかもしれないが、それも誰にでも起こり得る可能性があることだろう。
もしも結婚した相手が亡くなれば、体の調子が良くない義理の親の面倒を見たいと思うのは普通のことだし、一緒に住みたいと考えるのも普通のことだ。
この愛し合った2人もその親との関係も、異性同士だったらもっと普通のことだと思えたのだと思う。
そう思えない理由は、今の日本ではこの2人が婚姻関係を結ぶことができず、相手の親の病院でも「家族」「親戚」とは名乗れない「他人」になってしまうからではないだろうか。彼らがゲイであるからという理由だけで。
この映画を見ている間ずっと、「この2人が異性同士だったらどうなっていたのだろうか」と考えてしまっていた。それが失礼なことであるとわかっていながらも、もし異性出会ったら何も不自然でも不自由でもなかったし、「普通」に生きていけたのだと思ってしまった。
この2人のような物語が、ただの「普通」の物語にいつかなったらいいと、今は思っている。
響いた反面
当事者なりに思ったことをコメントしていきます。
知人が出ていることもあり、前半はフラットな状態で観ることができました。後半は私の恋人が数年前にパワハラに遭い、自尽しました。その点、ストーリーと自らの経験が重なってしまい、終始涙が止まりませんでした。鈴木さんがZeroのインタビューでお話をされていました。ゲイというだけで「オネエ」ではない、ただ「異性愛者」に寄せてしまうと、原作者のストーリーと合わなくなる。とお話をされていて役作りの大変さや一見、完全に異性愛者だけど、本当は恋人がいるなどと言ったことも十分にあり得ます。また既婚者だけどバイの可能性もある。この映画が監督やプロデューサー陣、俳優陣が真剣に向き合って創り上げた一本だと当事者ながら感じました。ただ前半のヌードシーンの多用や詳細な描写などは不快に思えました。
映画を通じて、展開する必要があったのか。甚だ疑問です。また昨今、マイノリティーを演じる場合、当事者が演じる場合が諸外国では多いそうです。しかし鈴木さんの顔の表情など相当創り込まれていました。ただもう少しオネエ感を削ってもよかったかな。このコメントを読んでいる方々に伝えたいのはゲイ=オネエではないということです。普通の見た目。喋り方や仕草も異性愛者と変わらない男性が大半です。第三者からみたメディアが作り出した少しステレオタイプのゲイ映画でした。ドリアンがいながらも、そこが徹底されてないのは残念でした。また個人の感想のためご了承ください。
色んな愛の形
二人及びお母さんを含めた三人の愛の形は、言葉に形容し難い深いものがありましたね。龍太が純粋な真面目な人で良かったです。もしかしたら浩輔は騙されているのでは無いかと言う疑念も持ちましたので。二人の演技、特に宮沢君の役者根性には感服しました。
与える愛の形
鈴木亮平のゲイっぷりと
宮沢氷魚の透明感と笑顔に拍手。
前半は恋に落ちる二人を、
後半は愛の形について。
なかなかそこまでできないなぁと思いながら
観たが、浩輔にとっては、
精一杯に思いを表した結果なのだろう。
夜へ急ぐ人
ちあきなおみの伝説の名曲を、主人公が派手なガウンをまとい自宅でひとり舞い歌うシーンがあります。要所要所、こうしたスパイスの利いた場面が差し挟まれることで、映画の体温が高まってます。ゲイ友達のふわっとした青年がケーキを食べて「のぼったー」と満足するシーンとか、とても素敵。
愛とはなにか
極めてリアルなゲイの交遊の空気感。
演技ぽさを全く感じさせない、俳優陣の演技力。そしてそれをシンプルに丁寧に切り取った映像。
音も静かで派手な作り物らしさを取り払ったことで、非常に重厚感のある作品となっていました。
私は男性同性愛者ですが、普遍的価値の高さから、ジェンダーに関わりなくオススメできます。
泣きました…。
カメラワークの揺れで途中退席……
宮沢氷魚と鈴木亮平のラブシーンは美しいだろうなという期待を胸に映画館に行きました。確かにとても美しく撮れているし、2人の俳優さんの爽やかさもあって、2人の関係は自然と受け入れられるものでした。
ただ1つ残念だったのは映像が揺れ過ぎていて、三半規管の弱い私はほぼ最初から映像を見続けることができず、目をつぶって音を聞くのみ、大きな話の転換の場でついに途中退席してしまいました。気象状況による気圧の変化もあったのかもしれませんが『カメラを止めるな』以来の途中退席となってしまいました。最後まで見ていないので、どこかでまた見る機会があれば見るかもという気持ちです。
「エゴイスト」の意味は全体を俯瞰できていないので不明のまま。見ている途中で思ったのは、これがもし男同士じゃなくて宮沢氷魚が女だったらかなりチープな話になるのだろうなということでした。いや、もし鈴木亮平が女だったらかなり突飛な話に……と具合悪い中、妄想しましたがこれもそこまで。最後まで見てから採点したかったです。
カメラが揺れる映画は、事前に告知をしていただけるとありがたいです。次回は酔い止めの薬持参で一番後ろの席で見るか、家の小さい画面で見ることにします。
可愛い
大阪に遊びに来たついでに映画🎬
地方のミニシアターってテンション上がる✨
高層タワーに入っている映画館
素敵でした
エゴイスト
このタイトルは
この登場人物、皆に当てはまる
そう感じた
鈴木亮平さんの可愛さが目立つ
鈴木亮平さん
宮沢氷魚さん
素晴らしいお二人の演技は絶賛でしょう
ドキュメンタリーみたいに撮られている松永監督
オトトキも良かったけどこちらも良かったです
恋人、親子、いろんな想いがよぎります♪
劇中めまいが。。
カメラワークなのか?気分が悪くなってしまった。。
体調も悪かったかも。
エゴイスト、鈴木亮平、宮沢氷魚、阿川佐和子と素晴らしいと思う。
私的感情で言うと、依存する人間、ましてや大人、ましてや親が。。
鈴木亮平、宮沢氷魚さんの、心を思うと残酷ではないかなとも。
原作も背景も全て考えずに作品だけを通して観ると、ラストの阿川佐和子の言葉は戦慄を覚えた。。
今度は彼に依存するのか。と。
作品的には忘れられないすばらしい作品。
でも、一度しか見れない作品になったと思う。
『あのこと』と『百花』
ここ半年で3本も、あのようなカメラワーク!
『あのこと』は最高に好きだし、
『エゴイスト』も完全に私は鈴木亮平として映画にいた!
(『百花』は普通に酔った)
嫌いという人の意見もわかる。
きっと、日本映画の雰囲気ではなかった。
ヨーロッパっぽい、苦手な人は苦手だろうな、と。
最近見ている映画は、すごく僕達に体験をさせてくれて嬉しい
『アフターヤン』を思い出した
友達になれないタイプ😅
Gのやっかみです。。。
自分とは反対の感覚のGなので。。。
主人公のキャラがどこまでのオネエキャラだったのかわからないけど、
鈴木亮平の眉の動き感とか研究してるなぁとか
宮沢氷魚が果敢に挑んでいたなぁとか。
リアル感を求めてだろうキスの音とか咀嚼音とか手振れカメラワークとか印象的だった。
ストーリー的に結果オーライだったから良かったけど、、、主人公に共感出来なくて辛めです。
入院の面会や葬式とかの問題は何とか なれば良いと思うけど、必要以上な制度や線引きは要らないわ
タイトルの意味も含めて泣かされてしまった
ゲイに対する偏見や嫌悪感みたいなものは全くないが、自分とは違う世界の話なので映画やドラマでゲイの恋愛が描かれるとどう受け止めればいいのかわからなくなる。
本作での鈴木亮平と宮沢氷魚のベッドシーンがかなり攻めたものだったことに驚き、さらにとてもキレイだったから戸惑ってしまった。でもそこ止まりで他の感情が揺り動かされることはなかったから、自分の男色性は皆無であることを確認できた。
さて、この映画。ゲイの恋愛物語と思っていたが、途中から全くテイストが変わる。相手の力になりたいと思うわがままについて描かれる。それを果たして愛と呼べるのか。鈴木亮平演じる浩輔の行動に、それでいいのか?と思うところあったが、あそこまで突き抜けるとそれもありと感じてしまう不思議。
最後、お互いの思いをわかりあえたかのような終わり方とタイトルの意味に、自然と涙が流れてしまった。なんてこった。男色性が皆無なおじさんでも泣けるいい映画だった。
それにしても鈴木亮平のゲイ演技はすごかった。知り合いでゲイの人がそれほどいるわけではないが、ふとした瞬間に見せる仕草や言葉じりがとても自然に思えた。それに会話の内容。あれはアドリブなんだろうか。少し笑ってしまった。
調べると〈エゴイスト=他人のこうむる不利益を省みず、自らの利益だけ...
調べると〈エゴイスト=他人のこうむる不利益を省みず、自らの利益だけを求めて行動する人のこと〉だそうだ。映画を観ていても私には何がエゴイストなのか?という思いばかりだった。浩輔と龍太がたまたま男性だっただけで、お互いを思いやり大切に思う純粋な気持ちに心がキュッとなる。龍太の母、妙子が龍太を失って途方にくれる浩輔を母の愛で包み込むいくつものシーンや、浩輔が妙子を心配して世話するシーン。エゴイストの本来の意味の真逆で〈自分の不利益を省みず、相手の利益だけを考えて行動する人〉もエゴイストなのかもしれない・・と観終わって感じた。鈴木亮平の怪演にくぎ付けになる。最初から最後までどこを切り取っても、そこかしこにゲイの浩輔の姿が有って、観ているこちらの方が苦しくなったりもした。
夢と現実の狭間に
揺れ動く人間の感情が描かれていました。
パーソナルトレーナーとトレーニングする
立場で出会ったこうすけと龍太
触れ合う唇、透き通るような肌に感じた温もり、2人の息づかい、滴るシャワーの水音
人を好きになるほど、苦しくなる気持ち
龍太の大事な人だと気が付いていた母親
儚くも他界した龍太、ごめんなさいではなく
たくさんのありがとうを伝えたい、
亡くなったあとに泣き崩れるこうすけでしたが、、
海の岬で潮風に髪がなびくと、元気だった頃の龍太の笑顔が浮かんできました。
素晴らしい演技力に魅了された
自伝的小説を映画化したヒューマンドラマ。地味なストーリーで共感できるような内容では無いが、主演の鈴木亮平を中心に出演キャストの演技力が素晴らしくスクリーンに引き込まれた。さらにドキュメンタリータッチの映像による描写が、繊細な心の葛藤をより一層引き立てているように感じた。
2023-25
「君の名前で僕を呼んで」と比べるなら・・・
わかりやすさのために少し野暮な対比を書くと、Call me by your name(君の名前で僕を呼んで)はただひたすらに美しい映画で、エゴイストはただひたすらにリアルな映画で、エゴイストで美しいのは映画で描かれているもの自体なのか、いやそもそも映画が美しいとはそういうことではないのか、と思った。
わかりやすく書こうとしても、すこしこうわかりにくいことを言ってしまう。こんな私には浩輔の気持ちがよくわかるような気がした。
美しいものを観たい人、映画館で観るか迷っている人、ぜひ映画館で観るべき映画です。
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