ビーストのレビュー・感想・評価
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アフリカのサバンナで取り戻す父親と娘の絆
アフリカのサバンナへ10数年ぶりに娘たちを連れて訪れる医師の
ネイト(イドリス・エルバ)
妻の病死に傷付いた父親と娘2人。
妻の生まれた村を訪ねるのは、娘たちははじめてです。
ネイトは母親の生まれたアフリカの地を娘たちに見せたかった。
イドリス・エルバの優しい父親像が素敵でした。
迎えに来た友のマーティンは野生動物保護区に住み
監視員をしながら生物学の研究をしている学者。
冒頭では密猟者がライオンの群れを襲うシーン。が映し出される。
アフリカを食い物にする奴隷商人のように不穏だ。
そして、たった1匹のライオンが難を逃れた。
密猟人の狩で1匹生き残ったオスライオンの怒りと復讐。
村の人民を襲って殺したライオンも描かれる。
ライオンの立て髪を広げて跳躍する姿がCG交えて神々しい。
丘に立ち遠吠えするライオンは「ライオンキング」みたい。
ライオンってすごく美しい。
そのライオンが人間に牙を剥いてくる。
ライオンの怒りも分かる!
密猟して殺して骨から皮そして爪まで売り尽くす商人。
元はと言えばサバンナは野生動物の棲家だったのだし、
ライオンは見せ物になりたかった訳ではない。
無法者の密猟ハンターグループ。
野生の秩序が乱されたときライオンは怒り人間に刃向かう。
出来る事なら共生して互いに自由に生きたい。
後半、エルバが無防備な姿でライオンに立ち向かう。
飛びつかれ、振り回され、
ライオンは足を執拗に攻めてくる。
しかし殺しはしない。
素手だ!!
ライオンを傷つけてビーストにしたのは人間。
百獣の王ライオンが人間と共に生きるアフリカであってほしい。
声高くはないが、さり気なく教えてくれる。
お父さんの最後の選択は?
CGなのか、VFXなのか…。
素人の私には判然としませんが、いずれにしても映像技術を駆使して、実写だったら俳優さんが危険で、とてもとても撮影なんかできないようなシーンがスクリーンに登場するようになったのは、映画ファンとしては、嬉しい限りです。
そして本作は、その特徴を活かし、ハラハラ・ドキドキの連続で、とてもとても怖い映画に仕上がっていることも、他のレビュアー諸兄・諸姉が指摘するとおりで、いまさら評論子が書き加えるようなコメントも、ありません。
ただ、一つだけ気になったのは…。
最後のさいごにお父さんが、廃校(?)の一室に娘たちを残したときに、自分は素手でライオンに立ち向かおうとしたことでした。
いうまでもなく、危機管理(サバイバル)の鉄則は、ゲガをしないことです。
命にも関わりますし、第一、ケガをしてしまったら(自分も)動けなくなるので。
(まして設定では、お父さんは医師でしたから、自分がケガをしてしまったら、他者の手当もできなくなる)
牙も爪もない身の人間が、ナイフ一本でライオンと渡り合おうというのは、いくら娘たちからライオンを遠ざけるためであったとしても、手段・方法として常軌を逸した「無茶」とも言えるのではないかと思いました。
娘たちと一緒に立て籠もって、救助を待っのが至当だったでしょう。
ただ、最後にクライマックスが必要だったのでしょう。映画作品としては。
ですから、上記のような「無粋なツッコミ」を差し引いたとしても、十二分に楽しめる作品であったことは、いい添えておきたいと思います。
焦っているのはわかるが、運転して木に激突して車を動かなくする娘 あ...
焦っているのはわかるが、運転して木に激突して車を動かなくする娘
あの状況で勝手に助けに行くために車の外へ出ていく娘
見せ場を作りたいがために、ああいうことをされるとイライラするわ
最後にライオンがやられる描写もない。不完全燃焼。
ライオン対ビースト
アフリカ旅行中、狂暴なライオンが襲撃。父親は娘たちを守れるか…?
これほどシンプルで分かり易い作品も昨今珍しい。尺も90分。
下手すりゃただのB級になるところだが…、
なかなかスリル満点のサバイバル×アニマル・パニック。
この手のジャンルでよく言われるのが、序盤のドラマ部分は退屈。レビューでもちらほら、家族ドラマなんていいからライオンとの闘いをずっと見たかったとの声もあるが、一応この部分が主人公家族の話の肝や父親が闘う動機にもなっている。それに、たかだか30分くらいなんだから我慢して!
亡き妻の故郷であるアフリカへ旅行に訪れた医師の父親と二人の娘。
一見仲良さそうに見えるが、奥さんが亡くなる前に別居し、亡くなる時傍に居なかった事から、娘たちとの関係にミゾが。
この旅行はその関係修復も兼ねて。自分と娘たち、各々のこれからにとっても非常に重要。
そんな時襲い来る恐怖。
何としても…いや、絶対守らなければならない。
家族の背景の地盤がシンプルながらしっかりと出来て、いよいよ襲い掛かって来られても大丈夫。
旧友の案内である村に立ち寄り、惨状から不穏と危険を感じ取り、“奴”が姿を現す。
ここもド派手に“THE登場!”ではなく、突如の急襲。恐怖とパニックを煽る。
“奴”は何処から襲撃してくるか分からない。襲われたら、終わり。とにかく執拗。
離れた場所に傷を負った旧友。助けに行かなければ。
娘たちは怯えている。守らねば。
ほぼ車の中のワン・シチュエーション。
時々外に出た時の緊張感。
逃げ場のない極限状態下の閉塞感。
『ザ・ディープ』『エベレスト』『アドリフト』などサバイバルものに手腕を振るうバルタザール・コルマウクルの演出と名手フィリップ・ルースロによる臨場感たっぷりの映像は、単なるB級の類いのそれとは違う事を証明している。
やはりライオンの狂暴さこそ見もの。
ライオンは基本CGで描かれているが、シーンによって本物も使用。なかなか見分けが付かないほどリアル。
人間を襲って食べるのではなく、狂ったように人間だけを襲い、殺す。
その昔実話を基にした『ゴースト&ダークネス』という人喰いライオンの作品があったが、こんなにも恐ろしいライオンの映画は他にないのでは…?
あまりの恐ろしさから“ディアボロ(悪魔)”と呼ばれ、普通のライオンじゃない。奴は、何者…?
開幕シーン。密猟ハンターらがライオンの群れを襲撃。一頭だけ逃す。そう、この一頭が…。
仲間を殺され、人間を憎むようになったライオン。
全ての人間を敵とみなし、悪魔の獣と化した。
ちゃんとライオンにも動機があるのだ。
怒り狂ったライオンの力と恐ろしさは、他のライオンの比じゃない。
こんなライオンに太刀打ち出来るのは、ドウェインかステイサムくらい。
その二人と闘った事あるイドリス・エルバが、闘う。
彼の熱演が作品に貢献している。
キャストは多くないが、シャルト・コプリーや娘役二人も奮闘。
ツッコミ所もあり。最たるは、
外が危険な事承知なのに、結構ひょいひょいひょいひょい外に出る。娘なんて負傷した旧友のおじさんを助けに。
父親も旧友もさっさと逃げりゃいいのに、一人で銃を持ってライオンを追う。挙げ句、返り討ち…。
私なら絶対車から外に出ないけど!
人間を憎むようになったライオンだが、ライオンがそんな感情を抱くのか…?
まあ、この手のジャンルに付き物。
クライマックスは父親とライオンの一対一のガチンコバトル。
さすがに劣勢。決着は…。
ラストは指摘受けてるようだけど、いい方法だったんじゃないかな。なるほど“縄張り”、頭脳戦だね。
確かにB級テイストと言ったら、B級テイスト。
でも、実力あるスタッフやキャストにより、無駄を削ぎ落としたシンプルで、一級のスリルとエンタメ。
個人的に何とも言えぬ作品を見た後だったので、スカッと救われた気分。
ちゃんと大事な事も漏れなく。
悪魔の如く描かれているライオンだが、そもそもの原因を作ったのは人間。
自然の怒りを買い、報いを受ける。
人間こそ、愚かで恐れを知らぬビースト。
もうちょい
他評者も言及していらっしゃる通り前半のサスペンス感は割といい感じだったが,密猟者登場のあたりからアレレ展開の竜頭蛇尾。
村落や密猟グループを殲滅するような獣王相手に徒手格闘して生き残るって…もう一工夫欲しかった。
手負いのライオンは恐すぎる、、、
獣王の縄張り
母が亡くなったことで少しギクシャクした様子の親子が、母の故郷である南アフリカに旅行に行ったが、そこには危険な密猟者や猛獣が・・・といった物語。
動物系ライドが好きなワタクシ、何度観てもこのシチュエーションはたまりませんな。
序盤は現地の友人を訪ね、母が亡くなった理由やそれにまつわるネイトと娘達の背景が描かれる。辛いですね。。
程なくして、密猟により人間に恨みを持つようになったライオンに襲われ、命からがら逃げるパニックアクションの様相に。
全体を通し、観易いアドベンチャー作品になってはいるが、序盤は思いの外テンポが悪く、助けに行く行かないのくだりがちょっと長ったらしい。
そしてライオンを探す為とは言え明らかにワニさんがいる湖に入っていくってどうなのよ!?
・・・そして出て来ないんかい(笑)‼
そんなこんなありながら、いつ襲ってくるかわからない恐怖はかなりの緊張感があったし、ライオンもホンモノにしか見えない迫力が存分にあったし、医者というバックボーンも存分に活かされ、娘やマーティンも皆勇敢で逞しい。
まぁ、この世界の掟ではありますが最後はちょっと可哀そうだったかな。もとはと言えば悪い奴らのせいですしね。
あとはせっかくのサバンナなので、もうちょっと色んな動物の活躍を観たかったかな。
また、車中の夢のくだり、後ろからそっと抱き寄せてきたのがマーティンだと思ってしまったのはここだけの話。
総じて普通に面白かったし興奮させられた作品だった。
人生一度は行ってみたいと思いつつも、やっぱりこういうの観ると怖くなりますね(笑)
ライオン岩と泣き虫悪魔
ライオン
ライオンの造形が凄かったなあ。
たてがみとか触れちゃったりする感じとか、物理的な作用とか、襲撃の迫力とか。
特にラストは凄まじかった。
父親への絡み具合とか…リアル。いや、リアルを見た事はないんだが、説得力に溢れてた。
無茶苦茶、作り込まれてた。
凶暴なライオンではあるものの、人の目線からみると復讐者的な立場にもしてあって、密猟などの人的被害も描かれる。
まぁ、アレだ深淵を覗き込む時は、深淵もまたお前を覗き込んでいるのだ的な事だわな。
因果応報ってやつかな。
まずドア閉めようよ
この手のサスペンスものでよくある「ここで外出るか?」とか「おいおい、ドア閉めなきゃ」というハラハラと突っ込み満載で楽しめる佳作です。
監督はモンスター映画は苦手と思われます。
出るぞ出るぞ・・という緊迫感は今一で、「JAWS」を引き合いに出した前宣伝ほどは面白くないです。俯瞰というか、固定カメラでの遠景撮影が目立つ気がします。
とはいえ90分という短尺作品なので、皆異口同音に言ってますが、「お昼のロードショー」気分で楽しむといいと思います。
しかし、最後はあの巨体に噛みつかれ振り回されて「流石に死ぬだろ」と大きなツッコミで終わります。
4DXで観たら失神する人が続出しそうな一作
予告編から想像できるとおり、サバンナで孤立した親子が獰猛なライオンに襲われる恐怖を描くという、アトラクション・ムービーに全振りした映画でした。アフリカの大自然の美しさと、夜の帳に覆われたサバンナの底知れぬ深さの対比が素晴らしく、ライオンの凶暴さ以前にその風景、映像の美しさに驚かされます。撮影機材の充実ぶりはもちろんのこと、撮影時の光線状態の計算が非常に入念だったことをうかがわせます。
全編を貫く異様な緊張感は、カメラから飛び出してきそうな程に迫ってくるライオンとつんざくようなうなり声だけでなく、非常に長い長いワンショットによっても高められています。思わず飛び上がりそうな描写が続くあまり、早く画面が切り替わって、この緊張感を解いて欲しい…、という観客の願いを見透かしたように、自在に動き回りながらもなかなか途切れない映像がもたらす効果は絶大です。
一体どうやって撮影したんだよ、と思うほどに恐ろしくも堂々とした体躯の「ディアボロ」とも呼ばれる凶暴なライオンの撮影方法については、監督インタビューや解説などを参照してもらうとして、その描写の迫真性はちょっと近年の作品では比較できないほど。
アトラクション的な側面にほぼ全上映時間が費やされているため、確かに主人公とその娘達の関係などのドラマ部分の描写は少なめですが、それがドラマの描き方の浅さに直結している、という訳ではなく、少ない台詞や演出で巧みかつ無駄なくその関係性を描いてみせています。アクションの中にドラマを入れ込む、という演出手法自体はそれほど珍しいものではないのですが、本作はその中でもかなり成功しているのでは。
これは確実に劇場で観るべき作品。
B級の匂いが全くしない。
あっという間の90分です
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