劇場公開日 2022年9月9日 PROMOTION

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ビースト : 特集

2022年9月5日更新

「ジュラシック」「ジョーズ」のユニバーサル・スタジオ最新作!
サバンナでモンスターライオンに遭遇…
スリルとサバイバルを体感する極限の90分間!

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バチバチに面白そうな予感がする映画を観に行ったら、ギッチギチに面白かったときの喜びよ。9月9日から公開される「ビースト」は、そんな映画なのである。

妻と死別したある家族が、孤立無縁の荒野で、狂ったモンスターライオンに襲われる。父親である医者は娘2人を守るため戦うが、ライオンはあまりにも凶暴で強大で……。

映画館が極限の危険地帯になる90分間。規格外のスリルがあなたを捕らえて離さない!

今回の特集では、ユニバーサル・スタジオ最新作「ビースト」にどハマりした映画.com編集者が、その魅力を熱量込めてレビュー。恐怖や興奮だけでなく、感動もガッツリ味わったというその体験を、ユーザーの皆様にも追体験していただこう。


【予告編】家族を守る父 VS モンスターライオン! 90分1本勝負が始まる──

【こんな面白そうな映画があるのか!?】
ユニバーサル・スタジオ最新作は“父 VS モンスターライオン”

本作への期待感は、予告編とポスターを見た時に決定的になった。

設定がまずそそられる。次の「007」ジェームズ・ボンドの候補として知られるイドリス・エルバ扮する父親と、人間を襲うことを存在理由とするモンスターライオンが死闘を繰り広げる! ポスターを観るとエルバは素手で立ち向かっているようで、もういろんな想像が膨らみまくって爆裂しそうだ。

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しかも製作は「ジュラシック・パーク」「ジョーズ」などで知られる、あのユニバーサル・スタジオ! 大きすぎる期待をかけても軽々と超えてくれる彼らが放つ最新作だ、スリルもクオリティもスペクタクルも、度を越した作品を届けてくれるに違いない。

海外からは「陸のジョーズ」という評判も聞こえてきた。あの歴史的傑作に匹敵するというのか? こんなに面白そうな映画があっていいのか――? そんなことを思いながら、いざ上映へ向かった。

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【ここまで面白くていいのか!?】
実際に観たら…映画館で全身がズタボロになるほどのスリルと快感!

結論から言おう。最高だった……。オープニングシーンから期待に違わず、否、期待をロケットみたいな勢いで飛び越えていく作品だった。

スリルの煽り方が本当に見事。闇夜、サバンナの静けさと草木不穏なざわめきが、観客の恐怖ゲージを貯めに貯めていく。もう限界ギリギリだ!となるや、こちらの「来るぞ!」の予想を外した絶妙なタイミングで、ライオンによるド派手なシーンがやってくる。これがカタルシスに繋がり、日常で溜まった嫌な気分がすっかりデトックスされるのだ。

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具体的にどこがどう良かったのかは次の項目に譲るが、物語展開的には「ファーーーーーッ○!」と叫びだしたくなるヤバめなシーンの連続! 映画館がサバンナのど真ん中になり、四方のどこからかモンスターライオンが襲いかかってくる緊張感により全身がズタボロになる……結果、アトラクション感覚のむちゃくちゃ楽しい映画体験を堪能できた。

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【すごかった①】
繰り返す──“父 VS モンスターライオン”が、とんでもなく面白い!

ここからは、具体的に「すごかった」ポイントをご紹介していこう。まずは“バトルの面白さ”に興奮させられたことについて。

物語のメインディッシュは、主人公の父親(職業:医者)と2人の娘が、人間に傷つけられたため凶暴化したライオンと戦うこと。主人公たちはロクな武器を持っておらず、携帯電話も通じず助けも呼べない状況で、ライオンの脅威にさらされ続けるのである。

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しかもこのライオン、ひと目で「あ、これは人間は勝てない」と察するほど強そうなのだ。猛獣でも2時間は眠るという鎮静剤を打たれても、ものの数分で復活(普通に歩き出した)する。食べるためではなく、ただ殺すため何度も何度も人や車に飛びかかるから、経験豊富な生物学者(シャールト・コプリー)も「こんなやつ初めて見た」とドン引きするくらいである。

対して主演のイドリス・エルバは「ワイルド・スピード スーパーコンボ」「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」などのスターであり、普段なら我々は「まあエルバなら、ライオンくらいはパンチ一発で」とか思ってしまうが、今回ばかりは相手が悪い。胸も腕も尋常じゃなく太いのに、あのモンスターライオンを目の前にすると、心なしか頼りなく見える……。

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絶望的な戦力格差をどう覆し、生き残る道を探るのか? その過程は実際に観てもらいたいので詳述しない(ネタバレにもなるので)が、とんでもなく面白い。このスリル、この興奮。ぜひ映画館でこそ観てくれ。


【すごかった②】
感動がある…“闘う理由”や“痛みからの再生”が深くて切なくて泣ける

スリルや興奮だけでなく、感動(しかも泣けるくらいの)があるから「ビースト」は偉い。主人公とライオンが戦わなければいけない理由や、両者の心の傷にスポットが当てられ、それゆえ結末には涙を禁じ得ないレベルの展開が待っていた。

そもそも主人公一家は、なぜこのサバンナの土地を訪れたのか? それは主人公自身と、亡くなったばかりの妻の故郷だからだ。

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思いがこもった土地に、家族でやってきた。彼らには愛する人の死という痛みが渦巻いている。そして、主人公は妻と別居していたため、医者でありながら妻の病に気がつけなかったことを、ひどく後悔している。こんなことが次第に明らかになる。

“喪失からの再生”というテーマが根底に流れていることにハッとして、これを起点にさらにググッと物語に感情移入していく。思い出の土地に現れ、家族を襲うライオン。執拗に付け狙い、何度追い払っても襲いかかってくるそれは、単なるモンスターというモチーフを超え、主人公たちを苦しめる“痛ましい記憶”のメタファーにも解釈できる。

さらに両者は本来、戦う理由などなかったはず、という点も見逃せない。お互いに直接的に害をなしたわけではない。しかしライオンは人間たちへの憎悪から、主人公を襲わざるを得ない。主人公も、愛する娘2人を守るため戦わざるを得ない。そしてなによりも、妻の故郷と、妻の記憶を傷つけられないためにも、主人公は恐怖を振り払って立ち向かうのである。

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この皮肉な運命が切なく、アツい展開を呼ぶ。スリルを引き立たせるどころか、また別の興奮へと変換するほどのドラマが、実は今作最大の見どころだと考えている。


【すごかった③】
結論、予想以上にクオリティ高すぎ…バトルもドラマもテーマも死角なし!

ということで、予想をはるかに超えるクオリティであり、とてつもなく面白かった……。正直、鑑賞前はただバカバカしいモンスターパニックものである可能性も捨てきれなかったが、実際に観るとあれもこれも、すべての要素が高い次元で融合していたから驚いた。

説明口調のセリフに頼らず、娘たちの愚痴から「Wi-Fiがない場所」と示したり、手際よく観客の物語理解を促進してくれる。人間が獰猛な自然に手を出すことの危険と愚かさも描かれ、日本でも考察が盛んに行われているジョーダン・ピール監督作「NOPE ノープ」とも重なる。

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映像もオシャレで、極限状況でまどろみながら見る夢が視覚化されており見事だった。前面に出てくる設定(家族を守る父親 VS モンスターライオン)も面白いし、ドラマの深さも一級品。シチュエーションの説得力(例えば主人公が戦わなければならない理由。逃げればいいじゃん、となると興が醒める)も満足感があり、まさに死角なし!といった完成度だ。

もしもあなたが、少しでも本作を侮っているのなら……とことん、もったいない!

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【最後に】
名作オマージュも見逃すな! このシーンはもしかして…

ここまで読んでくれた映画ファンへ向け、「個人的に好きだった細かい要素」を2つ、お伝えしておこう。

1つ目はオマージュについて。サバンナに着いたとき、娘が「ジュラシック・パーク」のTシャツを着ている(縁起でもないシャツだ)などなど、画面の端々に映画ファンならニヤリとするオマージュが仕掛けられている。のちの伏線になるものもあるので、ぜひ、目を凝らして観察してほしい。

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2つ目は“消毒”について。なんと本作、「傷口に熱したナイフを押し当て消毒する」と、「傷口に酒をぶっかけて消毒する」という“映画界の2大消毒シーン”が盛り込まれているのだ! 久しぶりに観た! しかも1作品で2つとも! 「どうでもいいだろ」と怒られそうだが、濃ゆい映画ファンならわかってくれると思う、この興奮。この消毒方法を観ることでしか得られない栄養素があるんだよ!

……老若男女、問わずアトラクション感覚で没入できる楽しさを全面に備えながら、映画好きも心から喜ばせてくれる「ビースト」。この映画が大好きだ、そうお伝えして、特集を締めくくらせていただく。

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